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導きの竜と魔石の国  作者: キャスパー
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安全な旅のまま、ラミアはシュルフトに到着した。


(まずは、アルド商会を確認しなくちゃ。)


雑貨屋で少量の魔石も売られていたが、アルド商会ではないようだ。シュルフトは、森の手前の小さな小さな村だ。たまに旅人が訪れるのみで売り上げも少ないため、アルド商会のように大きな商会が村に来ることは無く、雑貨屋の店主は仕入れが必要になると自らノルデンに買い付けに行くのだと言っていた。大柄でいかつい店主である。力も強そうだし、それなりに腕も立つのであろう。それなら渓谷や付近の情報についても知っているかもしれない。

ラミアは魔石と、旅に必要なものを買うついでに、店主から話を聞いた。


「渓谷かい?」

店主が言う。

「確かに渓谷にはなぁ、珍しい薬草や鉱物もあるし、時には魔石も落ちてる。たまに俺も行くんだが・・・嬢ちゃんが行くのか?」

「ええ。これでも弱い魔物は何度も倒したことがあるのよ。それとも、強い魔物も出るの?」

「いいや、今のところは強い魔物がいたって話しは聞かねぇよ。北の森では凶暴化してるって話しだが、渓谷には今のところその影響はねぇようだ。つい先日、武器屋のおやっさんが渓谷に行ってきたんだ。あそこは渓谷でとれる鉱物で、自分トコで武器を作成してるからなぁ。たまぁに、あそこの武器目当てでこの街に来る客もいるんだぜ。」

「へぇ、凄いのね。ちょっと寄ってみようかしら。」

「嬢ちゃんあう武器が有るかはわからねぇが、渓谷の話しを聞きたきゃ、行ってみても良いかもな。ここ出て左に行った角を曲がってすぐだ。」

「ありがとう、おじさん。」


(渓谷は鉱物も魔石も有るのね。村の人も行くみたいだし、ここを拠点に何度か行ってみても良いかも。)


雑貨屋を出ると、ラミアはすぐに教えてもらった武器屋に向かう。善は急げだ。


武器屋はすぐに見つかった。店内には短剣から両手で持つのも大きな剣、斧、弓と、いろいろな武器が壁に掛けて並んでいる。


(へぇ、結構な品揃えね。手頃な物から・・・一番高価なのは、カウンター向こうにかけてある剣かしら?確か、渓谷でとれる珍しい鉱物で作る剣も有るって言ってたわ。どれだろう?)

鉄製の剣が多いが、いくつか、違う金属に感じられる剣が有った。


(これかしら。・・・何の金属だろう?)


「お嬢さん、お目が高いねぇ」

いつの間にか出てきたのだろう。先ほどまでいなかったカウンターに、白髪頭をオールバックにしたイキな店主がいる。70代くらいだろうか?

(この人が、店主さん?自分で鉱物を取りに行っているっていう・・・?)

「こんにちわ。おじさん。雑貨屋さんで、聞いてきたの。渓谷で取れる鉱物で作った特別な武器があるって。」

「ああ。まさにお嬢さんが手に持ってるやつだよ。よくわかったなぁ。鋼って金属だ。目利きが出来る客ってのは、嬉しいもんだ。」

「ごめんなさい、買いに来たんじゃ無いの。渓谷のことをちょっと聞きたくて。」

「ああ、気にしないでくれ。お嬢さんみたいな美人さんと話せるだけで嬉しいってもんだ。」

店主は片目をつぶっていう。


「で、何が聞きたいんだ?」

「渓谷は、どんな魔物がいるんですか?」

「お嬢さん、渓谷に行くつもりかい?」

武器屋の店主は驚いて言った。


「はい。今のところ低級の魔物しか出ないって聞いて。それなら私でも行けるかなって。」

「確かに低級の魔物しか出ないが。何をしに行くんだい?」

「ええと、ちょっと興味があって。それに、さっきの鋼も見たいし、魔石もあるんでしょう?」

「ああ、うまくすりゃ、鋼も魔石も見つかるかもしれないが・・・。」


「おおい!ソラ!ちょっと来てくれ!」

突然、店主が奥に向かって言う。奥は工房があるようだ。


「どうしても行くってんなら、まずはあいつと一緒に行くと良い。たまに、やっぱり渓谷に行きたいってやつに同行するんだ。そのかわり、見つかった鋼や魔石は折半だぜ。」


(?あいつって?)

ラミアが疑問に思っていると、中から返事が聞こえた。


「なんだよ、おっさん!今手が離せないってえの!」

奥から、返事が聞こえた。

「ったく、口悪いなぁ!」

と、店主が負けずに口悪く言い返す。

「いいから、早く来い!」


「なんだよ、忙しいのに!」

店主の言葉に、ぶつぶつ文句を言いながら、奥から一人の少年が出てきた。少年がラミアを見て驚く。

「え?!ラミア姉ちゃん?」


名前を突然呼ばれ、驚いたラミアは少年の顔をまじまじと見返した。水色の短髪に、少し大きな茶色の瞳。ラミアより少し背の低い男の子は、まだ少し幼いが、整った顔立ちをしている。


「ソラ?! 本当に?!」

「ああ!ラミア姉ちゃん、心配してたんだぜ!無事で良かったぁっ!!」

ソラはラミアの前に駆け寄ってきて、手を取って言った。

「ソラ!ああ本当に会えて良かったわ!・・・でも、なぜこんなところにいるの?」


ソラは、共石の村の子供であった。ラミアの母が亡くなった後、よくお世話になった家の子で、ラミアの一つ年下。今は、14歳だ。

「今、おやっさんに弟子入りしてんだ。そんで、武器作りの修行さしてもらってる。」


「おお?なんだ、知り合いか?」

店主が驚いて言った。

「はい。同郷の出身なんです。ずいぶん前に村を出てってから全然会って無かったから、心配してたんだ。」

ソラが店主に説明した。


「ラミア姉ちゃん、もっと話したい。今までどうしてたのか教えてくれよ。」

「ああ、積もる話しもあるだろう。そんなら今日は早めに仕事切り上げて一緒に晩飯食って来いよ。

それにお嬢さん、渓谷行きについてはこいつに相談すると良い。」

「はい、ありがとうございます。じゃあ、ソラ、私は宿屋に行ってるね。」

「ああ、仕事終わったら迎えに行くよ!宿で待っててくれ。」

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