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第6話 森と廃工場 前編

「ありがとうございました!勇者様!」


「行ってらっしゃい!勇者様!」


「また来てください!勇者様!」


…それで、俺達はこの村の出口に来ている訳だが…案の定、お出迎えがあった。

…いったい、俺達が森に行く事を、どこで知ったのだろうか。


「…それで、森、村の中からは全く見えないが、いったいどこにそんな森が…。」


俺は、そう言いながら、村のゲートを通り抜けた。


「…あった。」


…瞬間、目の前に鬱蒼(うっそう)とした森があった。

…いやしかし、もう驚かないぞ。

…これは、あれだろ、村にはられているらしい防壁が、光学迷彩かなんかで、森を隠していたんだろう。


「…じゃあ、行こうか、依頼を達成しに…。」


俺は、急に森が現れたことをナチュラルにスルーし、スライムの依頼をした人の元へ向かった。


「…あ、連絡があったけど、『スライムの生態調査』を受けてくれたのは、君か…い?」


依頼をした人らしき者は、俺達の顔を見るなり驚いていた。


「…どうしたんですか?」


「…あ、ああ、何だか……君、勇者様に似ているな…って、思っただけさ。」


依頼主は、何故か少し焦っている様子だった。


「いや、勇者ですけど。」


俺は、言わない理由があるわけではないよな、と普通に自分が勇者だという事を依頼主に伝えた。


「…ああ、そうだよな、やっぱり人違……えっ…!?…本物…!?…そ、そうか。」


依頼主は困惑した様子だった。

…驚くのも無理ない、伝説の存在的なのが、突然目の前に現れたのだ。

…まあ、俺に勇者だという自覚は、まだあまりないが…。


…いや、待てよ、この人は何で俺が勇者だと言う事を知っているんだ?

…ネクステ村の住人から聞いたりしたのか…?

…って、待てよ?よく考えてみたら…何でネクステ村の人も、俺が勇者だって事を知っていたんだ?


…そうだよな、よく考えてみたら、おかしい。

俺は、自分の写真を魔王に送ったが、顔は見せていない。

…そういえば、カラリの時も、状況が状況だったから、深く考えてはいられなかったが、俺が勇者だという事にすぐに気付いたよな…。


…待てよ、カラリを含む、ネクステ村の住人さん達は、俺と出会ってなんて言った?


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「勇者様!『kantsumire』で見ましたよ!」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


…『kantsumire』で見ました、か。

…なら、もしかして…。

…俺は、おもむろにスマホを取り出し、『kantsumire』で『勇者』というワードで画像を調べた。


…すると、やはり、俺の予想した通りの事が起こっていた。


「…俺、顔バレしてる!!」


…何と、そこには、俺の顔がモロに出ている画像を添え、『この服、多分勇者様だよね?思ってたよりイケメーン^^*』といった文章が呟いてあった。


…あー、服かぁ、それは盲点だった…。

そういえば、今考えてみると、カラリも、「その服装…勇者様ですよね」といったことを言っていたかもしれない。


……何が思っていたよりイケメーンだよ。

…全く嬉しくないぞ、そう、全く…。


「…勇者様?どうしたんですか?ニヤニヤして…。」


「あー!な、何でもないよー。」


…と、依頼主からそんな言葉をかけられてしまった。

…いや、全く嬉しくないぞ、全く!!


…ふと、俺はある事が気になったので、文章だけの方も確認してみた。


「…俺、位置バレもしている!!!」


…そこには、『今ネクステから勇者様を見送りました!感動!』という文章を始め、結構リアルタイムで俺がやった事が文字化されていた。


「…今の所は何も問題は起こってないけど、これじゃあ魔王軍に情報がダダ漏れじゃないか!」


…次の村に着いたら、服を着替える事を考えなくては。

…俺はそう思った。


「つ、ツイトさん、あの…!」


…そんなことを色々考えていると、カラリが若干躊躇(ためら)いながら、話しかけてきた。


「…ん?何、カラリ…。」


「あっ、いた!スライム!ほら!」


「えっ?」


…突然の依頼主の声に、リプラは周りをぱぱっと確認した。

…俺も釣られて確認した。

…すると、一瞬スライムらしき残像が見えた。

…しかし、それはすぐ消え、スライム本体をハッキリと見る事は叶わなかった。


「え、スライムってそんなに高速移動するの?」


「…いえ、普通は、そんなに高速移動はしません。

…それに、私が見た時スライムは、突如その場に現れ、突如その場から消えていました。」


「…え?スライムってテレポートするの?」


「…いえ、普通は、しません。テレポートが使える者は、モンスターでも人間でも、1部の者です。

…テレポートが使える者が沢山いれば、電波を妨害する森に困る事はないので。」


…無いはず、でも、今起こっている、という事はつまり…?


