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「オペレーショントモダチ」(その11)

登場人物


海兵隊員(女性黒人・アン・フジムラ中尉)

海兵隊員(白人男性・エリック・モーザー軍曹)

高校体育教師(30代後半・東京出身・橋本公生)

奴・吉村君子(28・気仙沼出身・スポーツジムインストラクターのバイト)

高校英語科三年生担当教務主任教師(女性三十代・沖縄出身・浦添泰子)

海兵隊将校(白人・フィル・シューバッハ中佐)

JSG・Japanese security guard(仲宗根(日本人警備隊長・男性・四十代後半・沖縄出身・)

弓削田・地元テレビ局ディレクター

橘・同カメラクルー

河村校長。

岩本警部


(プロローグ)

(なれそめ)

(東北行)

(アフガニスタン2010)

(沖縄)

(岩国)

(岩国警察署)

(浦添泰子)

(アン・フジムラ)

(震災三日目)

(奴・吉村君子)

(ジョン・シューバッハ)

(イングリッシュ)

(岩国基地)

(県立岩国高校)

(基地内の高校)

(首相)

(岩国2)

(地元放送局の動き)

(新展開)

(霞が関・中央の思惑)

(岩国基地にて2・愛宕ヒルズ)…その11


(政治)

(ステディー)

(なし崩し)

(政治2)

(気づき)

(霞が関2)

(気づき2・続き)

(岩国3)

(気づき3・続き)

(地元放送局3)

(思惑)

(枷)

(展開)

(親しく。「テッパンヤキ」)

(イコール)

(三沢へ)

(両親)

(プラクティス)

(プロム)

(反響)

(Differences)

(プラグマティスト達)

(エフェクト)

(良い結果)

(逡巡)

(フィクサー)

(政権)

(エピローグ)

(岩国基地にて2・愛宕ヒルズ)

基地司令官室は、民間空港予定地に程近い、海上自衛隊施設に隣接した建物の中に合った。間もなく沖縄に戻る予定だった自分がまさかこの司令官付きの連絡担当官に任命される事は、今までの経緯からある程度予想は出来たが、本国に帰国する時期が“未定”になる事までは、想定外だった。しかしここは日本だ。「安全」と言う言葉が彼の体を弛緩させていくのが解った。いや、ハシモトが居る。それも今後は彼と公然と会える。いや彼の技を学ぶチャンスが生まれた事は非常にラッキーな事であった。又、あのカンフーとも空手とも違う技を繰り出す、女性教師との接点も出来るだろう。自然と顔も弛緩してくる。

「軍曹」

「嬉しいか?」

「Yes, Sir!」

「そうかそれは良かった、米日友好の為に頑張ってくれ」

大佐の訓示はこれだけだったが、具体的に、いつの間にか『大尉』に昇進していた「基本、フジムラ大尉の指示に従って、指示を仰ぐように」

と言う言葉が割って入った。

そう、これは通訳。が必要な案件であることは解っていたが、明らかに大尉の顔には不満が見て取れた。

「アン」

大佐は、少し申し訳なさそうに、

「君のキャリア・アップ・プログラムが消滅する訳ではない」

「ただ、少し先延ばしにしてくれと言っている」

「このプログラムミッションの成功には、君が欠かせない事は理解できるだろう?」

「Yes, Sir!」

明らかに低いトーンで有る。

「宜しく頼む・Dismiss」


「大尉どうしたのですか?」

「何でもないわ、ただね、私のMV-22のプログラム参加時期が遅れるだけのことよ!」

「でも、あの橋本にまた会えるのですよ!それも今度は公務(=何の気兼ねも無しに)」

「そうね、あなたは彼に興味が有るようだけれども、私は何の興味もないわ」

確かに昇進はした、その地位は飛行小隊長に値する身分でもある。その自分が下位の者。しかも若い男性の少尉中尉クラスの候補生たちと机を並べる事、その上で、隊長としての経験、教育も受けなければならないことが予想できる。

憂鬱で正直言ってシンドイ。

しかし彼女のポケットの携帯は無関係に震えた

「Yes」

「あ!もしもし(日本語に代わった)」

と言う事はハシモトからか?

