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4/8

過激で、強烈な、最高の刺激

前回までのあらすじ



依頼を終えて冒険家組合(ギルド)へ帰還したウェン達は、いつもと様子が違うことに気が付く。

数日後には、街を表立って歩けないほどになってしまった。

ハドは、みんなの辛そうな顔はもう見たくない、とパーティを抜けることを決心する。

ウェン達は強く反対するが、彼の決心は固く、ウェン達も折れてしまった。

次の日、彼らは冒険家組合(ギルド)へ向かうのだが...。

翌朝、ウェン達、そして、パーティを抜けたハドは共に冒険家組合(ギルド)へ訪れていた。


パーティを抜けるための手続きをするためだった。



「ハーくん。 別にあなたまで来る必要はなかったのよ。


ここへ来たら、また絡まれたりするかもしれないんだから。」



とロゼが言う。


ハドはその言葉に首を横に振って、



「ううん。やっぱり僕の口から言わせてほしいんだ。


それに、ぼくはそんなことからいつまでも逃げ続けるわけにもいかない。」



そうハドが答えた時だった。



「おうおう、なんだか臭えとおもえば、


宿も追い出された、浮浪者パーティじゃねえか。」



そう言って近づいてきたのは、


全身をきらびやかな装備で着飾り、チャラついた金髪の痩身の男。



「なにか用かな。 アレク。


悪いが、今君と話をしている余裕はないんだ。


どいてくれるかな。」



ウェンは、そう言ってその前を通ろうとすると、


アレクと呼ばれたその男は、



「口の利き方には気を付けたほうがいいなぁ、おい! 


俺は、辺境伯の信頼も厚い、Bランク冒険家(ブレイブ)のアレク様だからよぉ!


てめぇみてぇなカスとちがってなぁ!?」



大声を張り上げて、周りの注目を集めるアレクにしかめっ面をしつつ、



「...アレク。 私たちは急いでいるんだ。」



とウェンは、声を低くして言うと、


アレクは機嫌を悪くしたようで、チッと舌打ちをし、



「まだ解らねぇようだな。


てめぇらが、この街でどう過ごせるかは俺の機嫌次第だってことがよぉ!


てめぇらみてぇな雑魚冒険家(ブレイブ)が、俺の前をうろついてんじゃねぇ!」



アレクは、さらに大きな声を張り上げる。


彼は、同じᗷランクの冒険家(ブレイブ)であり、実力もあるウェンのことを


目の敵にしており、何かと突っかかってくる厄介な冒険家(ブレイブ)だった。


アレクの大声に、観衆が、何だ何だ、と次第に集まり、さらに注目を集めはじめた。


それに気を良くしたのか、口元を歪ませながら、



「役にも立たねぇカスが、この街でどうなるか、


俺が教えてやるよ。


そういや。 てめぇのパーティに万年Eランクのゴミ冒険家(ブレイブ)がいるらしいなぁ!


そのゴミからでいいぜ。


雑魚のまま、のうのうと過ごしている、その腐った根性を、


この俺様が叩き直してやらぁ!


おら、出てこいよ、ゴミィィィ!!」



と、ウェン達のパーティを見回す。


周りの観衆は、



(例の寄生冒険家(ブレイブ)のことじゃないか?)


(まだこの街にいたの?)


冒険家(ブレイブ)名乗んなよ!)



などと、騒がれる。


ウェンは、



「...君には関係ないことだよ。」



と悔し気に言うが、



「関係ないだぁ?


よくそんなことが言えるな、おい!


そんなゴミが、冒険家(ブレイブ)なんざ名乗っていることがどれだけ迷惑なことか、


解って言ってんのか? あぁん?」



とアレクは大声で喚く。



(そうだ、そうだ)


冒険家(ブレイブ)の恥さらしめ!)


(お前らも迷惑してんだろ!)



と野次が飛び交う。


顔こそ平静を装っているが、固く握られた拳を震わせているウェン、


俯きながらも唇を噛み締め、アレクを睨めつけるソルク、


今にも暴れだしそうなリュナを、必死で抑えているロゼとヴィーデ。


そんな様子を横目で見ながら、ハドが一歩前に出る。


ウェンはそんなハドを止めようとするが、


ハドは小さく首を振り、



「Eランクの冒険家(ブレイブ)ならぼくです。」



と名乗った。


周りからは、ハドに対し、罵詈雑言が浴びせられた。


アレクは、口元をニヤつかせながら、声を張り上げる。



「やっぱりてめぇかぁ!


この冒険家(ブレイブ)の面汚しが!


二度と冒険家(ブレイブ)を名乗れねぇようにしてやる!」



アレクは、その正義感に満ちたような口調とは違い、


ニヤニヤと弱者をいたぶるような目つきでハドを見る。



「ハドは、雑魚じゃねぇーー!!」


「勝手に俺らのパーティの話に首突っ込んでんじゃねぇ!」



リュナとソルクが、アレクに向かってそう怒鳴ると、


アレクは、その言葉に、フンッと鼻で笑い、



「こうやって、パーティメンバーに守ってもらってたんだな、てめぇはよぉ!


おんぶに抱っこで、足ばっか引っ張って


それでも、他人の働きで食う飯は、うまかったか?


だがてめぇには、もうそんな未来はねぇよ!」



(そうだ、そうだ)


(このタダ飯食らいが)



ハドはそんな喧騒の中、ぽつりと言った。



「そんな僕に絡んで、


高ランクの冒険家(ブレイブ)というのは、そんなにも暇なんですね。


この街には、まだまだ依頼があるというのに。」



その声は、大して大きくなかったが、


アレクや、周りの観衆の怒りに火をつけるには十分すぎた。



(んだとこらぁ!!!!) (何様よ!!!) (自分じゃ何もできないくせに!!)



