「366日花言葉140字小説 2月・前期」
2月1日【さくら草/若い時代と苦悩】
僕だって人生に絶望した時がある。どんなに愛しても、どんなに愛し合っても、僕は彼女を救えなかった。それどころか彼女を理解することすらできなかった。僕は彼女の言う通り偽善者だったのだ。だから僕は死ぬまで善い人を演じ続けると自分に誓った。
2月2日【ぼけ/平凡】
私が望んだのは平凡な幸せだった。二人で料理をし食卓には笑い声が溢れる。私が食器を洗いあなたは子供の世話をする。夜はベッドで神様に感謝と祈りを捧げ愛し合う。そんな平凡な日々が積み重なって私達は幸せになるはずだった。平凡ってそんなに難しいことだったの。
2月3日【あわなずな/君に捧げる】
「君には覚悟が足りない」そう言われた言葉の意味が今は痛いほどよく判る。私は貴方から授かったこの小さな命を守るため全てを捧げてきた。そしてこれからもそうする。全てを捨て去る覚悟を決めた時、私は望む全てを手に入れたのだ。もう迷ったりしない。
2月4日【さくら草(赤)/顧みられない美】
世界中の誰から理解されなくても構わない。この幸せを君と共有できれば僕はそれだけで報われる。僕の幸せは僕が決めるのだから。僕達の未来は僕達で切り開くのだから。他人の評価や社会の常識に僕の心や僕達の想いは縛られない。前を向いて歩こう。
2月5日【しだ/愛らしさ】
「お嫁さん候補ナンバーワン」高校時代、僕らは君のことを密かにそう呼んでいた。そんな君から卒業式に告白され八年。僕は君に相応しい男になれたかな。どうして君は僕を選んでくれたのかな。白無垢姿の君が笑って答える。「貴方は旦那さん候補ナンバーワンなの」
2月6日【いわれんげ/家事に勤勉】
あなたが遺したこの庭を手入れするようになって、あなたのことが少し判ったような気がする。父と私を困らせ続けたあなたを許せないのに、あなたの居ないこの庭が語りかけてくるのだ。巡る季節の中で憎しみは何も育てない。必要なのは絶え間無い愛情だと。
2月7日【忘れな草/私を忘れないで】
「本当の愛が欲しい」彼女はそう言って不義を繰り返す。僕の知る限り彼女は少しも幸せそうには見えない。彼女に関わる男性も幸せから見放されていく様な気がする。「僕が君を幸せにするよ」僕の言葉に彼女は答えた。「私は幸せより本当の愛が欲しいの」
2月8日【ゆきのした/切実な愛情】
「貴方が幸せなら私も幸せ」そう言う君の優しさが不安だった。君は決して本音を言わない。心を閉ざし姿を隠し、それでも常に僕の傍らにいてくれた。君が僕を殺した理由はただ一つ。それが僕の幸せだと思ったから。でも本当にそれで君が幸せなのかが心配。
2月9日【ぎんばいか/愛のささやき】
空っぽのベッドに横たわると貴方の囁く声に抱きしめられた。窓から見える月が遠く離れた私達を結びつける。目を閉じれば貴方の息づかいにその体を感じる。私は貴方の言葉を信じ貴方の言葉を頼りに今を生きる。決して結ばれることのない私達の愛は純愛。
2月10日【じんちょうげ/栄光】
彼は偉大な王でした。その眼に映る大地全てを征服し同時に平和をもたらしたのです。彼は民を我が子のように愛しました。家臣を兄弟のように愛しました。妻たちを母のように愛し、神を父のように愛したのです。そんな愛に溢れた王が私と私の子供の父親です。
2月11日【メリッサ/同情】
貴女の優しさが嫌いだった。貴女の笑顔が苦手だった。親友の貴女を心の何処かで偽善者だと罵り貴女の立場に嫉妬していた。しかし貴女を失って自分の愚かさに気がついた。人はそんな風にしか他人に優しくできないのだと。貴女の優しさに嘘偽りはなかったのだと。
2月12日【きつねのまご/可憐美の極致】
ここは掃き溜めの様な街でイカれた奴しかいない。きっと何処へ行っても同じなんだろう。人生は糞だ。でも君は違う。俺は正義の味方が嫌いだから、俺が何かをして君を救えるとは思わない。それでも君のために何かしたいんだ。君にはその価値がある。
2月13日【カナリーグラス/辛抱強さ】
生まれてきたことを後悔したくない。こんな理不尽な世の中、こんな最低な人間たち、親も教師も同級生も馬鹿ばかり。それでも私は私の未来を信じている。この痛みが優しさに変わり、この悲しみが幸せに変わると信じている。だから私は歩みを止めない。
2月14日【かみつれ/逆境に負けぬ強さ】
孤独が私を強くする。心の渇きが私の生きる糧となる。身体に刻んだ傷の数だけ、心に負った悲しみの深さだけ、私は生まれ変わるのだ。どうせ死んだように生きるぐらいなら死ぬのも悪くないが、いつか君と出逢う希望があるのならば私は何度でも蘇る。
2月15日【杉の葉/君のために生きる】
「彼は彼女の為に時を刻む。悲しみの時、絶望の時、そして希望の時。彼は彼女の為に道を示す。迷い悩み寂しく途方に暮れる彼女の道標として。しかし彼女は彼の存在に少しも気づきませんでした」「彼はどうなったの?」「貴女のお父さんになりました」




