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次の目的地が決まりました

 僕たちは、入って早々、魔王様からの祝言をもらう羽目になった。


「新郎新婦の入場です! これ言ってみたかった!」

「いや陛下、新郎新婦じゃなかったんすよね?」

「あっと、そうだったわね。新婚さんいらっしゃいませ!」


 僕とリンデさんは、腕を組んだままテントに入ったわけで……当然ながら、リンデさんに髪の匂いを嗅がれながらみんなの前に顔を見せた。

 リンデさん、さすがに恥ずかしかったのか耳元からは顔を離した。でも腕はしっかり組んだままだった。


「あうぅ……私、学習しませんね……」

「その、もうみんなに知られちゃってますから、えっと、堂々と……していましょう」

「あっ、そうですね! 堂々としています! ……えへへ、公認……!」


 リンデさんは、口元をにへらと緩く笑わせながら、僕の肩に頭を乗せた。夫婦という気はさすがにまだないけど、まあその、お互い好意があるのを認め合ったもの同士ということで十分すぎると思う。


「見せつけてくれるわねー」

「……姉貴に言われたくないよ……」


 僕は、後ろから入って来た姉貴を見て言った。姉貴はレオンさんを抱いている。その……思いっきり、あれはわざとだなってぐらい、後頭部に当てまくっている。レオンさんが照れているのも無理ないだろう。

 レオンさんは借りてきた猫のように大人しい。


「大胆ってレベルじゃないんだけどさ、姉貴こそそこから先には行かないの?」

「ウグッ、い、言ってくれるわねライのくせに……。……そうよ、あたし結構ぐいぐい行く方なんだけど、最後の一手がまだ無理なのよ」

「もうとっくに超えてるような気がするけど……」


 僕は、姉貴にあきれつつ、テントの中の様子を見た。

 みんなで土足用であろう薄い布の上にいて、奥にたくさんの寝具用の皮革が折り畳まれている。人数分あるんだろうか、トーマス、奮発したな。




 ふと気付くと、ビルギットさんが姉貴の足下を気にしていた。


「そういえば私たち魔人族って、足には人間のような靴を履いていたりしないんですよね」

「そうですね。リンデには使いやすいものを持たせましたが」


 さすがというか、魔人族にはちゃんと知識があった。


「マーレさんの言うとおり、これは靴です。人間の足では土を歩く際に石を踏むと怪我をしたり、痛さで歩けなくなったり、また汚れたりするため履いています」

「そういえば、あまり汚れたりは意識したことがなかったです」

「逆に質問したいのですが、魔族の方は寝るときはどうしているのですか?」

「私はベッドを使っていますが、他の人は、床に寝ていたはずです。……ですよね?」


 マーレさんがみんなを見る。


「そっすね陛下」

「はい、それで合っています。図書館の別の部屋に、床が柔らかい、石でない場所があるんです。そこでみんなで、布を被って寝ています」


 そうか、道具は発展してないけど、元々あった場所を使っているんだ。


「ここのメンバーは、それなりの立場でもありますし、私の側近でもあるので、私の近くに寝泊まりしているのです」

「なるほど……。じゃあ他のみなさん、そこにある寝具みたいなのは?」

「はい、私たちも魔物の皮を剥いで使ったりもしますので」


 マーレさんの反応を見て、姉貴が反応した。


「住んでる場所、結構な文明国っぽかったから、場所はかなりいいものだと思うわよ。あの図書館とかどう見ても王国より充実……というか、整理されていたし」

「そうか、そんなに……」

「壁一面本棚ってんじゃないんだけど、どこに何があるかきっちり整理されてて使いやすい感じね」


 魔人王国の場所。元々住んでいた人達が滅んだか、もしくはどこかに行って、その場所が大分前から改良されていなくてその規模だとするのなら、当時住んでいた人達は、当然文明レベルは圧倒的に先を行ってるな……。

