ナースのひとりごと(昔話)
コロナ患者への偏見差別が問題となっている所は知られていますが病気への偏見差別は昔からあったのです、それは今始まった訳ではありません。今回は糖尿病患者であった同級生について思い出して、思った事を呟いてみました。いじめでこの世を去って行く人は多い、頑張らなくていい、逃げていい、そう思います。
私が中学生の時でした、毎年健康診断しますよね。その時同級生の男子が糖尿病だという事が分かり、その為、影で“いじめ”に会っていたようです、彼はⅠ型の糖尿病だったのでしょう、今なら分かりますが、当時は中学生ですから、どういうものなのか理解も出来ていませんでした。
病気…ばい菌扱いです。
今思えば先生がきちんと病気について、病気の為に出来ない事、食べられない物がある事をはっきりと話していればもう少し違っていたのではないかと考えてしまいます。
当時は男子と女子に分かれていて、私のクラスはお互い仲は余り良くなかったと思います。
女子でも“彼”の事を悪く言う人はいました、私は何故その事で彼が虐められるのか理解出来ませんでした。そんな事より今月号の漫画の続き見た?の方が楽しかったです。
社会人になって、誰かが誰かの悪口をいいます。
「そうよねぇ~」「それ分かる~」などと同意すると、
その場が盛り上がります。一番盛り上がり共感できる話題が“悪口”です。
自分は意図して言った訳ではなくても、それが、人を傷つける言葉になってしまう。
聞いていて、楽しいですか?私は不快でした、なので、話がそういう方向になると、そっと、その輪から出て行きます、が場の雰囲気を壊さないように合わせて話したりもしました…仕事、仕事、やる事は沢山あります…物品は足りているかな?不足していたら補充する、物品を取りに行ったりもします、患者の見回り、時には患者と話し、雑談をします。
個室の患者などから「疲れたでしょう、ここで休んでいきなさい」などと有難い言葉を貰う事もありました(休んでませんよ)。産婦人科病棟では、「前の子供の時も貴方と一緒に写真を撮ったの、今度も一緒に写真を撮らせて」と嬉しい言葉を頂き一緒に写ります。私はこの仕事が好きです。
高校は看護科のある高校へ進学しました。満員電車の中ふと視線を感じてそちらを見ました。
そこには、あの彼がいたのです。
私が気がついた事を知った彼は、私に微笑んでくれました。制服を見れば何処の学校かわかります。君はその道へ行くんだね、と言われたように思いました。普通科もありますが、その時私にはそう見えたのです。
一度も話した事はありません、でも、彼を悪く言った事も一度もないのです。満員電車を降りて、中学の友人が言っていた事を思い出します。「○○君いつも貴方を見ていたよ」と彼の目には私は変わった人に見えたのかも知れません、何故自分の事を何も言わないの?と、だって漫画やアイドル、音楽や映画その話の方が楽しいから。彼が私を見ていた…そうか、としか思いません。中にはえーっ気持ち悪い、という人もいるでしょう、でもそれで私が不快に感じたり、虐められたりした事はありません。忌み嫌う理由はありません。中学生の頃、何をあんなに話していたのだろうと思う位毎日が楽しかったです。
今はネット社会で、虐めはより陰湿なものになってしまっています。周りは敵ばかりに見えてくる。
言葉って不思議です、一言で相手を傷つけたり、その一言で救われたりもします。
虐めを苦に自分からこの世を去ってしまう。そんな記事を見るといつも思う、誰か言ってあげて!
学校なんて行かなくてもいい、命を懸けて行く場所ではないと。
我慢しないでいい。逃げてもいい。引きこもりいいじゃないですか、ニートそれが?かじれる脛があるならかじっていい、世の中メンタルが強い人を探す方が難しい、でも世の中ってそんなに悪いかな?
中学の同級生に私は何も出来なかった、優しくもしていない、ただ、彼は自分の事を悪く言わない人が居るんだ、と、そう思った事が救いだったとしたら‥‥‥少しは彼の心を軽く出来ていたのかなあ、と昔を懐かしむ。
ひとりごとに付き合ってくれてありがとうございます。
病気への差別、偏見、糖尿病=贅沢病、ではありません。Ⅱ型は後天的なものですが1型は先天的なのもで、すい臓から出るインスリンが出ない、又は少ない。彼等彼女等は日々自分の血糖値を調べ、インスリンを自己注射して頑張って管理しています。