「ええ、話は上司の方から承っております」

「ハイ具体的にスケジュール調整と今後の方向性を決めて…ハイ、了解しましたでは、場所はこちらから追って指示させて頂く形で…ハイ。了解です」

モーザーには何を話しているかは、全く皆目見当は付かなかったが、ただ、大尉の口調が明らかに事務的になっている事だけは感じた。

これはまずいな。率直な反応であった。


これからの中期滞在に備えて与えられた士官用宿舎。

独身の一人身には少し広過ぎて贅沢な宿舎は新築の瀟洒な戸建てであった。

周囲の日本人住宅街からは一段小高い丘の上に位置し周囲を木々で覆われる形になっていて、基地との往復道路も、日本式の左側通行とは言え、自衛隊との共用である基地内の道路と異なり、標識も全てアメリカと同じ英語表記、専用の一本道のトンネルを抜ける形になっていて、日本式の交通ルールに慣れてないアメリカ人でも、道に迷う事も、事故を起こす事も、まずないだろう。

市井の日本人が一般道から、ここにアクセスするには、基地同様のセキュリティーゲートを通過せねばならないので、隔離された、ここはアメリカの住宅街であった。

テニスやバスケットのコートも完備され野球グラウンドは内野まで芝生張りで、この(森の)中のエリアは、建物の形こそ違えアメリカであったが、沖縄のそれとは異なり、日本人の姿を間近に感じる事は『無い』エリアになっていた。

住人は全て士官以上の幹部クラスで有り、基地指揮官である大佐の宿舎は、最も奥まった、庭とプールのつく広さを誇っていた。

普通の日本人の生活を知らないアメリカ人にとっては普通の生活空間だが、強いて言えばこのエリアの中では、最も小ぶりの建物とは言え、普通の日本人の中で暮らした経験のある、アンに取っては、非常に贅沢で、持て余す広さを占有させてもらうことなった。

部屋の中には、家財道具は一式完備してあった、食べ物以外買い足す必要は、ない。インターネット環境も軍のそれと全く同じ。

普段の足としての車も、右ハンドルの日本車が貸与されていた。

「大佐相当気を使ってくれたつもりなのね」

率直な感想であった。

「ホゥ!」

「やはり我々の兵隊用宿舎とは大違いだ!」

「で中尉、オット大尉!彼等は何時頃?」

未だ、ビールくらいしか用意していない冷蔵庫から取り出したコメッサリー(PX)で購入したてのキリンを飲みながら、モーザーは、あきらかに橋本との再会を喜んでいた。


公用車ではないが、学校長クラスの人の個人所有車にしては、貧相なマツダの軽自動車が、これからの二人の足になる。

新聞でも、巷でも噂になっていた“思いやり予算”で、新調された『市庁舎』のバーターで建てられた基地から数キロ離れた地区に建設されたばかりの米軍士官専用宿舎は基地同様の検問をくぐらなければ中に進む事はできない市街であった。

検問を除くアクセスの違いは、ゲート前に“バック・トゥ・フューチャー”で見たことのあるような、アメリカのニュータウンの看板『Atago Hills』がある事だった。

ただ、このゲートをくぐった後の街並みの優雅さ、それに比べ二人の乗る車のコントラストは、いかにも卑屈な気分を浦添に抱かせた。

しかし運転している橋本は明らかに、午後一時過ぎの燦々と輝く日光を浴びた、そのアメリカンな雰囲気にのぼせ上がっているように見えた。

「いやぁ、先生左側通行でなければまるでロスですよ!この雰囲気、家の作り!見て下さい、住居表示も英語ですよ!英語!!」

「なんか道幅もアメリカンな感じがしますね!」

「バカかこいつは⁉️」

正直な感想であった。

「持って来たパソコン大丈夫かなぁ?コンセントや電力もアメリカ流だったら、コンセントが合いませんね?」

そのような事はどうでもよかった。

「だったら筆記すればいいだけでしょ、先生。場所は分かっているのですか?」

「は、ハイ先程、大尉に電話して詳しく聞いておきましたから大丈夫だと思います。」

わからなければ、ここから電話すれば良い訳だし…浦添先生やはり気乗りしてないんだなぁ。流石に鈍感な自分にも、その気配は感じ取れた。『だから女ってのは、面倒臭えんだ』東京弁で、本音が頭を駆け巡った。