 特に文献に関する話、さっきのマーレさんの時にも思ったけど、においを研究して分析して、本にまでしているなんて王都では聞いたことがない。相当研究内容は豊富そうだ。


「……ん? 図書館に寝泊まりしている? 女王は城には住んでない?」

「図書館の方が本拠地なのよ。ハンスさんもフォルカーさんも図書館にいたし。勉強熱心なマーレらしいっちゃらしいわね」


 なるほど……。マーレさんを見ると、照れくさそうに頭を掻いていた。確かにそう言われるとああいう知識があるのも納得するし、図書館に住んでいるってことはよっぽどなんだろうなって思う。

 ……普通に王国民の貴族や、学者たちより知識豊富そうだもんな、マーレさん。


 考え事をしていると、マーレさんが口を出した。


「さて、そんなことよりちょっと気がかりなことがあるのです」

「気がかりなこと、ですか?」

「はい」


 何だろうか。もしかしてデーモンの話か?


「ああ、身構えないで。ええっとですね、私たちリンデちゃんの話を聞いて、勢いで出てきちゃった部分があるんです」

「勢いで、ですか」

「はい。それで、レーナたちに西の海の討伐を任せて、そのまま連絡をハンスとフォルカーに任せて出てきちゃったことなんですよね」


 ……。


「つまりマーレさん、ここに来ている部下はその場にいた人で、その場にいなかった人はその場にいなかったので置いて来ちゃったと」

「ええ。……ちょっとやらかしちゃったなーと思います……。みなさん功労者ですので、できればみんなで来たかったところですね」


 まさか部下ほっぽり出してやってきてたとは……まあ結果的にそれでビスマルク王国が助かったけど。

 魔王様、お茶目な一面もあった。


「では、連絡にでも戻りますか? 一通り騒動も終わったわけですし」

「そうですね、連絡に一人、戻したいです」


 マーレさんは、連絡と言った際にクラーラさんを見た。


「一番速いのがクラーラだから……そうね、明日飛んでいってもらえるかしら」

「……わかった……でも、連れてくる……?」

「連れてくるのは、また後かな? 多分カルラは、来るのが大変になっちゃうと思うし」

「……そうだね……、じゃあ……あっちのみんなと……連絡……取り合ってくる……」


 クラーラさんは、そう言うと布を一枚とって、被った。


「……きょうはもう、寝たい……あとこの布、ふかふかしてていい……」

「そうね、それじゃあみんな、寝ますか」


 マーレさんのかけ声にみんな同意し、布を被って寝る体制になった。

 布は人数分だったので……僕は、必然的にリンデさんと同じ大きい布の中に入った。リンデさんはみんなにはやし立てられて、「あう……」と呟きながらも、僕と一緒に横並びになっていた。

 カールさんもすっぽり入る布だったけど、ビルギットさんには少し小さいようだった。やはり巨人の淑女は「大丈夫ですから」と言っていたけど、後で僕から申告しておこう。


「……ふふっ」

「マーレさん? どうしたんですか?」

「いえ、魔人王国ではできなかった、部下と同じ高さの床に寝ることが出来て、ちょっと楽しい気分です」


 マーレさん、緊急的な環境による部下と同じということを楽しんでいた。なるほど、本当に謙虚で部下思いな女王様だなと思った。

 姉貴をちらりと見る。マーレさんの方を向いて、ちょっといつもらしくない……と言ったら怒りそうな、優しい目をしていた。

 ああいうの、姉貴にとって求めていた王族だからな……。


 ちなみに姉貴は当然の権利のように、レオンさんを抱きしめたまま布を被っていた。


「……私も眠くなってきたわ。みなさん、今日は本当にお疲れ様でした。……魔人王国の女王として、この日を……忘れないでしょう……。…………ん……」


 マーレさんの安らかな寝息を聞いて、みんなも安心したのか順次眠りに入っているようだ……。

 ……僕も……眠い……。


 今日一日で、いろんなことがあったな……。

 ……そうだ、朝はチーズケーキ、作ってたんだっけ……。


 …………また……みんなに……林檎パイでも……。


 …………。


 ……。




 -




 ……。……ん。


 そうか、寝ていたんだった。


「……あっ……!」


 ……!