「やっぱり魔王が何かしたのかな…?」


「…その可能性が高いとは思います。」


…なるほど、今この森は、結構深刻な状況らしい。


「…あ、それで…カラリはさっき俺になんて言おうと…。」


…と、俺がカラリに話しかけた瞬間、どこからともなく、パキッと何かが砕ける様な音が聞こえた。


「…え?何?この音…。…まあ、いいか、まずカラリの話を聞こう。

…それで、カラリ…。…カラリ?」


…何だか、カラリの様子がおかしい。

…何かを訴えるような、深刻そうで、少し怯えたような顔をしているのだが…さっきから、一向に話し始める気配がない。

…嫌な予感がする。


「リプラ、これって…!」


「…はい、どうやらカラリさんは、『沈黙』の状態異常にかかってしまっているようです。」


「…『沈黙』…。」


…ゲームとかでは聞いた事があるが、この世界では、全く言葉を発せなくなってしまう状態異常を、沈黙と呼ぶらしい。

…そして、カラリがそれにかかっているということは…。

多分、この辺のどこか敵がいるって事だよな…。


「…。」


俺は、念の為に剣を持ち、辺りを見回した。

…その時、俺はある事に気が付いた。


「…いや、待てよ、そういえば依頼主さんもさっきから言葉を発していない!…まさか!」


「あ、俺は大丈夫ですよ。」


…素の沈黙だった!紛らわしいわ!


…俺は改めて辺りを見回した。

…すると、姿こそ見えなかったが、何者かの気配を沢山感じた。


「…ツイト様、13体のモンスターの気配を感じます。」


リプラも、俺にそう言ってきた。

13体か、倒せるか倒せないかは個々の強さによるかもしれないな。

…大丈夫だ。いざとなったら、『スタン』もある。


「…来ます!」


「…!」


リプラがそう言った瞬間、バッと木の影からモンスター達が襲いかかって来た。


なるほど、スライムに、キノコっぽいのに、ネズミっぽいのに、木っぽいのがいるな…。


…ん?待てよ?…1、二、3……あ、やっぱり1二体しかいない。

…13体いるはずなら、いったいどこに…。


…俺がそう思っていると、突然地面がグラグラと揺れ始めた。

…そして、木の陰から、苔むした、ゴーレムらしきモンスターが現れた。


「………。」


さて、この状況だが、俺は割と焦っている。

…さすがに、このモンスター達が、個々でドラゴンに匹敵する力を持っているようには見えないが、毒を持っているような、使えそうな風には見える。

更に、カラリに使われた、沈黙が使えるモンスターもこの中にいるのだろう。

…俺は、レベルアップ施設で、毒や沈黙などの、状態異常にしてくる系の敵とは戦っていない。

…そのため、どのように戦えば良いか分からず、結構焦っているのだ。


「…これは、『スライム』が3体、『ポイズンマッシュルーム』が3体、『ポイズンマウス』が3体、『マッサツリー』が3体、そして、『苔むしたゴーレム』が1体ですね。」


苔むしたゴーレム…?苔むした?

それ、名前なのか…。…まあ、それはいい。


…名前的に、『ポイズンマッシュルーム』と『ポイズンマウス』は毒がありそうだな。

『マッサツリー』…抹殺か…怖いな。『苔むしたゴーレム』も、ドラゴン程じゃないが、かなり大きいな…後気がかりなのはさっきのスライムの、テレポート的なのか…。

…それに、毒は分かりやすいが、沈黙は、誰が使って来るのか全く検討もつかない。


「…取り敢えず、スライムを斬って様子を見たいんだけど…ここのモンスターって倒していいの?」


俺は念の為リプラにそう聞いてみた。


「…このモンスター達は、きっと魔王の力の影響を受けているはずです。そのため、倒しておいた方が良いでしょう。

…お手伝いします。『ヘイトコントロール』!」


リプラがそう言うと、モンスターの注意がリプラの方に向いたような気がした。


「ありがとう、リプラ……でいやっ!」


その隙に俺は、スライムを素早く1体斬った。

…スライムは、問題なく斬ることが出来た。

…しかし、少し違和感があった。

なんというか、レベルアップ施設で戦っている時と、剣の手応えが違うというか…レベルアップ施設では、スライムは爆発四散

していたのに…。


「…でも、何も無い…のか?…じゃあ、後二体も…!」


多少の疑問は持ちつつも、問題なく斬れる事が判明したスライムを、俺は容赦なく真っ二つにした。

…これで、モンスターは後、10体…。

そのうち毒がありそうなのは6体…。


…毒、毒…毒ってどうやって対処すればいいのだろうか。

…えっと、確か…『針を抜いて、毒を絞り出す』…って、これは蜂に刺された時の対処法じゃないか!だめだ!これ以外思いつかない!


