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導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
34/39


王都へ出立の日。


ラミアの出発を称えるかのように、空は澄み渡っていた。


村の入り口に、旅の準備を終えたラミアとウルベが立つ。

ウルベは、ラミアの同行者としてソフィアが選んだのだ。35歳の大柄で体格の良い男性で、村の中で一番腕のたつ。そしてソフィアの旦那である。


いくら村で一番の腕だからと、ウルベの同行を聞いたラミアは最初は思わず反対した。ウルベはソフィアを支えるべきである。しかし、ウルベと既に話し合いを終えていたソフィアは、ウルベなら信頼出来ると、ラミアの反対を聞き入れなかったのだ。


そんな二人を、村の民とソフィアが見送りに来ていた。


村の民へは、ソフィアから、昨夜のうちに伝えてあったのだ。


昨夜、ソフィアが魔石が減ってきている今、共鳴力は国の助けとなること。また、同時にアルド商会にはますます狙われるであろうこと。そのため、今後の村の行方を現在の国王陛下に問いに行くこと。その代表としてラミアとウルベを出すことを話した。


まだ年若いラミアを代表とすることは、他の民からの反対もあった。

しかし、ラミアは長巫女の次に高い共鳴力を持ち、次の長巫女候補であることと、共にウルベが行くことで長巫女は村の民を納得させた。




「ソフィア様。行って参ります。必ずやお役目を果たし、国と村の未来のため、力を尽くして参ります。」

「ああ。そなたの肩には重い役目であること、私も重々承知している。しかし、国と、村のため。

そなたなら任せられる。頼んだぞ。」

「はい!」


「それから、これを持って行け、ラミア。」

ソフィアは、ラミアに布に包まれた石を見せる。


「ソフィア様、これは?」

「これは、王家の紋章石。ここに、これを賜った際の陛下の名前が刻まれている。」

石は、キラキラと煌めいていた。石を除くと、鷹と竜が一頭ずつ寄り添うように刻まれており、その二頭はそれぞれ外側を向いているが、蔦によって離れないように結ばれた、この国の紋章が刻まれており、下に小さく『ドリアドス』と刻まれている。共石の村が結界を張る際、それを認めた当時の国王だ。


「これより、この紋章石を使う。これにより、紋章石を持った者が陛下を訪ねるという知らせになるのだ。

その後、この石をもって訪れると、きっと陛下に会うことが出来る。」


ソフィアはそう言うと、石を両手で握りしめ、目を瞑って石に祈りを込めた。

そのとたん、紋章石から眩しい赤い光が溢れ出た。溢れ出た光は一直線に、王都に向かっていく。

そして、一瞬で光はきえた。まるで、石から流れ星が飛び出ていったようであった。


再び石を見ると、最初に石を見た際の煌めきが消え、紋章の刻まれた黒い石となっていた。

ソフィアは、それを丁寧に再び布で包み、ラミアに差し出す。


「・・・お預かり、させていただきます。」

ラミアはソフィアから紋章石を受け取り、大切に胸元にしまった。


それから、ソフィアは、ウルベ見つめて言う。

「ウルベ、ラミアを頼んだぞ。そして、、、必ず帰ってこい。」

「ああ。もちろん。お前の元に必ず帰る。」

ウルベはソフィアを軽く抱きしめ、そして離れた。


「行って参ります!」

ラミアとソフィアに軽く頭を下げた後、村人達に手を振って、ウルベと共に村を出発した。

ご覧いただき、ありがとうございます!


明日の10時に次章を少しアップしますが、今後は章まるごとでなく、数話もしくは一話ずつの更新となると思います。

また、今後の更新はゆっくりになると思います。


申し訳ありません。

よろしくお願いいたします。


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