「てめぇ、言わせておけば、ぬけぬけと...」



アレクは顔を真っ赤にし、彼の拳は目にも止まらぬ速さでハドの顔へと迫った。




ガィィ――――ン!!!!!




アレクの拳がハドの顔に当たる瞬間、


見えない何かがそれを妨げ、



「先に手を出しやがったな」



ソルクがそう言うやいなや、ハドの前を紅い閃光が走った。


アレクの姿は掻き消え、周りの観衆数人を巻き込んで壁に激突した。




少しの時間をおいて、壁からアレクが現れ、こう叫んだ。



「見たかぁ! あれが、奴らの本性だ!


人間相手でも容赦なく攻撃してくるぞ!


奴らを許すな!」



アレクの怒りやすい性格を考えれば、


すぐにでも応戦してきたところだろうが、


ウェン達に、自分ひとりでは、分が悪いとみたのだろう。



「あんな奴らが、街の人々を守れるのか!?


否ぁ!! てめぇらみてぇなクズは冒険家(ブレイブ)をやめろ!!」



観衆をかき立てて、ウェン達を窮地に立たせようとした。



(そうだ!お前たちは冒険家(ブレイブ)なんかじゃねぇ!)


冒険家(ブレイブ)をやめろ!)


(やめろ!)



周りの観衆もアレクの勢いに押され、


ふと、誰かが言い始めたやめろコールに皆が乗り始める。



やっめーろっ!! やっめーろっ!! やっめーろっ!!



やっめーろっ!! やっめーろっ!! やっめーろっ!!




それは大合唱となって、冒険家組合(ギルド)の外にまで広がった。




やっめーろっ!! やっめーろっ!! やっめーろっ!!



やっめーろっ!! やっめーろっ!! やっめーろっ!!



そんな時だった。


凄まじい殺気と威圧感を放って、その男が現れたのは。


それは非常に大きな男だった。


かなり大きく作られている、冒険家組合(ギルド)の入り口が


窮屈に見えるほどその大きな男は、



「朝っぱらから祭りでもやってんのか、この街は。」



と言って、冒険家組合(ギルド)へ入ってきた。


その男の威圧感に、観衆は静まり返り、



(!!!!!)


(彼は!?!)


(なぜここに!?!)



その男の姿を見て、ひどく驚き、跪いている者さえいた。



「ウォルク様ぁ~!!  ここにいらっしゃいましたか。」



その大男の後ろから声をかけたのは、かの冒険家組合長(ギルドマスター)、ブロワだった。


ブロワは、ウォルクと呼ばれた男を追って、冒険家組合(ギルド)へ入ってくると、


中の状況、そして、壁に空いた大きな穴を見て、



「お前たち。


これは一体どういうことだぁ!!!」



と一喝した。


すると、隣にいた大男が



「ブロワ。」



と制止した。


ブロワは、その声を聞いて、ピタリと口を閉じ、黙り込む。


ウォルクは、冒険家組合(ギルド)のロビーにある椅子にドカッと腰を下ろすとふぅと息を吐く。




冒険家(ブレイブ)ってのはよぉ。


他人に頼まれてなるもんでもねえ。


他人に頼まれてやめるもんでもねえ。


何故だかわかるか?」



その大男、ウォルクは静かに問うた。


ウォルクから放たれる圧倒的な威圧感に、辺りは静寂に包まれる。


その沈黙を破ったのは、灰色の髪の小さな少年。


ハドだった。



「命がけだからでしょうか?」



・・・。


ウォルクは、まっすぐに見つめてくるハドの目をしばらくの間じっと見ていたが、


やがて、フッと笑い、



「いい目をしている。」



と言った。



冒険家(ブレイブ)ってのはな、


覚悟がある者だけがなれる。  死ぬ覚悟がな。


いつ、いかなる状況でも、己の命を懸けられるか。


生きるか、死ぬか、そんな状況で、何を為すのか。


俺たち冒険家(ブレイブ)はいつだって試されてる。」



ウォルクは、そこで一息おくと、周りをじろりと見渡した。


ごくり、と唾をのむ音があちこちで聞こえた。



「俺たちは、冒険家(ブレイブ)だ。


この危険極まりない世界で、それらと闘う。


俺たちは、人間を守護する盾であり、


俺たちは、危険を排除する槍だ。


だからこそだ。


覚悟のねえ奴は今すぐ去れ。


それが、そいつ自身のためであり、俺たちのためだ。」



ウォルクは、そう言って出口の方へ向かう。


出口のところで立ち止まると、ブロワを呼んだ。



「壁の修理代は俺につけておけ。」



有無を言わさぬその言葉に、ブロワは肯定せざるを得なかった。



「かしこまりました、ウォルク様。」


「では、あとは任せた。」



そう言ってウォルクは、冒険家組合(ギルド)をあとにしたのだった。




彼が去ったあと、人だかりはすぐになくなった。


それまでにぎやかだった冒険家組合(ギルド)も、落ち着きを取り戻していた。


それを為したのは、ひとりの男。


その名をウォルク。


この世界に10といないS級冒険者のひとりであり、


その巨大な体躯と勇敢さからつけられた二つ名は『大戦鬼(ジャイアント)』。


彼が吠えれば、空気が割れ、


踏み出した足は、大地をも砕くといわれる。


その男は、多くの冒険家(ブレイブ)に覚悟を持たせ、


ひとりの少年の心に熱い火を灯したのだった。




固有名詞が適当すぎる件。

語尾も、名前の呼び方も...。

精進します。




織華おるかといいます。



執筆経験はありません。



拙い文章、拙い構成をお許しください。



ご意見、ご感想など頂けると喜びます。



よろしくお願い致します。

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