「…っ…!」


俺が毒をどう対処しようか迷っている間に、モンスター達はリプラの周りに集まっていた。

…リプラは、華麗な身のこなしでモンスター達の攻撃を避けているが、だんだんと追い詰められているような気がする。


…まずい、早く対処法を考えないと…。

…いや、まず落ち着くべきだよな。

…こんな状況だからこそ、落ち着いて今、どうなっていて、何をすべきなのか考えよう。


…まず、敵、敵は今10体だが…リプラが『マッサツリー』だといった、木のようなモンスターは、出てきた位置から全く動く様子がない。

…『マッサツリー』って、名前に似合わず、意外と無害なモンスターなのか?

…他のモンスターに釣られて出てきたけど、戦う気はないとか…。


…まあ、取り敢えず動かないのならこのモンスターは後回しでいいだろう。


…次に、『ポイズンマッシュルーム』か、こいつは見たところ、胞子的なものをばらまく、範囲攻撃をして来るっぽいな。


…で、『ポイズンマウス』は単純な噛みつきか。

…でも、結構すばやいな。

…下手すると『スタン』も当てる事が出来ない速さかもしれない。


…そして、『苔むしたゴーレム』。

何だろうか、見たところ、俺が戦ったドラゴンよりも攻撃範囲が狭いような気がする。

…攻撃も単純に、殴るといった自らの素材と巨体を活かした攻撃方法のようだ。


…ここから考えられる対処法は…そうだな。


「…リプラ!ちょっと試してみたい事があるんだけど…俺の方に『ポイズンマウス』の注意を向ける事って出来る?」


俺は、リプラにそう呼びかけてみた。


「はい、出来ますよ!『ヘイトコントロール』!」


リプラはそう答えた。そして、リプラのスキルの影響か、『ポイズンマウス』の注意が俺の方に向いた気がした。

…よし、大丈夫だ。きっと、作戦は上手くいく筈だ…。


「…っ!」


『ポイズンマウス』は注意が俺に向いた瞬間、こちらに全力ダッシュで襲いかかって来た。


「…大丈夫だ、大丈夫だ…。」


俺は呼吸を整えた。


「……………今だ!」


そして、『ポイズンマウス』が俺に飛び掛って来た瞬間、俺はササッと右に避けた。


「…チュー!?」


…そして、そのまま俺は近くの茂みに飛び込んだ。


「…?……?」


「…チューチュー!」


…『ポイズンマウス』のうち1体は、俺の急な方向転換に着いていけず、牙が、すぐ後ろにあった木に突き刺さっていた。

…残りの二体の『ポイズンマウス』は俺を見失って周りをキョロキョロと見ている。


「『スタン』!!」


俺は、間を置かずに二体の『ポイズンマウス』に『スタン』を放ち、そして、斬りかかった。


「……チュー……。」


…うーん、やっぱりレベルアップ施設の時と、何かが違うなぁ…何といえばいいのだろう、レベルアップ施設の剣は『ズバンッ』って感じだったけれど、この剣は『スパッ』というような感じだ。


「…まあ『ポイズンマウス』3体は倒せたし、後は…『ポイズンマッシュルーム』と、『マッサツリー』と『苔むしたゴーレム』だな。」


取り敢えず、剣の違和感に関しては、気にしない事にした。

今は『ポイズンマッシュルーム』の事を考えてみよう。

こいつはそんなに速くないと見受けられる、から、『スタン』が効けばいいのだけれどキノコに効くのかなぁ…。

…いや、迷っている暇はない、リプラに、『ポイズンマッシュルーム』の注意も向けてもらおう。


「リプラ!『ポイズンマッシュルーム』の注意も俺の方に向けてくれ!」


「…はい!『ヘイトコントロール』!」


リプラがそう言うと、『ポイズンマッシュルーム』は俺の方にゆっくりと向かってきた。


「…『スタン』!」


俺がそう叫ぶと、『ポイズンマッシュルーム』はピタリと動きを止めた。

…どうやら、効いているようだ。


「…よし!じゃあ後は剣で…。」


「待ってください!」


「…えっ?」


…と、俺が『ポイズンマッシュルーム』を斬ろうとすると、リプラが止めてきた。


「『ポイズンマッシュルーム』は、倒れる瞬間、周囲に毒を撒き散らします。…剣での攻撃は危険です!」


「…剣での攻撃は危険って言ったって…他に…あ、そうだ!カラリ!

…カラリは確か、武器屋で弓を選んでいたよね?カラリ!お願い!