路駐?駐車場?そのような言葉とは無関係に車を止めてアンの家には、既にビールを片手にした軍曹もいた。

「ようエイリック(少し英語っぽく発音して見た)」

「ハシモト!ブラザー」

もうこの二人は兄弟のような挨拶である。

「ドント。ドライブだぜエリック」

「OKワカッテイル」

片言の日本語もいつの間に覚えたのだろう。

「いらっしゃい、すぐお分かりになりました?」

「おかげさまで、すぐわかりました。」

「ここまでは、どうやって通ってらっしゃるのですか?いや車とかが見えなかったもので」

「ああ。車は貸与されたものがありますが普段は、自転車です。軍曹も今日は自転車で基地からきているんですよ!」

「え!自転車電動アシスト付きですか?」

「いいえ普通のマウンテンバイク、その庭のところに置いてある。」

「エ!途中結構な上り坂があるじゃないですか?大丈夫ですか?」

「はい」

この程度の事は、日々のエクササイズ。沖縄で受けていた訓練から比べれば大した事はなかった。というのが二人にとっては共通の本音だった。

「ohニホンゴワカラナイヨ」

軍曹が二人の会話に割って入ったので、アンは簡単に説明した。

「これからハシモトとする、ダンスのエクササイズの方が、もっと厳しいかもよ!」軍曹の偽らざる本音であった。

「え?」

「だって、これはジムナスティックスの一環なんだろう?だったらフィジカルエクササイズ的な要素が必要だと思ってたんだけど?」

「Boot Camp的な?」

「そこまでは行かなくても、要素はね?」

浦添は、二人がいきなり事務的に処理を始めてくれた事で少し安心した。

「先生」

「此のダンス授業のコンセプトはなんですか?」

「それをまずは彼等にご説明しなければ。」

橋本は、ただただ、キョトンとしていた。

学校の設備もだが、若い。士官とはいえ若い女性の独り住まいが、東京の実家より『立派』なこの家。

「え!?何ですか??」

「授業のコンセプト?そんなもの無いですよ。」

浦添も、エリックの質問は意味が分かっても、どう訳して良いのか困って、つい直訳した。

そして

「日本の高校体育では、カリキュラムは基本“道徳”」

モラルを教えるのが基本趣旨であり、体育でカリキュラムの達成度は求められても、結果は授業では求められない。

「エ?意味が解らない?ダンスを覚えたら、それを発表したり、楽しむ事は無いのかい?」

この教科書の内容を一年間でどこまで消化できるかが生徒の義務であり、それをどこまで達成できたかが評価である。受験に関係しない教科は其の様なモノである。

「そンなァ、つまらない!」

とでも訳すべきだろうか?

エリックの落胆は目に見えて訳さずとも理解できた。

ただ、だから、以前彼らが話していた、アメリカ映画の様にプロムの様な形の「餌」で彼らのモチベーションを維持するのが橋本の考えであった。

時期もちょうど、アメリカの学校は学期末、日本は、受験に向かう最後のターンの時期にあるイベントとしては、良いのではないか?と?漠然と考えていた。

ただ、日本の男の子は、アメリカと異なり一八歳になるまで免許は持てず、ましてや車で女子を迎えに行くことなど、デートに類似する所作は、モラル的にも、保護者に対するエクスキューズとしても考えられない。

女子然りである。もちろん米国の免許で基地の高校生が岩国市内の公道を走ることもできない。

その上、夏休みまでの三か月程度で、お互いの関係が、そこまで深まることはあり得ないし、学校も保護者もそこまでは求めていないだろう。だから我々がそこへ彼らを導く様な指導は、厳に慎み深いものでなければならない。

この考え方は既に浦添との間で同意を得ている。

「ビールでも如何ですか?」

アンは、橋本が、質問内容を全く予想していないことに気がついた、エリックが十分ビールは用意してあった、しかし、我ながら、冷蔵庫を覗いて驚いた!何も食べ物が入っていない、当たり前だ、寝に帰るだけの家。必要がないからだ。スナック程度の軽食どころか、お茶も水もない。

