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魔瑠琥の童話集「扉の向こう」  作者: 百音川 魔瑠琥
第八扉 「366日 花言葉 140字小説」
15/18

「366日花言葉140字小説 4月・前期」

4月1日【アーモンド/真心の愛】

母の思い出は私を感傷的にはさせない。神経質ですぐに怒る性格の母が私は幼い頃から苦手だった。しかしそれが母の愛情だと知った時、それが私の想像を超えた真心だと知った時、母はこの世にはいなかった。真実の愛は盲信ではなく深い洞察によって育まれる。



4月2日【アネモネ/期待】


それは春風と共にやって来ると彼女は言った。


新しい出会い。

新しい約束。

新しい世界。


夜明けの空を僕は独り見上げる。何度裏切られても、何度絶望しても、季節が廻るように僕のもとへ希望は訪れる。僕は彼女を信じるように希望を信じた。


風が頬を撫でる。



4月3日【ラッパ水仙/尊敬】

先輩の背中を追って走り続けてきた。目標となる人に出会えて幸運だったと心から思った。だからそのニュースを聞いた時、僕の心に大きな穴が空いた。

『男子高校生が両親を刺殺』

僕は何を見落としたのだろう。先輩はどんな想いで自分を偽り生活していたのだろ。



4月4日【アネモネ(赤)/君を愛す】

「好きだよ」と言えば「ありがとう」と君は返す。「私も好きだよ」とは一度も言ってくれない。君を失いたくないから君を困らせたくないから僕は君のいい人をずっと演じ続けている。いつか僕は君を失い君は幸せを手にするだろう。それでも僕は君が好きだ。



4月5日【いちじく/豊富】

私は人と話すのが好き。自分にない価値観、自分の知らない世界、それらに触れる喜びは何ものにも代えがたいから。

私は人と話すのが好き。私の話に人が心を動かし、私の話が人の道標となった時、私は至福に包まれるから。

私の世界はそんな風に言葉で満ちている。



4月6日【福寿草/永久の幸福】

恋は無敵だと思っていた。

この恋は永遠だと信じていた。


「無敵なのは恋じゃなく愛なんだ。永遠に続くものは恋じゃなく愛だよ」


彼の涼しげな顔を私は力いっぱいひっぱ叩きたいと思った。しかし私はそんな事はしない。次の恋は必ず愛に変えてみせるから。



4月7日【アジアンタム/上機嫌】

僕にだって悩みはある。悲しみや怒りを感じたり、自分の置かれた理不尽な状況に絶望し、手の届かない自分の将来を想像しては不安にもなる。

それでも僕はいつも笑っていたいんだ。哀しみよりも歓びを感じていたい。お調子者の道化師が僕の生き方なんだよ。



4月8日【えにしだ/博愛】

僕たちは神様でも天使でもない。だから僕たちの愛も平和も血塗られた歴史の上に成り立っている。そうした犠牲を僕が個人的に欲している訳じゃないけど、人は善意からでも過ちを犯してしまう生き物なんだ。だから誰かがそれを正さないといけない。それが僕の役目。



4月9日【桜/精神美】

隣に居られるだけで幸せだと思っていた。貴方は私の目標であり私の憧れ。それなのに一緒にいると心がこんなにも苦しくなるのはいつからだろ。目を合わせると心臓のドキドキが止まらなくなるのはどうしてだろ。でも判っている、貴方の優しさを誰も独り占めできないと。



4月10日【つるにちにち草/楽しき思い出】

貴方とはお別れをしたはずなのに、貴方との思い出が私の中でどんどん膨らんで、私の心は貴方の幻影に支配される。でもそれは私にとって心地よいことなの。貴方のいない明日を生きる勇気になるから。桜の舞うお墓の前で私は貴方の名前を口にした。



4月11日【はなしのぶ/来て下さい】

秘密の日記を貴方に読んでもらいたい。私の笑顔は偽物なの。怒った顔も泣いた顔も、不安な顔も、気がつけば笑顔になってしまう。私は少しも優しくなんかない。淋しさと嫉妬でいつも気が変になりそう。貴方に読んで欲しい秘密の日記は私の心の中にある。



4月12日【桃の花/恋の奴隷】

恋をしていないと生きていけない。誰かを想って誰かのために生きるのが幸せなの。でも好きになるのは誰でもいいわけじゃないのよ。私は私の心が望む人を好きになる。私の心が本当に必要としている人を好きになる。辛くて苦しくて報われない事ばかりだけどね。



4月13日【ペルシャ菊/競争心】

勝ち負けにこだわっている訳ではないの。勝つことだけに意味があるとも思っていないし、人生には勝ち負けでは計れない事もたくさんあるって判ってはいる。でもね、自分が許せなくなるの。自分が懸命に生きた証とか足跡みたいなものを私は欲しているのよ。



4月14日【あさがお(白)/喜びあふれ】

目覚めるとあなたの笑顔がある。遠く離れていてもあなたの声が聞こえる。そんな日々が当たり前だと思っていた。見上げた空の向こうに、連なる山々の向こうに、私の居場所があるのだろうか。希望を捨てず絶望もせず、あなたの様に笑顔で私は歩き出す。



4月15日【はくさんちどり/素晴しい】

この幸せは貴方がくれたもの。貴方とここで出逢えたのは私の父と母、貴方の父様と母様のおかげ。そしてその全ての始まりは私達のお祖父様やお祖母様のおかげ。私達にはその血を受け継がせる子供がいないけれど、この幸せがその答なんだと信じている。




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