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導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
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朝早く、宿屋にソラが迎えに来た。

渓谷へは徒歩で3時間ほどかかる。なるべく渓谷での滞在時間を長くとりたいラミアが、早朝からの出発を希望したのだ。

朝食を済ませ、宿屋で作ってもらった携帯用昼食を持って、出発だ。


ソラは何度も渓谷に行ってるし、ラミアも、シュルフトまでの道のりで旅にも慣れていた。

渓谷へはずっとなだらかな草原なので、道中歩くのも苦では無い。


「そういえばラミア姉ちゃん、ノルデンからシュルフトまで、一人で来たんだろ?数日かかるのに、野宿とか、大丈夫だったのか?」

シュルフトから1時間ほど離れた。そろそろ良いかと、ラミアは魔結晶について、話題に出すことにした。


「ねえソラ、私ね、アルド商会に捕らわれていたとき、ずっと魔石の質を上げる仕事をさせられていたの。」

「あ、ああ。大抵そういう仕事をさせられるだろうって聞いてたよ。」

聞いた質問と関係ない答えが返ってきた。ソラは少し戸惑いながら、ラミアの話しに相づちを打つ。


「その時、魔石に触れる良い機会だから、ちょっと色々試してみたのよ。」

「へぇ。やるなぁ、ラミア姉ちゃん。」

ラミアの行動力に、ソラは目をぱちくりさせた。


「それでね、魔石の質だけじゃ無くって、性質を変えて他の鉱物にしたり、形を変えられるようになったのだけど。」

「え?!」

ラミアが言った言葉に、ソラは目を丸くした。


「魔石って、そんな風に変えられるのか?」

「ええ。毎日たくさんの魔石に触って力がついたんだと思う。触ったことがある、知ってる鉱物になら変えられるの。この短剣も、私が作ったのよ?」

「ええっ?!俺、武器屋で修行してるんだぜ?鉄や鋼を、溶かして、形にして、叩いて、何日もかかるんだよ?それを、魔石を変化させて作ったって?」

ラミアの言葉に、少なからずショックを受けるソラ。


「あ、でももちろん、本職には敵わないわよ?鉄だって、それほど詳しくないから質悪いし、切れ味だって悪いだろうし!敵うわけないじゃない!」

ラミアは慌ててフォローする。


歩きながらの会話であったが、黙ってしまったソラに、ラミアは何をフォローして良いか困り、しばらく沈黙が続いた。ラミアはソラの様子を気遣いながらうかがう。

と、やっとソラが少し浮上してきたようだ。

「ああっー!!悔しい!って、ラミア姉ちゃんに怒ってるわけじゃないからな?でも姉ちゃんが持ってるその力を俺が無いのが悔しい!その力があったら、国一番の武器職人も夢じゃ無いぜ?!」

ソラは頭を掻きむしりながら叫んでいたが、顎に手を当てて考え始めた。


「武器の加工はおやっさんに習ってるし、この渓谷に来る機会もある。よし、俺、俺も修行して姉ちゃんみたいな力をつけてみせる!そんで、国一番の武器職人を目標にしてみせる!」

ソラの目標が決まったようだ。キラキラした強い瞳でしっかりと顔を上げ、ラミアを見つめた。

「ラミア姉ちゃん、魔石について、俺に色々教えてくれよ!」

「もちろん。一緒にいる間、私で教えられることなら何でも教えるわ。」

ラミアは、弟のようなソラが、夢を見つけて逞しく前を見据える姿を、眩しく思いながら言った。



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