『ポイズンマッシュルーム』を射ってくれ!」


「……っ!?」


「…お願いだ…今はカラリの力が必要なんだ!」


「………っ!」


俺の呼び掛けに、カラリは1回、こくんと頷き、弓を構えた。


「…………………っ。……!」


が、カラリはすぐ弓を下ろし、俺の方に弓と矢を投げてきた。


「…えっ!?…あっ、ああ、ありがとう?」


俺は困惑しつつも弓と矢を受け取り、『ポイズンマッシュルーム』の方に構えた。


「待ってください!ツイト様!使えるんですか?」


…瞬間、リプラからそう声をかけられた。

…あ、どうしよう、使えないや。


「…ツイト様、取り敢えず、1発放って見てください。」


リプラは、『苔むしたゴーレム』の攻撃を避けながら、こちらを見た。

モンスターの数が減ったからか、リプラも割と余裕になって来たようだ。


「…取り敢えず1発…?」


俺はリプラが言った通り、改めて『ポイズンマッシュルーム』の方に弓を構えた。

…そして、狙いを定め…放つ。


「…ふー………はっ!……わあビックリシター!!」


矢が飛ぶ音が、音が大きかったので、俺は思わずそう口に出していた。

…でも、まあ、あと考えてみると、そんなに大きい音ではなかったような気がする。

…矢は、見事、『ポイズンマッシュルーム』の…斜め後ろの木に、命中していた。


「…やっぱり無理だよ…全く当たらない。」


「…ツイト様!一旦、目を瞑って…全て私の言う通りに弓を構えて下さい!」


「え?…目を瞑る…?」


でも、他に方法も無いので、俺は目を瞑って、弓を構えてみた。


「…もう少し上です、そしてもう少し右に…あ、もうちょっと左です。…はい、そこです。」


「………ん゛ん゛っ。」


…俺は、目を瞑ったまま、リプラの言う通りに矢を放った。

…上手くいっているのかは分からなかった。

声を抑えられないのは、やっぱり音が大きいから?

いや、違うな、まだ慣れていないだけ…。


「…次はもう少し右を向いて下さい…。

はい、そうです、そこで、弓をもう少し左に…で、ちょっと下を向けて下さい。

はい、そこです。」


俺はまた、リプラが言う通りに矢を放った。


「………ん゛ん。」


…あれ…やっぱり矢を放つ時、何だか、変な声を出してしまうな…。


「最後は、左の方を向いてください。

…はい、そして…はい、弓を少し上にして下さい…そこです。」


「…ん゛!」


俺は、最後までリプラの言う通りに、矢を放った。

後、俺は矢を放つ時、変な癖をつけてしまったようだ。

…あー、やらかした、こういう変な癖って意外と、すぐには無くならないんだよな。


…こういう時は…忘れるのが1番だ!

次に弓を使う機会があった時は、変な声を出さない事を祈るしかない!

俺はそう思いながら目を開けた。

…『ポイズンマッシュルーム』には、全て命中していたようだ。


「あ、リプラ、ありがとう…。」


リプラは、ゴーレムからの攻撃を避けながら、いえいえ、と笑みを浮かべていた。


…そして、後は『苔むしたゴーレム』か。

あ、後『マッサツリー』も…。

…ゴーレム…うーん、ゴーレムっていったいどう倒せばいいのだろうか。


「『スタン』!」


俺は取り敢えずスタンを放ってみた。

…しかし、『苔むしたゴーレム』の状態に全く変化はない。

…どうやら、『スタン』が効いていないようだ。

…キノコには効くのに、苔むした石には効かないとは、どういう事なのだろうか。

…まあ、考えても仕方が無い。考えても分からないのであれば…聞こう。


「リプラ、『苔むしたゴーレム』の弱点とか、うわぁ!

……えっと、『苔むしたゴーレム』の弱点…って、分かったりする?」


俺は、リプラに近付きながら話し掛けようとしたが、近付ききる前に、『苔むしたゴーレム』の射程範囲に入ったようで、攻撃が飛んで来たので、俺は『苔むしたゴーレム』とちょうどいい間合いを取りながら、リプラにそう声をかけた。


「はい、『苔むしたゴーレム』の弱点は、頭です。

ここには、今は石に覆われて見えませんが、このゴーレムの核があるのです。

…核を何かしらの方法で取り出すか、壊すかすれば、動きが止まります。」


リプラは、そう答えた。


…何かしらの方法で取り出すか、壊すか…。

…多分、取り出すのは今の力じゃ無理かもしれない。

…しかし、壊すと言っても、石を貫かなければならない。


…この剣を売ってくれた店主さんいわく、この剣は軽めの素材で出来ているスピード重視の剣なので、多分貫くとか、力で何とかしようと言う時には向いていないと思われる。


…うーん、『苔むしたゴーレム』は…苔が生えるほど、長く起きられなかったのかどうかは分からないが、多分、体が脆くなっているはずだ。

…だから爆発などを起こせれば、簡単に壊すことはできるだろうけど…。

…粉塵爆発は……粉状のものがないし、そもそも熱源がない。

…いや、まず粉以前に爆発という手を取るのであれば、熱源は確実にいるよな。


……だめだ、考えがまとまらない…。

…リプラが倒せる方法を持っていないかな。

…相談してみるか…?


