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「カー・・・ディ?」
「ラァ・・・君は、あのラァか?」
ラミアは、カーディの胸に抱き込まれるようにして守られていた。
「嬢ちゃん!大丈夫か?」
周囲で喧嘩を遠巻きに眺めていた者達が、心配そうにラミアを、
そしてカーディラスがラミアを助ける瞬間を目にした女性陣はうっとりとカーディラスを見つめていた。
「は、はい、助けて貰ったので、大丈夫です。」
騒ぎに我を取り戻したカミュの相手は、地面に尻餅をついたカミュに手をさしのべた。
「おい、悪かったな。やり過ぎた。」
「ああ、俺も、せっかくの祭りだってのに、水を差しちまった。」
カミュは差し出された手を取りながら立ち上がり、周囲に誤り、ラミアに顔を向けた。
「ラミア、大丈夫か?申し訳ない。」
「ええ、私は平気よ。でもカミュさん、飲み過ぎないでね?」
笑顔で応えるラミアに手を上げ、カミュは喧嘩相手と共に去って行った。
周囲の野次馬は、まだラミアとカーディラスを見ている。
カーディラスはラミアの手を引いて、その場を抜け出した。
手を引かれるままにしばらく歩き、止まったところでラミアはカーディラスに話しかける。」
「カーディ、カーディなのよね?」
片時も忘れることの出来なかった思い人。姿を眼にした瞬間から、ラミアの胸は高鳴っていた。
「ああ、ラァ、久しぶりだ。会えて良かった。」
カーディラスは笑顔で応え、ラミアの頭を軽くなでる。
「カーディ・・・会いたかったわ。」
ラミアは思わず流れ出た一筋の涙をこっそりと手で拭き取り、カーディラスに笑顔を向ける。
「旅は、終わったのね?」
「ああ。先月終わったところだ。」
積もる話しが長くなりそうだと悟った二人は、ひとまず腹ごしらえをすることにし、
連れ立って歩きながら、会場へと向かった。
「カーディ、あれ、美味しそう!ああ、こっちも!どれも食べたくなっちゃうわね!」
カーディラスに会えた喜びで、ついはしゃいでしまうラミア。
そんなラミアを見て、カーディラスはクックッと笑いながら言う。
「元気になったみたいで良かった。それにしても、君がそんなにはしゃぐのを初めて見たよ。そんなに食いしん坊だったとは。」
「!だって初めて見る物ばかりなんだもの、仕方ないじゃない!」
「わかったわかった。じゃあ、お詫びに俺がご馳走しよう。」
赤い顔をしながらふくれるラミアをからかいながら、カーディラスは両方買って、半分ずつラミアに手渡した。
「ありがとう、カーディ。」
「君は、去年の祭りには参加しなかったのかい?」
「ええ、去年は仕事の方が忙しくて、行けなかったの。」
「そうか、じゃあ今年が初めてなんだな。愉快な君を見れて、ラッキーだよ。」
「もう、また意地悪言う。」
「いや、おかげでとっても楽しい。」
二人は楽しく笑いながら食べ、他にも屋台で気になった物を買いながら、会場へ向かった。
ゆっくりと歩きながら進んだので、会場に着く頃には辺りは暗くなり始めていた。
会場の中心では村々から持ち込まれた様々な野菜や果実が飾られ、火をたいた周りでは楽士が演奏し、人々はそれにあわせて歌ったり踊ったりしていた。
その中で、ラミアはこちらを見ていた一人の男と目が合った。
男は、近くにいる者を呼び、こちらを見ながら何やらコソコソ話している。
(えぇと、誰だったかしら、、?見たこと、ある気がするんだけど・・・。)
すぐには思い出せない。
カーディラスと会えて浮かれるラミアは、ひとまずそれを置いておく事にした。
ラミアを見ていた男達は、しばらくラミアを目で追った後、その場を離れて行った。