 ……前にも、こんなことがあった気がする。

 正面にはリンデさんがいた。


「……えっと……おはようございます……」

「お、おはよう、ございます……」

「もしかして、ずっと起きてました?」

「あはは……はい、寝顔を、見させていただいてました……」


 少しずつ覚醒してくる。……そうだ、昨日はテントを僕の家の後ろに作って、そこで寝泊まりすることにしたんだ。


「……あっ……!」


 気がついた。僕、またリンデさんの体に腕を回している。


「その、すみません」

「えへへ……お互い様ですよ、私も……」


 リンデさんも、当然のように僕のことを抱きしめていた。……と同時に、正面向きで抱き合っていることで、朝から……その……意識してしまう。

 ……う……でも、ここまできたら、開き直ってしっかり抱き留めよう。というか……こうやって一緒にいると、やっぱり離れたくないというか……。

 ああ、でも……この柔らかいこれは……絶対慣れること、ないだろうな……。


「寝る前は横で腕を組んでいる状態だったのに、どうしてこうなんでしょうね?」

「そういえば、なんだか夢を見ていたんです」

「夢?」


 リンデさんが夢を見ていたらしい。ちょっと気になる。


「どんな夢だったんですか?」

「それが、夢の中で、誰か追いかけてる感じなんです。それを捕まえて、ずっと抱きしめていると思ったら、目が覚めて……」

「それで僕を……」

「はい……ライさんの匂いを嗅ぐぐらい近くにいて……。なんだか、夢の中までライさんを探しにいってるみたいで恥ずかしいです……」


 リンデさん、目を逸らして照れていた。う……こういう反応、本当にかわいいと思う。


「う……嬉しい、です」

「えっ……」

「リンデさんに、そこまで、その、追いかけられるというか、求められるというか……夢の中に影響するぐらい、なんですね」

「はい……匂いが近くにあるから、その、我慢できなかったのかもしれません」


 リンデさんはそう言うと、少しずつ僕の腰を抱く力を強くする。抵抗できない力で、ぐいぐいと体全体が押しつけられて……その、色々大変なぐらい押しつぶされて変形して……顔が近くになって……。

 ……すごく、いいにおいが、再び僕の頭を染めていく。でも……これ以上近いと、まずい。


「リンデさん……その……」

「あっ……嫌、でしたか……」

「だから……嫌じゃなくて……むしろその逆で……」

「……あ、その……」

「……良すぎて……よくないです……」

「………………」


 リンデさん、沈黙する。……何かおかしいことを言っただろうか。


「良いんですか、良くないんですか? よくないと、どうなるんですか?」

「……えっ?」

「ライさんは、よくない、って言いますけど……。その、ライさん、何かしらよくないのなら、我慢とかせずに何かしてほしいこと言ってもいいんじゃないかなって」

「……あの、リンデさんは、自分が何言ってるか分かってます?」

「えと、すみません、全く……」

「……」

「ライさん?」


 こ、この子は……!

 天然で、完全に誘っている……!


 僕は、このまま理性が決壊してしまいそうだった……でも、何も知らないリンデさんをそんな、




「ンッ! ンンンン〜ッ! ん〜っ!」




————!?


 い、今のはッ……!