「Oh!」

どうした?軍曹は分からなかった、浦添がアンに近づき“事態”を把握した。

「あら何もないのね?コーヒーもお茶もないの?中尉?あれ、肩の記章が一本増えているわね?」

「ええ、あ、昇進しました、でも、此処には寝に帰るだけだから」

「あら、おめでとう、丁度いいわ、少しインターバルをとりましょう。橋本先生は、何も準備していなかったみたいだし」

「What?また日本語か?」

「そうよ、此処は日本。日本語が基本」

アンが、言おうとした言葉を浦添が美しい英国調英語で言い放った。

「なんてこった。All right。で?」

「ここの冷蔵庫には何もない」

浦添の言葉が終わるやいなや

「だから今から買い出しに行きましょう!」

アンの言葉は、完璧なアメリカンブロークンイングリッシュになっていた。

「橋本先生は、その間どうしたいか考えをまとめておいてくださいね。」

彼は、相変わらずキョトンとしていた。

意味が取れなかったのかもしれない、まぁいいわ。

「浦添先生。付き合って!Guysは、ビールでも飲んで待っていて。先生車のキーは?」

「橋本先生鍵は?」

「先生運転は自分が…」

「浦添先生運転できるの?私がやりましょうか?此処は私の方が慣れているし基地内だから」

「大尉、右ハンドルですけど?」

「大丈夫日本生まれのパイロットですから」

浦添は、中尉は、いや大尉は、本質的に悪い人間ではない。典型的なアメリカ人だという事、同性という安心感もあるが基本的に友人になれると思った。

「しかし帰りのこともありますから」

これは、橋本の余計な一言であった。浦添はウンザリした口調で

「ビールを飲んでと言うのは。大丈夫。学校までくらいなら、私でも運転はできます。それに此処にはビールと水道水しか飲むものがないのです。酔っ払わない程度でお待ちください。」

そう此処から学校=市の中心に至る道は、政治家の利益誘導と基地対策費用が見事に昇華された、公共事業の結果、十分な広さと、車線を要し、夜は煌々と輝く街路灯が完備され、その“夜”には、ほぼ対向車も追従する車もない、超初心者向け教習所以上に安全な道路が!整備された街である。

しかも幹線道路なのだ、だから、言い放った。

それにアンが、

「橋本先生、弱くないでしょう?それにPXで買い物は済ますからすぐ戻ってこれます」

「PX?」

「そう私が居ないと、基地のスーパーマーケットには行けないでしょう?それに街まで出るとお金がかかるし!」

既に大佐からは軍資金のクレジットを渡されていた。このやり取りは、エリックでも想像が付いた。

「先生。軍曹と大人しく待っていてください。何か食べ物を仕入れてきます。ですから今日は“長期戦”になるつもりで考えをまとめておいてください」

橋本は、浦添の口調に“腹をくくったな”浦添の気持ちを感じた。

「わかりました彼と此処で待っています。が、何をどう?考えて良いかが解りませんし…ですからまとめられません」

「仕方がないわねぇ、では軍曹と英語のプラクティスでもしていなさい」

アンと、浦添は出て行き野郎二人が残された。

「先生は、基地に対して“ネガティブ”な意見をお持ちなのは、実は、仲宗根さんからレクチャーされています。だから、こんな機会だから先生にも基地の中を見てもらったら?というのが、仲宗根さんの意見でした・・・だから本当にラッキー」

行きすがらの車内でアンは、いきなり、本旨を切り出してきた。

浦添は、まさに何で、日本国内で、人殺しを生業(なりわい)とする人種国民に此処まで優遇する意味が、理屈では分かっていても、生理的に理解したくはなかった。

しかし基地内のコメッサーと発音するのか?そのスーパーマーケットは見事なぐらいに、ショッピングセンターそのものであった。

客の服装に軍服が多いことと、価格表示や諸々の表記が英語でアメリカの単位、ドル表記、特に私服の場合、支払いに身分証の提示が必要なことを除いて。従業員は、皆、日本人だろうと思われる。

生鮮野菜は、国産ではなくカルフォルニアかハワイあたりから空輸された物だろう。色が毒々しかった。肉も種類を問わず、いわゆるアメリカンサイズで、日本の様に細かく丁寧に切り分けられパック詰された物などなく、唯一、刺身や鮮魚くらいが日本から仕入れた物だろうと分かった。

