ドッゴォォォォーーン!!
ようこそ。
魔物が蔓延る、危険なこの世界へ。
この物語は、危険な魔物と日々戦い、たくましく生き抜いていく冒険家達の物語です。
かっこいい戦闘シーンなんかが見られるといいですね。
何やら早速、大きな音がしたようですよ。
一緒に見に行ってみましょう。
人がごった返す真昼間の冒険家組合のロビーに凄まじい音が響き渡る。
束の間の静寂の後、その音の発生源である冒険家組合受付に注目が集まる。
見れば、床には大きな穴が空いており、それをなしたと思われる、赤い髪の女の子は、怒りを必死に押し殺すような声でこう言った。
「てめェ、ハーちゃんを馬鹿にしてただで済むと思ってないだろうなァ」
とても強そうには見えないその小さな身なりからは、とても考えられないオーラが出ていた。
相手の男の胸倉をつかみ、グラグラと揺らす。
「リュ、リュナッ!ダメだよ、職員への暴力はっ」
横から、女の子と同じくらい小さな男の子が抱き着いて止める。
「ハーちゃん!?」
リュナと呼ばれた女の子は、慌ててその手を放す。
「でも、こいつハーちゃんのことを...」
「...いいんだ。いいんだよ。」
少年は、悔しそうな顔を見せながらも、少女を止める。
すると、その横から、
「いいえ。よくありませんね。」
「ああ。よくねえな。」
「うん。そうだね。ここはパーティリーダーである僕に任せてもらおう。」
と、同じパーティメンバーと思われる3人が先ほどまでリュナが胸倉をつかんでいた男、冒険家組合の職員ににじり寄る。
黒髪の目つきの悪い男は、その男の顔に目いっぱいまで近づき、にらみつけ、
背の高いクールな女と優し気な男は、その男の肩に手を置く。
冒険家組合職員は、無表情のままこう言う。
「私は事実を述べたまでです。」
その言葉に黒髪の目つきの悪い男は、
「オメェには、その事実とやらをとことん分からせる必要がありそうだな」
とその目つきの悪い目がさらに細められたその時、
「なにをやっとるかぁ!!」
恰幅の良い大きな男が建物の奥から声を張り上げて出てきた。
その男の名前をブロワという。
この町の冒険家組合を統括する冒険家組合長である。
ブロワは、床に空いた穴と、職員、冒険家の面々を順番に見つめ、ひと呼吸おいて
「お前ら、全員奥に来い。」
と告げた。
奥というのは、応接間とは名ばかりの通称『説教部屋』である。
このブロワという男は、戦闘に関してはからっきしだが、弁が立ち、説教はいつまでたっても終わらない。
冒険家たちにとって体を動かすことは得意でも、延々と説教を聞き続けるのは、ある種の地獄ともいえた。
「おいおい、ちょっと待てよ。」
そう言って、待ったをかけたのは、先程の黒髪の目つきの悪い男である。
「ソルク。何だ。」
「俺たちはそこの無礼な受付に、話があるんだ。マスターには無ぇよ」
その言葉を受けて、ブロワは、
「ほう。そこの穴を見ても同じことがいえるか?」
「・・・。 チッ」
ブロワは、小さくため息をついて、
「いいか、お前たちは将来有望な冒険家なんだ。
なのに、問題ばかり起こしおって。
さあ、来い。冒険家のなんたるかをお前たちに叩き込んでやる。」
織華といいます。
執筆経験はありません。
拙い文章、拙い構成をお許しください。
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よろしくお願い致します。