「…リプラ…!………えっ?」


俺は、驚きのあまり、その場に立ち尽くしてしまった。

リプラに声をかけようとした瞬間、どこからともなく火球が飛んできたのだ。

…火球は『苔むしたゴーレム』にぶつかり、頭が吹っ飛んで行った。


「…………え?………?リプラ…じゃ、ないよね。」


「はい、私ではありません。

…何者かが、私達の手助けをしてくれたようですね。」


何者か?…何者かっていったい何者なんだろうか。


「あ、ありがとうー?」


俺は、火球が飛んで来た方向に一応お礼を言っておいた。


「…場所を探知し、何者かを確認した方がよろしいでしょうか?」


「…いや、いいよ。姿を見せてくれないって事は、何かしら事情があるんだろうし、俺達を助けてくれたって事は、敵ではないと思うし…。」


「…そうですか?」


リプラは、「本当に大丈夫ですか?」というような顔をしていた。


「そうそう!大丈夫でしょう。もし、万が一敵だとしても、まだ目的が分からないから…。」


俺は小さめの声でリプラにそう伝えた。


「…なるほど、目的が分かるまでは、そっとしておくのですね?」


リプラも小声でそう答えた。


「…うん、そう、取り敢えずはね。

…じゃあ、後は『マッサツリー』だけど、全く動かないよね倒すべきか………ええ!?」


俺はふと、カラリがいる方向をみたのだが、思わず二度見してしまった。


「…ゆ、勇者様!助けて下さい!」


「………っ!」


依頼主さんと、カラリが宙に浮いているのだ。

…俺は、思わず、バッとリプラの方を見た。


「…ダメです、この…浮遊魔法を使ったとみられる者が見つかりません。」


「…っ、そんな!…カラリ!依頼主さん!」


俺は走って二人の元へ駆けつけ、手を伸ばした。

…だが、手は届かず、二人はどんどん浮かんで行き、森の奥の方へ飛んで行った。


「…リプラ、二人を追おう!」


「…はい!」


俺は、二人を必死で追いかけた…。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「…はあ、はあ…見失った…。」


「見失ってしまいましたね。」


必死で追いかけたのだが、俺達はいつの間にか二人を見失っていた。


「…はぁ、結構森の奥の方へ入り込んじゃったなぁ…。

もう手がかりは何も無いし、どうやって探そう…。」


「…ツイト様!あれを見てください。」


「えっ?」


…リプラが指を差した先には、何か白い物が落ちていた。


「…?」


近付いて見てみると、それは手紙のようだった。


「…見てみるか。」


…どうせ他に手がかりはない。俺は、手紙の封を切った。


「うわ、字、汚っ!」


…手紙の字があまりにも汚かったので、俺は思わずそう口に出していた。

…いや、でも、読めなくはない…か?


「読み上げるね。…ええー、ゆ、『ゆうしやお?』あ、“勇者よ”か。

…ん?えーっと、ああ、『ふたりはあづかった』?」


預かった。であろうか。

…これって誤字まで翻訳されるのか…。


「かん…『かえしてほしけれぼ』“ば”かな?

ここにこい』?」


…そして、手紙には地図が描いてあった。

…木と、線と、丸だけの…。


「…これだけで分かるか!」


「…分かりますよ。ご案内します。」


「ええ!?」


…リプラによれば、この地図は、かなり簡略化されているが、嘘は書かれていないようなので、分かるらしい。恐ろしいな…その力。


…俺は、取り敢えずリプラの案内通りに森を進んだ…。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「地図が示しているのは、こちらの様ですね。」


「ここ…?」


地図通り(?)道を進んで見えてきたのは、廃工場のような、倉庫のような場所だった。


「…じゃあ、行こうか?」


「…ツイト様、少々お待ちください、話しておきたい事があります。」


「…えっ?」


………。

……。

…。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「よし、行くぞぉ!」


…俺はリプラと軽く作戦会議をし、廃工場のような場所に乗り込む事を決めた。


「…失礼しまーす。」


俺はそう言いながら、廃工場の扉をそっと開けた。


「…暗いな…。…ん?…誰かが、いる…?」


…廃工場に入った瞬間、中二階のような所から誰かが話しかけてきた。


「よく来たなぁ、勇者君。」


「…誰ですか?見えません。」


俺が何気なくそう言うと、突然、バッとスポットライトがその誰かに当たった。


「はは、これで見えるかな勇者君。」


…そこには、俺よりも断然歳下に見える男の子が立っていた。


「…逆に俺の方って見えます?」


色々と聞きたいことはあったが、俺はまずその男の子にそう聞いてみた。


「何言ってんの?見えるに…ん?あれ?