「先生!」

アンは女の子に戻っていた、当に日本の二〇代の女の子よろしくキーの高い声で浦添に

「家にどんな調理道具何があるか分からない!」

致命的な、しかし姉に頼る妹の様な声を上げて聞いてきた。

「エ!?中尉!」

「先生アンでいいわ!」

しまった、大尉に昇進していた…ファーストネームで呼ぶ事、え?私達。そんな近しい関係?という諸々の戸惑いが一瞬よぎったが、

「アン、此処日本の携帯使って構わない?」

「あ!エリックか、橋本先生に聞けばいんだ」

返事をするいとまもなくアンは自分の携帯から多分、橋本に電話をかけた。

これは、何を?どう?考えていいかも分からなかった、橋本には救いの電話だった。ビールを片手に冷蔵庫を開けると、まずビール以外に水や氷すらないことが分かった。翻って戸棚にはグラスとマグカップに皿が何種類かはあったが、ナイフ・フォークは二組だけ!何故か?割り箸が未開封のままあり、シンクには、それを洗うスポンジも洗剤もない。鍋釜フライパンは最低限の数と種類は揃っている様だが、フライパンは、一人前の目玉焼きを作るには、大き過ぎると思った。

それを傍目に見ていた、エリックも電話の相手が誰か、内容が何か?は、すぐに察しがついた。

「Hey!Dishwasher, oven, microwave」

「ああ!食洗機があるが、洗剤がない!ガスオーブン、いやこれは最新のIHってヤツだからか!鍋釜フライパンが完備していたのは。なんだ?こりゃ凄いなぁ!電子レンジは日本製のモノが置いてある」

「あ!肝心な包丁がない!なんじゃこりゃ!?」

「Houcyou?」

理解できない言葉を近頃エリックは、必ず、おうむ返しで聞いてくる。

「Oh it’s a Knife for cooking」

多分これでわかるだろう。

「Is it OK?」

エリックは、やおら自分のバックから三種流のフォールディングタイプとハンティングタイプ、多分サバイバルタイプと日本の山刀に似た『曰く』ドロップポイントナイフを、出してきた。

橋下の関心はそちらへ、ものの見事に移り、それはエリックにとっても、残された二人だけ野郎にとって格好の話のきっかけになった。

「ええコレクションじゃん」。


スーパーにいる女子二人にとって買うべきものは“何か”はっきりした。

しかしそうなると献立を何にするかが問題である。

正直アンは、料理に自信はなかった。

「浦添先生」

「ん?何?」

「どうしますか?」

「エ!?」

質問の意味を飲み込むのに数秒かかった。しかしこんな時は、生徒指導の要領と同じである、相手が何をしたいのかを明確に相手自身に、定義づけ“させる”ための質問を何回かすれば良いのだ。

「アン?」

何回か質問が日本語と英語で繰り返された。

時計はゆうに午後四時を回り五時になろうとしていた。

春とはいえまだ冬が終わったばかり、あたりはすっかり夜になっていた。

結局この日は、アンに与えられたファシリティーを大人四人で十分に活用した。

ということだけで、終わってしまった。

橋本にとって意外だったのは浦添の作る沖縄料理が非常に美味く。

アンは完全に、浦添と橋本の、いや特に浦添の生徒として立ち振る舞った。

橋本とエリックの男の料理も、要は『肉を焼くだけ』なのだが、浦添が、チョイスしたスパイスや、調味料。そしてワインのおかげもあって、好評のうちに全てが皿から消えていた。

