表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/47

女神

 女神は皆既月食(かいきげっしょく)みたいな目でカムイを見つめながらこうも言っていた。


「あなたが乗っていた船はあの後沈没したんです」


「何?」


「浅瀬を通り海の突起にぶつかり船底に穴が空いたせいですね」


「ははは。船乗りを雇う人件費をケチって信者を働かせるからこんなことになるんだ。そうか全員死んだのか」


 死因が自業自得で面白かった。


「いいえ。死んでいません。あなたが前世の記憶を思い出した時間に合わせてこの世界へと転移させてあげます」


「は? あの悠人(ゆうじん)のくそ豚もか? なんでそんな余計なことすんだよ」


「だって、まだちゃんとあなたの想いが精算されてないんでしょう?」


 女神が見透かしたように笑う。


「ちゃんとすっきりさせてあげますよ」


 俺が返すべき言葉を見つけられずに黙っていると女神は手をかざす。

 俺の体が光に包まれ始めた。


「向こうの世界ではあなたの顔も何もかも変わってるので元の世界の人達にあなたのことが気づかれることはないでしょう。自分から話さない限りは。元の世界の人達と関わるかどうかはあなたの自由ですよ」


 俺が光に解けて消える前に女神は最後に言った。


「では、楽しんで来てくださいね。私も面白そうだったらそちらに行きますので」


 パアアアアアア。全てが光になる。



  ◇



 悪魔の森。

 カムイ。


「ってあのアマあああああああ! 両腕を切り落とされて! 迫害の烙印を押され! 莫大な借金を負わされる世界でどう楽しめって言うんじゃああああああああぁぁぁ!」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