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導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
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「それで、また石についての話しに戻るんだけど。」

「は? 何、まだ続きがあるの?」

「その時の魔石の研究の成果が、コレなの。」


ラミアは魔結晶を出して、ソラに見せた。

コロンとした、小さな丸い石を見て、ソラは眉を潜める。

「何、だ、これ?なんか、小さいのに凄いパワーを感じるぜ?」

ソラも共石の村の人間だ。ラミアほどの力は無いが、魔石の力を読み取ることが出来る。


「魔結晶、だと思う。」

「魔結晶?」

ソラは目を細めて訝しがりながら尋ねた。


「あのね、私、アルド商会に捕まったときに鍵の石を壊したでしょう?」

「ああ、そういえば、一昨日言ってたよな?」

「それで、村に帰るには鍵の石を作らなきゃって、思って。昔、巫女様に鍵について聞いたことを思い出したの。魔石に強い力を込めて結晶化させた魔結晶から作るって。」


「本当に凄いな、姉ちゃん。こんな物まで作ったのか。でもこれは危険だぞ。凄いパワーで、知られたら皆が欲しがる。」

「ええ。だから、よっぽど信頼の置ける人じゃないと、見せられないわ。」


(俺は信頼におけるんだな)とソラは胸を踊らせた。ソラの心はラミアに振り回されてばかりである。


「それと、それは他にも効果があって。・・・草原に入ってずっと歩いてきたけど、魔物にちっとも遭わないでしょう?・・・その効果だと思うの。」

「魔結晶の効果?魔物を遠ざけるのか?」

「うーん、私の感じたトコでは、魔物は魔結晶のそばに寄ると、敵意を無くすみたい。大人しくなって、去って行くのよ。」

「・・・・・」

魔結晶のパワーと効果。ソラは、あまりの突飛な話しに声を無くした。

とてつもない価値の石だ。そして、とんでもない可能性も秘めているのではないだろうか。

これを持つラミアに、どんな危険が降りかかるのだろうか。ソラは少し怖くなった。


「それで、私は鍵の石を壊しちゃったから、この魔結晶から鍵の石を作りたくて。

ねぇ、ソラは鍵の石を持ってる?ちょっと、それを参考にさせてもらえないかな?」

「ああ。もちろん良いよ。作らなくても、村に帰るときに貸してもいいぜ?」

「ありがとう。でも、鍵の石はソラにとってもとても大切なものだから。まずは、何とか作れないかやってみる。」

「わかった。じゃあ、魔石がもっと必要なんだろ?魔結晶が本当に魔物を大人しくさせるってんなら、村までの一人旅を安全にするのに魔結晶自体も必要だもんな。それは一個しかないんだろ?」

「ええ。だから魔結晶も、もう一つ作りたいの。渓谷では魔石を主に探して、出来れば鋼の性質を知るために、鋼が一つ欲しい。」

「わかった。探してみよう。」


歩きながら夢中で話している間に、二人は渓谷の上に到着した。


谷底をのぞくと、下に川が流れているのが見える。その川の畔で鋼や魔石が採れるのだ。

ラミアはソラの案内で、川の側まで降りる。それはとてもわかりにくい道で、ソラの道案内が無ければ、とても見つからないような道だった。渓谷の下に降りると、川の横には両手を合わせたくらいの大きさの石が、ごろごろ転がっていた。


「魔石や鋼は、どの辺りで見つかったの?」

「以前はこの付近にもあったんだよ。でも、見てわかるのはほとんど採り尽くしちまったんだ。

あと、下流も。下流で拾える小さめの石は大体採り尽くされてる。

かなり下流に行くか・・・上流か。上流はひとつひとつの石が大きいからね。見つけるのが大変だけれども・・・。」

「上流ね。行ってみましょう。」

二人は川岸を少し上って、手分けをして探すことにした。


(・・・魔石、どこにあるのかしら・・・。)

ラミアは魔結晶を握りしめ、目を瞑って集中する。


(私の力で、探せないかしら・・・?魔石・・・魔石・・・何処・・・?)

と、少し離れた石の下の方で、何か、呼んでいるものがあるような気がする。

(ここらへんかしら・・・?)

上の石を退かしていく。

(見つけたわ!!)

それは親指くらいの小さな物だったが、確かに魔石であった。

この調子で探していき、ソラと合流した頃には10個ほどの魔石が見つかった。だがそろそろ、周辺に魔石は無くなってきたようだ。ラミアの成果に、ソラは驚きの声を上げた。

「凄いな、姉ちゃん。どうやって探したんだ?」

「魔石が、何となく呼んでいるような気がして。」

「ラミア姉ちゃんの力・・・凄いな、大した力だ。それで、魔結晶にするには魔石の量はこれくらいで良いのか?」

「ううん。まだ全然足りないわ。でもこの辺りにはそろそろ無いみたい。」

「なるほど。ん・・・・一時間でこの量だろ。場所も移動することを考えると、今日中に、魔石を揃えるのは難しいだろうな。もうしばらく辺りを調べたら、一度シュルフトに帰ろう。後日、テントを持って来ないか?その方がもう少し上流にも行けるし、ついでに人のいない場所で魔石の加工もやれるだろ?」

「ええ、そうね。それが良いわ。」

昼食の弁当を食べ、少しの探索の後、ラミアとソラはシュルフトに戻った。


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