ただ浦添だけは、そんな中でコーヒーとお茶で食事を済ませた。

勿論、帰りのことを考慮してという理由はあるが、やはり酒を飲んで、この輪に溶け込む、気持ちは持てなかった。ただ、アンは、そんな浦添に懐いてしまった。ようだ。


「それで?橋本先生はどう行った方向で進めるつもりなのかな?」

教頭―いや今は副校長が正式な肩書になっているーはいつもストレートだ。

「浦添先生の話では何も考えていなかった?そうじゃ無いか?ウン」

「はい。私の考えで、世間一般日本の社会で通用するかどうか?悩んでおりまして…」

「世間一般に通用するか、ってどういう意味かね?」

「これは、モーザー軍曹と話していて、アメリカの一般的、内向的な生徒がダンスに興味を持つきっかけになる。という事で話をしてくれたのですが………」

「教頭先生はプロムという言葉をご存知ですか?」

「プロム?なんだね、そりゃ?」

「はいアメリカの高校では一般的な卒業前の行事なのですが、卒業生によって企画・運営されるダンスパーティーのことです」

「ダンスパーティー(怒気)」

「なんだね、のその不謹慎な行事は?」

浦添はアンとPXで買い物をしている間に男同士で其のようなことを話していた事は聞いていなかった。

「そこなんですよ、世間一般に通用するか?って」

「ただ、生徒にダンスの授業を、興味を持ってもらうには何がしかの“キッカケ”と言うかモチベーション(餌)を与えるほうが良いと考えまして」

「ホウ」

河村は、ほくそ笑んだ。

「校長先生はご存知なのですか?」

教頭は少しムッとした気持ちを抑えつつ尋ねた。

「異性間のダンス、それをこの多感な時期に推奨することでモチベーションを持たせると言うのはどうも」

「納得でき兼ねます?」

「君はアメリカのフットルースという映画を見たことはないかね?君が高校か大学生時代に流行った映画だったと思うが?」

「残念ながら」

「橋本くん、君は、フットルースをやろう!って訳だね?我が校と、アチラさんとで?」

「ハイ、先生が其のような映画をご存知だったとは意外でしたが」

「アチラは、丁度卒業時期。こちらは、本格的な受験に突入する前に、何かモチベーションを上げると云うか、そこでダンス事業を集中的に終わらせて、夏以降受受験までの体育事業は専ら、健康管理に傾注する。そういった意味で。生徒達に何かインセンティブの様なものが、できないか?とも考えましたが、ですが、映画でもテーマに上がった、親御さんや世間の目がどう出るか読めなくて引っ込めざるを得ないかと考えていました。しかし、これ以上の妙案が浮かばなくて…」

「浦添先生は、どう思う?教務主任の意見もお伺いしたいな?」

「はい個人的には悪い案ではない。と考えます。しかし教務主任および受験担当責任者として、現段階での、即答はし兼ねます。」

「何が障害になると思うかね?」

「はい先ずは、親御さんの理解とご了解が、数日。長くても一週間位で得られるか?其れと教育委員会と地域の皆さんの協力と御理解同時期に。同じ位の(短)時間で得られるでしょうか?」

「時間的にもその案ですと、実施は五月連休後から、七月頭に掛けてになりますので時間的に余裕がなく.……」

「そうだね、今でも、教頭は、ネガティブな様だからねぇ、時間が無いってのは、致命的かもしれんね。」

「一部の父兄と教育委員会のジイ様や官僚たちは、もっとガチガチの原理主義者で、根回しに時間を掛けるのが大好きだからねぇ。」

校長は何か楽しんでいるかの様な含み笑いをしながら答えた。

「まぁ教頭、今日は帰る際にレンタルビデオ屋に行って“フットルース”を借りて見てご覧なさい」

「それと、これは私の個人的意見だが、橋本くんの方向性は悪くはないと思います。」

「周囲の環境整備は、私に任せて、橋本先生と浦添先生は、その方向で授業計画を先方と話し合って練ってください」

「しかしプロムか!羨ましいなぁ」河村はニヤニヤしながら会議室を後にした。

彼の携帯には沖縄の一件以来、また最近になって復活した、現官房長官の個人携帯番号が忍んでいた。

会話のきっかけ、それが対話への土壌となる事、その機会を逃してはいけないことを、そして卑屈に見えようとも、罵られようとも、その扉は閉じては「負け」なことを河村は、沖縄の事件から強く感じていた。

一方の意見、それは、客観的に見て一方的か否か、という入り口で立ち止まり、話を進めなくする事が為政者、力のある者の常套手段であること、そして人々は、時間の経過と共に忘れること、その間に環境を密かに整え、数の力と、お金で押し切ってしまう権力者の卑劣さを痛感していた。

また野党と言われている、今まで自身が支持していたグループが、なぜ正しいことを訴えても、世間に支持されないのか?もこの年になり十分、分析ができてきた。要は「子供だったのだ。」

「あ!夜分遅く申し訳ございません。官房長官でしょうか?」

彼は、今政府が沖縄の海兵隊基地の処理に悩んでいることを、そして、それは沖縄だけ、に押し付けている事が、事の進展の阻害要因であることを認識していた。そして、それが理由と『大ぴら』に言ってはならないことも理解していた。だから、この件をどこからも突っ込ませない様に舵取りするのが“自分の務め”である事は心得ていた。全国的に基地のない地方や、基地があっても、メリットを感じていない地方も巻き込み、海兵隊や空海軍。日米の健全な関係性の構築、ドイツや欧州とは異なった方法で、キリスト教と言う。同じ『文化的土台』を共有しない『国民同士』が、せめて同じ敗戦国のドイツやイタリア並みに、地位協定を改定する為には、相互の信頼が重要である、その為になる、きっかけを探していた。

