『耳に関する短い論文二編』について
※今回紹介するホームズの論文には名前がありません故、『耳に関する短い論文二編』と表記しています。
『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』で『ボール箱』という短編がある。その短編で、耳に関する短い論文二編に触れられているのだ。
ホームズは人体の内で耳ほど変化が激しいものはなく、他のどの耳とも形は違っているということを短い論文二編にまとめた。
正典から例に挙げると、『シャーロック・ホームズの思い出』の一編『グロリア・スコット号』でホームズは耳を見ただけでボクシングをやっていたことを言い当てた。ホームズいわく、ボクシングをやる人の耳は独特な平たさと薄さを持っているらしい。
また、私もくだらない例を挙げてみることにする。職業性難聴というものがある。長い期間騒音にさらされて徐々に難聴になるのを「騒音性難聴」、騒音性難聴になった場所が職場なら「職業性難聴」なのだ。職業柄、イヤホンやインカムを片耳につけて働く職場で職業性難聴になったなら、片耳だけ聞こえにくくなる。これも、一応は耳に関しているし例題としては合っていると思う。
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※正しい参考文献の書き方とは多少の違いがあります。ご了承ください。
〔参考文献〕
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの思い出』延原謙訳 新潮文庫
平賀三郎『ホームズなんでも事典』青弓社
本間利美「職業性難聴の発生並びに進展に関する臨床的研究」『日本耳鼻咽喉科学会会報』
コナン・ドイル『グロリア・スコット号』三上於莵吉訳 青空文庫↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/000009/files/43498_16595.html