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増築、マイフォーム、一国一城の主

 

 カムイは考えた。


 洞窟だけだとなんだか辛気臭いと。

 洞窟の上の部分を二階にしようと決めた。


 自身の快適な住まいとするべく構想を立ててゆく。


 木組みのログハウスのようなものを岩の上に組んでゆくためにまず階段を作った。

 洞窟の岩の上に登ると風が気持ち良い。


 周囲が森のため上を見上げても葉に遮られ空が見えなかったし風も肌で受けられなかったがここまで登ってみると違う景色が見えた。


 西側にはどこまでも森が広がっている。他方東側には街道が見え、遠くに首都が見えた。


 あそこではかつての級友たちがせっせと魔法の勉学に励んでいることだろう。


 やる気もひとしおだ。


「よし、階段はある程度できた。この上にログハウスを組んでいこう。えーと、居間とキッチンとあとドアを作ってもう一部屋つくろうか」


 元日本人のカムイとしては畳があるといいんだけどいかんせん畳の作り方など分からない。

 インターネットの便利さをしみじみと感じる。


「神様俺にチートスマホでも持たせてくれれば良かったのに」


 転生ものでは基本的にそういうチートアイテムは最初にもらうのがテンプレだ。

 今のところ神様からの接触はないし、ステータスウィンドウも見えないし天の声も聞こえない。


 作業すること一日。

 なぜかするすると頭の中のどうすればいいかが流れ込んできてないものは代用できるものがどこにあるかも分かったし、建築も(はかど)った。


 記憶が蘇る前の自分では考えられなかったことだ。


 ……出来上がってしまった。


 まぁなんと立派な物件でしょう。

 朝日を取り入れることが出来る大きな半球状のガラス。

 そこは寝室にした。


 そして居間には絨毯やソファを配置するのはもちろんのこと趣味の悪いモンスターの頭部なども飾っておいた。


 居間にある窓を開けると風が通り抜けて気持ちが良い。


 洞窟部分は今まで狩ったモンスターの希少部位などや採集したレアな鉱物や実などを保管するアイテム保管所を作った。


 いやー人間って恐ろしいねどこにでも居を構えてしまう。

 人間の真の恐ろしさとはその知能の高さであるね。やはりその頭脳で伊達に生命のピラミッドに立ってないわ。


 だがスクールピラミッドは最底辺だったカムイ。


 いじめられっ子、ぼっち、不登校という同じ層の級友達よ。お元気ですか?


 僕はそこそこ快適にやってます。


「……はっ。いかんいかんあまりの心地良さに本懐を忘れていた」


 芝居がかった独り言をつらつらと述べるくらいには達成感で機嫌をよくしており、そしてぼっちだった。


「よーし。一狩りいこうぜ!」


 氷魔法で作った氷を入れてある冷蔵庫から食材を取り出しキッチンで料理をして腹ごしらえしてから森へ入る。


 ちなみにこのカムイ。かつての彼を知る者みんなからのたれ死んだと思われている。


 伊達に両腕を切り落とされて烙印を押され、莫大な借金を押し付けられていない。




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