やべ、スポットライトが眩しすぎて見えない。

……仕方ない、スポットライトやめ!電気オン!」


その男の子がそう言うと、スポットライトは消え、変わりにこの場所の電気がついた。

…初めからそうすればよかったのに、なんなんだ、今の時間は。

と、俺は深くそう思った。


「…えっと、それで、『あづかった』らしいですが。」


俺は、淡々とそう言った。


「…ん?ああ、そうそう、お前らの仲間は預かった!ふはははは!どうだ!」


「…どう、とは?」


カラリ達を攫った、本来なら脅威を感じるべき相手なのだが…俺に全くその感情はなかった。


「…ちょ、お前!仲間が攫われているんだぞ!

なんでそんなに余裕なんだよ!」


…多分、こういう相手は全く脅威ではない。

…注意するべきなのは…多分、こいつの部下…。

…リプラに見つからないように二人を攫うようなやつだ。

…周りに注意を払っておこう。


「…ちょっと!無視するんじゃない!…もういい!

じゃあ、そこの…アンドロイド…!お前、お、おま………お前まで無視するんじゃない!」


男の子は騒がしくしていたが、リプラはそれをスルーして俺に話しかけてきた。


「…ツイト様、完了しました。

依頼主さんと、カラリさんの居場所を突き止める事に成功しました。行きましょう。この奥です。」


「あ、分かった…。」


リプラがそう言って歩き始めたので、俺もリプラに着いて行った。


「…お、おい!どこに行くんだ!」


「ありがとうございましたー。」


俺はそう、その男の子に言い残し、奥の場所へ向かおうとした。


「…待てよ!無視するんじゃない!

…ああ、分かった、もういい!お前ら!

やれ!やっちまえ!」


男の子がイライラとした様子でそういうと、どこからともなくガラの悪い男達がわらわらと現れ、俺達は囲まれた。


…ん?…この、人達、なんか見た事あるような…。


「「…あ。」」


…俺は、見覚えのある顔に、思わず声を出してしまった。


「お前はあの…レベル99の勇者じゃねえか!」


「そういうお前はレベル99の……人じゃねえか!」


「今思いつかなかっただろ!」


「は?違……………フフッ。」


大声で言い合いを始めようとしていたが、よく考えてみると俺は、まだ意味深に笑うキャラだと思われている可能性があるので、不敵な笑みを浮かべてみる事にした。


「…!ほら、やっぱり本人ですよ。セクタさん。

俺達が言った通りでしょう?」


と、俺が笑っているとガラの悪い男の内の一人が、セクタと呼ばれた…さっきの男の子にそう話していた。


「…ああ、そうみたいだな。…だが、今分かった。

勇者君?…君は…今、突然性格が変わったように見えた…つまり!」


セクタ…は、得意げにそう言いはじめた。

…まあ、そうだよなさすが演技だってバレ…


「勇者君、君は“多重人格”なんだなぁ!」


………なかったようだ。


いや、まあ、もう戦うしかないだろうから、今更そういうキャラだと思われても、ほぼ意味はないけれど…。

…でも、感情が読めるよりは読めない方が相手に行動を読まれないと俺は思った。

…そして、リプラにアイコンタクトをしたら、ウインクされたし…。

だから時間稼ぎのためにも、俺は…そういうことにした。


「…フフッ、そうだよ。バレちゃ仕方ないね。

俺はこいつのもう一つの人格さ。」


「…フッ、やっぱりそうか。僕の目は誤魔化せないよ。」


…と、俺とセクタが話している隙に、リプラがそっとこの場を離れた。


「…んで?俺にはレベルなんて関係ないし、攻撃なんて全く効かないけれど?」


「…勇者君、僕はね、君には物理攻撃が効かないと見ているんだ。

…だからこうやって、魔法を使えるやつも連れて来たんだ。」


…よし、リプラが離れた事はバレていないようだ。

…って言うか、あれだよね?あの時攻撃が効かなかったのって、魔力の力とレベルの差なんだよね?

俺は一度使ったら、何かしらの方法で補給しない限り、魔力が回復しない。

…さっき何体かモンスターは倒したが、ずっと『スタン』をぶっぱなしていたので、初めの頃より魔力は減っているだろう。


…魔力が足りているなら、多分魔法も耐えるができるんじゃないかとは思うけど…。

…そうだな、もし耐えられなかったらまずいから、できるだけ時間稼ぎをして、後は『スタン』を撃とう。


「フフッ、残念、君の予想は外れているよ。

俺には魔法も効かないさ、残念だったねぇ…フフッ。」


「な、何…?…い、いや、そんなはずない…!

