第3話 ゴートゥーいつもの河川敷ウィズ・サム・従僕
「な、なんだ?」
男は俺の前まで歩み寄ると、ジャキーンと明らかに通販で手に入れたと分かる西洋の模造剣を抜いた。
「我が、同志よ! 忠烈なる神のしもべよ! よくぞ現世より参った!」
いかにもサラリーマン風のどこにでもいそうな中年男が、俺の双肩をがしっとつかんだ。
「いや、同志じゃないから。」
「なら、しなびたレモンをびちゃりと自動車道にぶちまけてしまった後、横暴な館の主人にお仕置きと称して雑巾のように扱われていたが、雑菌があまりに繁殖した床に額を無様な有権者のごとくすりつけまくったために戦死し、偉大なるフレクシスの魔手によって復活を遂げた同志よ!」
「一緒だ、一緒!!」
「ふふふ。 見たか若造よ。 ゼノムスの情緒あふれる才を!」
今日はとてつもない残念な夜だった。
一度ならず二度までも変質者に遭遇してしまったのだから。
「ハヤトです。 若造なんて言われたくありません!」
あれ、俺自分で今名乗ったよな、何言ってるんだ。
「そうか、ハヤト。 ではお主にもっとふさわしい名を主神より賜るために、今より聖地ヴァルケレネスの泉に参るとしよう。」
いや、どこだよそこ、いかにも世界史の興亡史とか地味な専門書に載ってそうだけど、絶対に即興だと分かる名前…。
俺はとりあえずこの二人に付き合わざるを得ないようだ。
なぜなら、さっきからがっしりと両腕を羽交い絞めされているのだから。
誰かーーーーー助けてくれーーーーと俺の心の叫びもむなしく、一向は近所にあるただの河川敷へと進んでいった。
少し楽しくなる題名をつけてみました。え? 鼻毛が伸びるほどうっとおしい? ありがとうございます! これからは鼻毛だけでなく、耳カスも溜めていきたいと思います…。そして物語はまだ続くよ~たぶんね…。