地下100階に置き去りにされたヘンゼルとグレーテルのお菓子なダンジョン
ヘンゼルとグレーテルは初投稿です!
宜しくお願い致します!
(*´д`*)
「ヤバ……」
二人はグレートデーモンに囲まれ、今にも殺されそうになっておりました。
「クチャクチャクチャクチャクチャクチャ……!?」
ビスケットの壁を毟り取り懸命に頬張るグレーテル。死ぬ前であろうと食い意地は変わりません。
義母の香水を壁に擦りつけ、その匂いを辿る予定が、放置直後から最上級悪魔にエンカウントし、二人の命は風前の灯火でした。
「許してつかーさい!!」
ヘンゼルの先制土下座攻撃!!
──しかし悪魔に土下座は効かなかった!!
「ねえねえ、この悪魔キャラメルで出来てるよ!?」
ヘンゼルの舐め回し攻撃!!
──悪魔に効果抜群だ!!
悪魔は頭をしゃぶられ、あっという間に一体が首無しとなってしまいました。
「アクマガオルデ!!」
グレートデーモン達は一目散に逃げ出し、ヘンゼルは大きく息を吐き出して生きた心地のしない緊張感から解放されました。
「ペロペロペロペロペロペロペロペロ……!!」
「頼むから悪魔の脚をそんなに口に入れてこっちを見るのを止めてくれ……」
それからと言うもの、ダンジョンの全ての物がお菓子で出来てると知ったグレーテルは、兎に角手当たり次第に食べ尽くしました。
「この罠グミだ……!」
「ドラゴンの炎って生クリームなんだね」
「マサムネが千歳飴なんだけど……」
二人はグングンとダンジョンを駆け上がり、あっという間に地下一階へと戻って来てしまいました。
「もう少しで地上だ……!!」
「クチャクチャクチャクチャクチャクチャ……!!」
グレーテルはホットケーキで出来たゴブリンを、頭から齧っています。
「フォッフォッ! ちょいとお待ち!!」
二人の行く手を阻むように、一人の老婆が姿を現しました。このお菓子なダンジョンの管理人である魔法使いです!
「このままタダで帰すと思っているのかい!? 小僧達よ」
「このお婆さんも食べられるの?」
「やめっ! お止め! アタタタタッ! コラ! 齧るな! 舐めるな! しゃぶるなー!! 私は食べ物じゃなーーい!!!!」
グレーテルがお婆さんを食べようとしますが、完全に生肉でした。どうやら本物の人間に間違い無さそうです。
「くそっ、もう少しで帰れると思ったのに……!」
「グフフ……!! 現実はお菓子のように、そうは甘くないって事よ!」
二人は怪しく笑う老婆に、ついにここまでかと観念致しました。
「時間無制限食べ放題コース、一人2500ゴールドです」
「……ん?」
「クチャクチャ……!?」
二人は予期せぬ展開に思わず呆けてしまいました。
「一人2500ゴールド。ポイントカードがあるなら先にお出し」
しかし二人はここに捨てられた身。当然小銭すら持っておりませんでした。
「……帰ろうか」
「──クチャ!!」
二人は来た道を戻り始めました。
「あれっ!? か、帰らないのかい!?」
「時間無制限なら、僕達ずっとここに居ます」
「バイバーイ」
そして二人は、一生お菓子なダンジョンを食べ続けながら、二人仲良く暮らしましたとさ。
読んで頂きましてありがとうございました!!
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