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第十二章 地図の種類

長いようで、短い話でしたね。

分かり難い表現はありましたか?



知識というのは、手間とお金さえ掛ければ誰でも身に付ける事が出来るものである。

百メートルを十秒で走れと言われば、努力しても出来る人は限られると思いますが、知識は才能では人を選ばない。

私自身あまり、物覚えの良い方ではありません。

しかし、苦手だと思わず、少しずつ積み重ねれば誰でも習得できるモノだと私は思っています。




雷「ゆくりなくも、このような場に招かれまして、いたく戸惑っていますが、精一杯努めさせて戴きます」

風「ゆくりなく→おもいがけず」

太「………おや?」

雷「この度は、『地図の種類』について―と伺っています。このエッセイのお開きとしまして、相応しいお題だとわたくしは思っております」

風「お開き→『終わり』の縁起の良い言い回し」

太「東風さん。一体、何をやっているですか?」

雷「どのような時に、どのような地図が求められるのか。それを知れば、大変勝手が良いので、いとはしせずにご覧ください。必ず、目が開かれる思いをするでしょう」

風「勝手が良い→便利。厭はし→面倒臭い。目が開かれる→視野が広がる。―――通訳だよ。この大陸では俺以外に理解出来る人がいないからな」

太「うわ~、ご苦労様です~」



第十二章 地図の種類



(そもそも、どうして複数の図法があるの?)

雷「問題です。これは何でしょう?」

太「問題も何も、それは地球儀ですよね? 丸い玉に地図を張り付けた奴です」

雷「そうです。地球は球体であり平面ではない。当たり前の事ですが、これこそが、図法が複数ある所以ゆえんなのです」

太「う~ん、本来立体である地球を、無理やり平面に直すと必ず尺度に歪みが生じる。だから、歪みが生じて問題ない図法をその都度つど、選ぶ必要があると云う訳ですね」

雷「どうしたのですか、太陽さん? 今日こんにちはやけに冴えておりますね」

太「冴えてるも何も、そう台本に書いてますからね」



(円筒図法 又は メルカトル図法)

雷「地球儀を円筒に包んでから、円筒に地球儀の絵をそのまま写し取る図法ですね」

太「特徴として、緯度線と経度線が垂直に交り合うんですね。これの特徴は?」

雷「特徴は、赤道付近の歪みが少ない代わりに、緯度が高くなると歪みは大きくなります」

太「つまり、これは赤道付近の地図を作る際に使われる図法なんですか?」

雷「それも勿論良いのですが、他にも航海士が好んで使っていましたね。測量をした時に、自分が何処にいるか一番分かりやすい図法なので」



(円錐図法)

雷「円錐、つまり笠を地球儀に被せて、その笠に地図を書き込む技法ですね」

太「今さらだけど、雷神さんの口調が何時もと違う気がする」

雷「このような場では、大和言葉で当てはまる言葉が出て来ないのですよ。

話を戻しまして、この図法は主に緯度の高い所で使用される図法で、中央では歪みが少なく、外側では大きくなります」

太「へえ~。確かに北極点の近くの地図はこの図法を用いた地図帳が多いですね」

雷「緯度が45度辺りになると、これを用いる方も多いですね」



(方位図法 又は 平板図法)

雷「平らな紙を、地球儀の上に置いてそのまま書き込んだ図法ですね。

方位を測る事に大変優れており、空を飛ぶ乗り物に搭載されます」

太「空を飛ぶ乗り物って、飛行機とかヘリコプターとかですか?」

雷「映画などで見た事はありませんか? 彼らの操縦席には丸いレーダーの地図がありましたね?」

太「う~ん、見た事があるような気がしますけど、あれって、そんなに方位に対して正確なのですか?」

雷「正確ですよ。何しろ、地球をそのまま上から見たような図法ですから。欠点としては、外側にいくと、尺度が縦長になってしまいますが」

太「それだって、電子機器で地図の中心を更新し続ければ気になりませんもんね」

雷「ちなみにですが、円筒図法で真っ直ぐ東西に進む線を描くと、二次関数のような曲線になります。南北ではそのままの方位が使えますが」

太「二次関数のような曲線って、波打っているですか? ………だから、球面三角法では

sin cos tan を使用しているんですか?」

雷「そうですね。要約すると、地図を見ながら空を飛ぶ時には、この図法を用いた方が適当だと云う事ですね。円筒図法ではまず目的地には辿り付けないでしょうから」



(大きく分けると、この三つの図法が用いています)

太「改めて自分のいる大陸の図法を見ると、経線が真っ直ぐになっていないですから、円錐図法を使っていますね。」

雷「その図法は、狭い範囲に使うにはもっとも適当な図法ですからね。円筒図法は世界地図を描く時によく用いられますね」

太「なるほどね~、この三つの図法をちゃんと理解していると、作品の奥行きがちょっと出来ますね」

雷「実際には、この三つを軸にそれぞれが自前の図法を考えているみたいですけど」

太「なるほど、つまり地図を見れば誰が書いたか判る事もあると?」

雷「に例を見ない図法ならね。――――では、そろそろおいとましましょうか?」

太「もうですか? まあ、仕方ないですね。読み返すと、割と短く見えるのだから不思議ですよね~。それでは、また」

雷「また、お逢いしましょう」

風「――――思ったより、解説の必要な大和言葉が出て来なかったな」



ここまで全章読んでくれた方、まことにありがとうございます

最後に地図の種類を持ってきましたが、どうだったでしょうか?

これからの予定ですが、とりあえずまだ補足していない点もあるので、来月になった辺りで十章目をご覧ください。


今回、此処まで解説した『天文学』。この力の一番の強みはその汎用性にあると私は思っています。

どの世界に行っても、必ず使える力。メインではなく添え物として使用しても、大変便利。

このエッセイを読んでくれた方が、自分の物語に『天文学』の知識を使ってくれたのならば、とても嬉しくて泣いてしまうかも知れません。

何時かマイナーではなく、メジャーな力となって欲しいと願っています。


現在の天文学は、太陽系の外までも視野に納めようとしています。あまりにも遠い難しい世界に忌避感を覚える方がいると思いますが、本当はもっと身近な学問である。

商業が算数を生み出したのならば、天文学は数学を生み出した。

天文学は、最強の矛と、盾と、身体を創り出すモノである。


それが、大げさな表現ではないと、そんな風に思ってくれたら嬉しいです。


次回をどうするか考えていませんが、私の目標は興味のあるモノなら、何くれとなく説明出来る人間になりたいなと思っているので何時かまた、出会う日もあるでしょう。

―――明日になったら、『東風と太陽』の更新もしますので、再会できる人は、また明日!



風「何くれとなく→何から何まで全て―――最後に余計な仕事が増えたな」

明日になったら、『東風と太陽』をやって、明後日になったら一息入れます。

正直なところ、毎日は体力的に辛かったです。

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