「366日花言葉140字小説 1月・後期」
1月16日【ヒヤシンス(黄)/勝負】
私は勝負が好き。「優しさ」とか「思いやり」とか頭では理解できるけど実際に自分がどうすれば良いのか判らない。それらしい言葉も仕草も私にはどこか嘘くさい。私は勝負が好き。勝ち負けよりも相手と対峙している瞬間が好きなの。そこに私の真実がある。
1月17日【すいば/親愛の情】
悲しみや絶望から立ち直る度に、私の中で小さな宝石が生まれる。私の心がキラキラとしているのは、そうした宝石が無数に輝いているからだよ。私の優しさはそんな宝石たちに支えられている。この広い世界に溢れる悲しみの分だけ愛が存在すると私は信じている。
1月18日【うきつりぼく/憶測】
あなたは慎重で思慮深い。でもお願い、私をもっと見て。本当の私はあなたの中ではなく、あなたの目の前にいるのよ。真実はあなたの頭の中に存在するのではなく、あなたの目の前に存在するの。愛は考えるものではなく感じるもの。だから私を見て私に触れて。
1月19日【松/不老長寿】
死ぬことは怖くない。私が何より怖れるのは私が私でなくなってしまうこと。私の中のあなたや、あなたとの思い出、私を私たらしめるもの、その全てを失ってしまうことが怖い。もし、あなたの中に私がいなくなってしまったら、永遠を生きる価値などあるのだろうか。
1月20日【きんぽうげ/子供らしさ】
「子供みたいで疲れる」そう言われ私の初恋は終わった。社会人になり独り暮しを始め、お化粧も上手になったと思う。お酒も煙草も美味しく感じるようになった。彼氏だって作った。それでも鏡の中の私は大人のふりした子供の様。でも今はそんな私が好き。
1月21日【きづた/友情】
私の貴方への想いは邪。私の優しさは貴方の見返りを求めているから。私は自らの足で地に立つことができない愚かで脆弱な存在。だから貴方の優しい言葉が欲しい。貴方の温もりに癒されたい。だから私は貴方の友達になった。友情が愛情に変わると夢見て。
1月22日【こけ/母性愛】
私の優しさは偽善なのかもしれない。それでも私は自分の幸せより、皆の幸せを優先する。私の愛は偽りなのかもしれない。それでも私は自分が愛される以上に、あなたを愛する。あなたの笑顔なしには、私も笑顔になれない。だから私の想いで、あなたを永遠に包むの。
1月23日【がま/従順】
素直になれない私を許して。貴方の言葉に従えば物事がうまくいくことは判っている。何も考えずに貴方の腕に抱かれてしまえば幸せになれることも判っている。でもそれでは、私が私ではなくなってしまう気がして怖いの。私の中の怪物に貴方も私も喰われてしまうのよ。
1月24日【サフラン(秋咲き)/節度の美】
幼い頃、貴女は私の憧れであり目標でした。その高潔で清らかな美しさと優しさに私は何度となく救われたのです。この醜く残酷な世界で貴女の存在は奇蹟の様でした。しかし貴女の死の真相を知った今は違う。心に闇を棲まわせていた貴女が恨めしい。
1月25日【みみな草/純真】
私は父の名前も顔も知らない。母は死の間際でさえ私の父が誰なのかを教えてくれなかった。母はそれを父と約束し、それを条件に私を産んだのだ。幼い私にそんな話を嬉しそうにする母を私は死ぬほど憎んだ。しかし母と同じ道を歩む私は今、母を誇りに思っている。
1月26日【おじぎ草/感じやすい心】
私には特別な能力がある。他人の気持ちが判るのだ。その人自身も言葉にできない様な漠然とした想いをその人と同じ様に感ることができる。それは母親からの暴力が原因なのか父親に捨てられたトラウマや学校に居場所をなくした代償なのか理屈は解らない。
1月27日【ななかまど/怠りない心】
愛なんて簡単。私にできる精一杯を悔いなくするだけ。「絶対に後悔しない」それが私の愛の形。あなたとの毎日の食事、会話、夜の営み、その全ての瞬間を大切にする。毎朝のキスが最後の愛の挨拶だと自分に言い聞かせる。そうすれば愛は簡単に見つかる。
1月28日【黒ポプラ/勇気】
僕に足りないのは勇気だけだったと気がついたのは君を失ってから。君にこんなに愛されていたと知っていれば僕はもっと変われたのに。……いや違う。そんなんだから僕は駄目なんだ。君に愛されるよりも君を愛する勇気が、君を信じる勇気が僕には必要だったんだ。
1月29日【こけ/母性愛】
気がついたんだ。君の分身が僕の心に棲み憑いていると。それは優しい眼をした魔物。魔物は君の言葉を語り言葉は心の中で膨らみ体を熱くする。そうして魔物は僕の手足を縛る。しかし僕は自らの意志で魔物に身体をあずけ眠りにつくのだ。永久の安らぎを感じながら。
1月30日【りゅうきんか/必ず来る幸福】
そこへ行けば願いは叶うと分かっていた。その時が来れば満たされると分かっていた。それなのに私は信じることができなかったのです。私を愚かで欲深い女だと罰してください。それで私は救われます。あなたの胸の中で死にそして永遠を生きるのです。
1月31日【サフラン(黄色)/青春の喜び】
僕はこの目で見たもの、この耳で聞いたもの、この手で触れたものしか信じない。だから僕はもっと色んな君を観たい。君の色んな声を聴きたい。色んな君に触れたい。そして君と二人でこの世界をもっともっと感じそして信じたい。僕たちは無敵だって。