お前ら!と、取り敢えず撃て!」


…もう時間稼ぎは限界か、よし。


「…『スタン』。」


俺は小声でそう言い、セクタにスタンをかけた。


「………っ!?………な。」


「「「セクタさん!?」」」


ガラの悪い男達の注意がセクタに向いた。


「…よし。」


その瞬間、俺はガラの悪い男達の隙を狙ってリプラが向かった方向へと走っていった。


「…なっ!?」


「『スタン』!」


…俺の目の前にいたガラの悪い男達にはスタンをかけ、前に進み続けた。

…すると、そこには通路があった。


「多分、カラリ達はここの先にいる。

…リプラも行っただろうし、俺も行くか。」


…と、俺は通路の方に進んだ。


「魔法を…!」


「…待て!今放ったら『スタン』をかけられた仲間にも被害が出るだろ!落ち着いて…!」


…通路に突入した瞬間、そんな声が聞こえてきた。

…よし、相手はだいぶ落ち着きを失っているようだ。

…しばらく走ると、重厚そうな扉の前に着いた。

…そこで、何やら、リプラがしゃがんでいた。


「…ツイト様!追い付いてこれたのですね。

…ちょうど、私もこの扉のロックを解除する所でした。

…この向こうに、二人の反応があります…行きましょう。」


リプラがそう言った瞬間、ピピッという音が聞こえた。

そして、重厚そうな扉を押すと、それはゆっくりと開いた。


「…カラリ!…と、依頼主さん!」


「………!」


「…………っ。」


扉の先には、腕と足が縛られているカラリと依頼主さんがいた。

リプラは素早くカラリに駆け寄り、縄を解き始めた。

俺も、依頼主さんに駆け寄り、縄を解こうとした。


「…っ?…何だこれ、一体何結びなんだ?

ん?…あれ?え?一体どうなってんだ?」


しかし、どこをどうやっても縄は一向に解けなかった。


「……………。」


リプラの方はどうなっているのだろうかとそちらの方向を見てみると、もう足の方の縄は解けていた。

…一体どうやったんだ?と、俺はリプラが手の方の縄を解くまで見ていた。


…なんだ?早業だったが、何か道具を使っていたように見えたな。


「リプラ、その道具は…。」


…俺はリプラにその道具を貸してもらおうとし、リプラに近づいた。


「…な、何っ…?」


驚いたことに、その道具は…鉄菱だった。

リプラは、鉄菱の鋭利な部分で縄を弱くし、切っていたのだ。


…俺は心の中で、歓喜を上げて、鉄菱先輩…!鉄菱をバカにしてすいません!と思った。


「リプラ、それ、ちょっと貸してくれない?」


「はい、鉄菱ですね?いいですよ。」


俺はリプラから鉄菱を貸してもらい、縄を切ろうとした。


「…え?何これ、全然解けない…。」


…が、全く歯が立たなかった。

…いや、待て、まあ、そうだよな。

鉄菱で縄を切ることなんて…出来たとしても、かなり時間がかかるよな…?


…でも、リプラは一瞬で縄を切ったような…。


「…リプラ、申し訳ないんだけど、ちょっと俺、縄切れないから…こっちの方もいいかな?」


俺はそう言ってリプラに鉄菱を渡し、リプラがどうやって縄を切っているのかを見る事にした。


リプラが鉄菱を縄に当て……その瞬間、縄が切れた。


「…はっ?…えっ?」


何が起こったのか理解出来なかった俺は、もっと集中してリプラの様子を見る事にした。


リプラが鉄菱を縄に当て…………ん?待てよ?

何だか、リプラの腕と鉄菱の動きがおかしいような…。


…まさか、そうだな、何か聞いた事がある。

高速振動させて、物を切る道具がある事を。

もしかして、リプラもそれをやっているのか?


…なら、人間には不可能じゃないか!

