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導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
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第五章 1  said カーディラス

第五章


(side カーディラス)


「南の森でも、だと?!」

「は!先日、調査隊が、南の森で魔物の凶暴化を確認したとのことです。魔物の数も、心なしか増えているようだと。」

「とうとう、西に続いて、南の森もか。」


王太子の執務室で、王太子レオンハイムと騎士団長トアーズと打ち合わせ中のカーディラスの元に、調査隊からの報告が寄せられた。

ラミアを見失ってから、一年。

ラミアとの別れの喪失感を埋めるように、気が付けばカーディラスは前以上に仕事に没頭していた。


北の森に続いて、南西にあるガトゥ山脈、それから西、続いて南の森。だんだんと魔物の増加と凶暴化のエリアが増えてきている。魔物に対する防衛は第二王子であるカーディラスと騎士団長トアーズの仕事であり、それについての打ち合わせを王太子と行っているところであった。

報告により、南の森への対応策も練らなくてはならない。



「兄上、これまでに魔物の増加と狂暴化が確認されたエリアですが、以前は魔石の採掘場があった場所のようです。」

「魔石の採掘場()()()?」

「はい。そして、その採掘場が閉じられた後、数ヶ月後に魔物の変化が起こっています。」

「・・・採掘場があると魔物に変化が起こるという報告は上がっていない。と、なると、閉場により起こる変化・・・その場所の魔石の有無か?」


「魔石が掘り尽くされると、魔物に変化が起こるのではないか、と、我々もその様に推測しました。しかし、魔石の効果について、これまでこのような報告は上がったこともありません。今のところまだ仮説の段階です。」


「魔石の効果か・・・。今まで魔道具に利用されるしかなかった魔石に、魔物の変化を止める効果があったと・・・?」

「これが実証されれば、魔石を利用して魔物への対応策が打てる。この検証は、急務であると、考えています。」

「ああ。その通りだな。」


王太子とカーディラスの会話に、トアーズが口を挟んだ。

「そういえば、だんだんと魔石の値段が高騰してきていると、町民が言っているようです。」

「南の森の採掘場も閉じたとなったら、残る採掘場がかなり限られるからな。・・・魔石が減り、価値が上がってきていると言うことか?」

トアーズの言葉に、王太子が反応する。


「いえ、このところの急騰は、それだけでは無いようです。アルド商会が売り渋り、他の商会が販売している魔石も買い集めているとの情報も入っています。」

「アルド商会だと?」

ラミアを付け狙っていた、問題の商会である。

カーディラスは思わず聞き返した。


「はい。更に、アルド商会は不穏な動きがあるとも。」

「不穏な動き?」

「はい。街の噂で、なにやらアルド商会が多くの傭兵を必要としていると。」

「傭兵を?」

「いったい何のためだ?」

トアーズの言葉を受け、王太子とカーディラスは眉間に皺を寄せて考え込んだ。


「・・・兄上、魔石とアルド商会の調査に、私を行かせてください。」

「カーディラス?!」

「カーディラス様?!」

「傭兵に紛れてみます。・・・アルド商会はもともときな臭い。少し気になるのです。大丈夫、少し探るだけです。」

「しかし・・・第二王子のお前自らが行かなくても。」

「兄上、私は半竜ですよ?肉体も普通の人間よりよっぽど丈夫ですし、そうそう危険は及びません。私の能力はご存知でしょう?他の者よりも迅速に行動できます。魔石が減り、魔物が増えている今、事態が急激に動きそうな気がする。迅速な行動が良いかと。」


「確かに、そうではあるが・・・。」

王太子は渋って考え込む。

しかし、カーディラスの提案以上の良策は見つからなかった。


仕方なしに、王太子はため息を吐いてから、言葉を発した。

「わかった。カーディ、行ってくれるか。しかし、決して無理はするなよ。」

「はっ!!」

王太子の前に片膝を突き、頭を垂れ、命を受けるカーディラス。

こうして、カーディラスはアルド商会に潜り込むこととなった。



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