 僕とリンデさん、一瞬でお互いに腕を放して、布を外して座って周りを見た。

 全員、起きていた。


 ……全員だ。全員が、起きてこっちを見ていた。


「……い、いつから……」


 僕の質問に、姉貴が答える。


「夢の話してた頃には、みんなアイコンタクトとってたわよ」


 ……無情すぎる宣言だった。

 リンデさんの方を見る。見ようと思ったら……リンデさん、僕の体の後ろに隠れて、髪の毛に顔を埋めて「あうぅ〜っ……」とうめいていた。

 ……リンデさん……気持ちは分かります……。僕もリンデさんの背中に隠れて呻いていたい気分です……。


「やばい、私自分が思ってたより超うらやましいって思っちゃってる……リンデちゃん、もいちどとっちめるかな?」

「……同意……。いつでも、協力、します……」

「ライさんすげーっすね、子供っぽいリンデをあそこまであんな雰囲気にしてしまえるとか、いやー話通りっす」

「す……すごかった、です……。すみません、見ないように、見ないようにと思っていたんですが、こういうの見るの初めてで、我慢が、できなくて……」

「……なるほど、本当に、リンデさんがぐいぐい行ってるんだ……」

「はわわ……はわわ……あのリンデさんが、ほんとにあんな、はわわわわ……」

「………………」


 マーレさん、クラーラさん、カールさん、ビルギットさん、レオンさん、エファさん、ユーリアさん。本当にみんな見ていた……。

 っていうか無言のユーリアさん大丈夫ですか? なんだか完全に心ここにあらずって感じじゃないですか!?


「ううーっ、こんなのおよめにいけませ〜んっ」

「もうなってるでしょうがっ!」


 最後に姉貴のツッコミが入り、周りから笑いが起こる。

 リンデさんは、再び僕の頭に顔を押しつけて、恥ずかしさをごまかすように匂いを嗅いだ。……いや、僕の髪は精神安定用のポーションじゃないです……。


 -


 僕たちは、朝の村の広場に出てきた。村人がちらほらいた。


「ええっと、急に村にご厄介になった以上、村の長に、私が住む許可を取りに挨拶しないといけないですよね」


 マーレさんが、そのことを言う。しかし……


「いいわよ」

「えっ」


 すぐ後ろで姉貴が応えた。


「許可するわ、ようこそ、マーレ!」

「いや、いやいや。村長だって。おじいさんみたいな人がやってるでしょ?」


 マーレさんの疑問に、姉貴が答える。


「この村って、勇者が出てくるからそこそこいい立場にあって、代表とか選出しなくても揉め事自体いよいよないから自主性に任せているのよ」

「はあ、そうなのですか」

「でも、敢えて長がいるとすれば、それはもちろん、その代の勇者か、その親」

「あっ」


 姉貴は腕を組んで宣言した。


「つまり村長は、あたしね!」

「絶対ライさんの方が良いですね」

「グフゥ! マーレの正論、デーモンのパンチよりよっぽど強いわね……」


 マーレさんの間髪入れない反撃に、姉貴はやられていた。

 ちなみに姉貴自身も僕もそう思っているので、僕とリリーや友人達と分担としてその役目をやっている。

 今のところ問題はない。


「ま、そういうわけだから。どのみちみんな認めてるし、あの様子じゃリリーがみんなに広めて回ってると思うし」

「リリーさんがですか?」

「そうよ。昨日のうちにリンデちゃんが王都に行ったとリリーが言い回ってると思うし、これだけ魔人族がぞろぞろ村に来たなら、当然王都の討伐戦はみんなが協力してるって思うでしょうね!」

「……私たちを見ただけで、そこまで思ってもらえてるんですか……」


 姉貴の言うことは尤もだ。だって王都に出てきた魔物を、王都だけで鎮圧できるとは思っていない。この村の人間は、みんな戦ったことがある人間で、同時にみんなリンデさんと、デーモンを見ている。