鉄菱先輩…。俺には、無理です…。


「はい、縄を解き終えましたよ。」


…色々ツッコミどころはあったが、取り敢えず縄は解くことが出来たので、よしとしよう。


「えっと、それで、カラリと、依頼主さん…会話は…出来ます?」


「…………っ。」


カラリは、首を横に振った。


「……………。」


依頼主さんも、首を横に振った。


「リプラ、俺達で『沈黙』を解く方法ってあったりする?」


「…ある事はあります。…因みに『沈黙』以外にも、状態異常は基本的に、薬か魔法で解けますが、ここには、薬も薬の材料もないので、魔法ということになります。

しかし、私には、『毒』や『麻痺』、『やけど』を解くシステムは備わっていますが…『沈黙』を解くシステムは、備わっていませんので、ツイト様に、魔法を取得してもらう事になりますが…。

ツイト様は、『沈黙』を解くようなイメージ、または、状態異常を解くようなイメージを、浮かべられますか?」


「『沈黙』か、状態異常を解くイメージ…?」


俺はリプラにそう言われ、一つ、状態異常を解くようなイメージが浮かんだが、少しその通りに思い浮かべ、魔法を発動しようか迷った。


「…………っ。」


…ふと、顔を上げると、カラリが、助けを求めるような顔で、こちらを見ている事が分かった。

……やるしかないか。


「…い、いたいのいたいのとんでけー!」


俺がそう言うと、カラリと依頼主さんの周りに光が集まり、二人に触れた。


『状態異常治し』を取得しました。

スマホには、そう書かれていた。

嘘だろ…このイメージで行けるのか…。

…まあ、しかし、行けなかったら行けなかったでただ、俺のプライドが魔力の代わりに減るだけだから、取得出来て良かったけども。


「え…っと、もう、話せます?」


俺は、ずっと無言でいるのが若干気まずくなり、二人にそう聞いた。


「…はい!話せます!ありがとうございます!」


依頼主さんは軽くそう言ったが、カラリの方は俯き、黙ったままだった。


「カラリ…?」


まだ、沈黙が解けていないのか?俺はそう思い、カラリの方をじっと見た。

俺の視線に気付くと、カラリはビクッとして、周りをキョロキョロとした後、こちらを見た。


「…あっ、いや、はい…大丈夫です!」


「…そうか。」


「では、無事二人を助け出す事が出来たので、帰りましょう。」


「…そうだな。」


カラリの様子が、少しおかしいと感じながらも、俺はリプラの言葉に同意した。

…そう言えば、モンスターが集まってくる前、カラリは俺になにか言おうとしていたよな。


「あ、ちょっと待って。…カラリ、何か様子がおかしいけど…話したい事があったりする?」


俺は、カラリにそう聞いてみた。


「…あっ…いや…ううん、何でも…ない。」


…カラリはそう答えたが、俺は絶対に何もないわけが無いと思った。

…でも、まあ、そう言うってことは、今は言いたくないって事だろうから…言えるようになった時に、また聞こう、と俺はそう思った。


「…じゃあ、行こうか…。」


俺はそう言って来た道を戻ろうとした。


「ツイト様、まさか、そちらへ戻るつもりではありませんよね?」


「…というと?」


俺はリプラにそう聞き返した。


「ここの壁を破壊して、脱出します。」


「なるほどね、ここの壁を破壊して脱…破壊!?」


あまりにも単純明快で暴力的な脱出方法に、俺は思わずオーバーなリアクションを取ってしまった。


「私たちがこちらに来た事は、もうバレているので、多分あの方達は通路の出口で私達を待ち伏せしていると思われます。そのため、壁を破壊して出てしまうのが、一番安全なのですよ。」


「そ、そういうものなの?

…でも、壁を破壊って言ったって、壊せるものはどこにも…。」


俺がリプラにそういうと、リプラは安心してください、と言った。


「私には壁を破壊するシステムが付いております。という訳で、壁を破壊しますね。」


「えっ?」


俺が困惑くていると、リプラはおもむろに壁を触り始め、

指で四角形を描き始めた。

…四角形を描き終わると、リプラはその真ん中あたりを押した。

…すると、壁には四角形の穴が空いた。


「…えええええ!?穴が空いた!??

壁に、四角い、穴が!?これが壁を破壊するシステム…!?

というか、こんなシステムがあるのなら、さっきのモンスターとか、人達とかを何とか出来るシステムもあるんじゃないの?」


俺はリプラにふと思った疑問をぶつけてみた。


「…そうですね、ない事はないです。

…しかし、ツイト様には魔王を倒して頂かなければなりません。

私がモンスターを倒したり、私の力で危機を乗り越えたりしてしまうと、魔王を倒せるだけの力を得る事が出来ませんので、私の力を使う時は、本当の危機か、ツイト様の成長に関係がないと判断した時かのどちらかだけです。」


リプラはそう答えた。


「なるほど…分かった。」


俺の成長かぁ…。

…成長なんて出来るかなぁ…。

俺は、魔王を倒す事に、漠然(ばくぜん)とした不安を覚えた。


「では、行きましょう。」


「う、うん。」


そして、俺達は壁を破壊して出来た穴から脱出したのだった。

今回も読んで下さりありがとうございます。

無事依頼を受けて森に行けましたね。

森では全く無事では無いんですがね。


次回もよかったら見てください。

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