 つまりその戦闘力の、人間の入る余地がない戦いを知っている。


「だから、基本的に歓迎ムードだと思っていいわよ」

「ほ、本当に、ですか?」

「なによ、今更あたしとか、リリーを疑うの?」

「そういうわけでは……」

「リリーはね、マーレと同じなんだから」

「え?」

「だから———あたしが全面的に信頼してる友達ってこと」


 あー。

 姉貴、今のは。


「えっ……その、あ、ありがとう……」

「———アッ! 今のなし、なしじゃないけど、なし! ああ聞かなかったことに、ああーっやっちゃったーっ!」


 やっぱり、勢いで言ってしまってたみたいだ。

 絶対マーレさんには殺し文句だったよな。


「うう……し、しまった……あたしこういうの最近多いな……」

「えっと、ミアは、私のこと、そんなに……?」

「……ああもう! そうよ! 新しくこんなに近い感じの友達出来たの久々だからはしゃいじゃってるのよ悪い!?」

「わ、悪くないよ! えっと、その、嬉しいよ。ありがと」

「……ぐぬぬ、どういたしましてと言うと負けた気がするけどどういたしまして!」

「ふふ……」


 マーレさん、顔を染めながら、姉貴を本当に嬉しそうな顔をして見ていた。姉貴も姉貴で結構天然でやる方だと思うよ……。

 今のは、殺し文句感あったなー。


「ああもう、あなたたち……そんな微笑ましそうな目で見ない!」


 周りを見ると、魔人族のみんな、ニコニコしてマーレさんを見ていた。


「……むり……陛下の笑顔、とっても貴重……」


 クラーラさん、マーレさんに近づいて、顔をしっかり凝視していた。


「そんな見ないでよ、もう……。クラーラ! あなたそれより任務!」

「……う……そうだった。……仕方ない、わかりました……」


 クラーラさん、昨日のうちに聞いていた任務を思い出したのか、残念そうな顔をした。魔人王国に残しているメンバーに報告に行く、だったかな。話を聞くからに、『時空塔騎士団』はあと6人いるらしいし。


「……すぐ、戻ってきます……」

「多少遅れてもいいわよ」

「……いやです……」


 クラーラさん、なんと陛下の言葉をハッキリ拒否して、一瞬で飛んでいった。


「あはは、クラーラの明確な拒否を聞きました」

「ああいうこと、あるんですか?」

「初めてです。なんだか距離が近くなって嬉しいですね」


 マーレさん、ああいう態度にも笑顔だった。部下との関係が近くなって、それだけで嬉しいって感じだった。

 本当に、朗らかでいい上司さんだなあ。




「……あっ!」


 急にリンデさんが声を上げた。


「どうしたんですかリンデさん」

「腕輪! 返さなくちゃ!」


 腕輪……リンデさんが王都の魔物を倒して回れるように、強力な強化能力を秘めた、貴重なアクセサリーを貸してもらっていた。

 そういえば、おっちゃんから借りたままだった。


「腕輪? そういえば、その綺麗な腕輪は気になっていましたが」

「宝飾品のお店です!」

「……宝飾品の、お店!?」

「えっ!?」

「えっ!?」

「ええっ!?」


 マーレさん他、魔人女子達がみんな一斉に食いついてきた。


「はい! おっきいお店に、きらきらが! たくさん! そこの人間のおじさんから借りたんです! 返しに行かなくちゃ!」

「それは……それは見に行かなくてはいけませんね!」


 マーレさん、きりっとした顔で僕と姉貴を見た。


「みなさん、今日の任務が決まりました! 王都のその店に、行かなくては! その、興味があるとか、見たいとか、欲しいとか、個人的なことではないですからね、ええ!」


 マーレさん、きりっとしているけど、完全に女の子の本音だだ漏れだった。

 後ろを見ると、他の魔族女子たちも、首を縦に振っていた。

 さすが宝飾品……宝飾品が嫌いな女の子はいない説、本当かもしれない。


 姉貴が肩で笑っているのを見て、マーレさんが恥ずかしそうにちょっとふくれる。それは本当に女友達って感じの光景だった。


 そんなわけで、次の目的地が決まった。

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