河村は、新聞記事からさえ溢れて読める、それが、彼=政府の苦悩の源では無いか。そして、今。官房長官である電話先の主が、何か権力を行使できる場所は、彼が仕えるボスの地元であり彼の選挙区も近い環境がある。その上ボスが今、後継者と考えている候補の隣町でもある。

この計画は、政府の後ろ盾が十分に取れる勝算は有ったのだ。

ここからの話は早く進むはずだ。


男共は、屈託がない。いい歳をして、これから気持ち的には整理が付いていない案件を話し合わなければならないのに、浦添の偽らざる彼らのジャレ合いを見ての感想である。

方向性は、日米の高校生によるダンス大会。浦添を除く三人は全高校生参加ではなく、高三同士のプロムという方向で、この授業の最後は、まとめるべき。と言うものだった。

そろそろ春と言って良い季節、この若い女性の一人暮らしには無駄なスペースを彼らなりに有効利用していた。自分にはまだ涼しいというより寒く感じられる気候でも、男どもは、ひとしきり汗をかいたところで、Tシャツを脱ぎ、汗を拭いていた。その時、橋本は少し怪訝な表情を見せた。

エリックの肩口には刺青。彼ら風に言わせればタトゥーがあった。紺色、彼の褐色の肌では、なかなか視認し辛いものではあったが、それははっきり入墨である。

「橋本どうした?」

エリックも橋本の表情が微妙に曇ったことを見逃さなかった。

「いや」

欧米ではこのタトゥーってやつは一種のファッション化粧のようなもの。

頭では理解していた。

しかし、彼のジェネレーションはまだ、大昔、幼なかった時分、銭湯に行き入墨禁止の文字や実際刺青の入った、鳶職やテキ屋のお兄さんに囲まれた経験をかろうじて有している。

たまに見るプロスポーツで海外選手の刺青に嫌悪感を無意識に持ち、素直に応援できない彼には、そんな頃の感情が交錯している。

日本では刺青は、なんと言われようが入墨であり、反社会の象徴なのである。タトゥーと呼び名を変えても、ファッションとしては、認められないのである。

しかも、彼の価値観の中には

「親に与えられた体を勝手に弄るのは、親不幸である」

という、アナクロな感性があった。

他の価値観で、それが自己主張やアイデンティティーなんとかかんとか、化粧の一つ………なんであろうと、自然な(嫌悪の)感情を役者の様に覆い隠してしまうことはできなかった。

「軍曹。そのマークは何?」

アンも、橋本を一瞥しただけで、そんな彼の感情を理解できた。

彼女の両親や両親の同僚。即ち空軍のエリート士官であるパイロットや敬虔なキリスト教徒でもあり、故に教会に勤める傍ら教育にも携わる母の様な人種にも、タトゥーを身に付けることを許容する、価値観は、なかった。

が、ハイスクール時代の友人には、いて、それを揶揄することは、自殺行為でありまた忌むべきことという教育も受けていた。

このような感覚に唯一無頓着なのがエリックである。

ただこのタトゥーには、彼なりの意味はあった。

それは、それで彼にとっては、大きな事でもあった。

「これですか?これは(アフガンでの)友人とそのsquadです。忘れないために体に覚えさせました」

アンは、想像は………脳裏には、浮かんでいた。

浦添も刺青が文字の時点で、そのようなことだろうと察してはいた。

「へぇー」

アン

「そうなの」

浦添。

ただ、エリックは意外にも2人の女性が、この文字に興味を持ってくれた。っと錯覚し、少し嬉しかった。

しかし橋本は違っていた。

「うん(頭では解っている)」

「ただね、タトゥーってのはね=“イレズミ”って日本語で発音するんだが」

「ヤクザ=アウトローのシンボル(象徴)なんだ」

「でね、ワタシ(I have)もその感覚があってね」

「ごめん」

エリックも、日本人に刺青アレルギーがある事を大昔、最初に日本へ赴任した際の教育で聞いてはいたが、身近に感じていた日本人からの(素直な)反応には、軽い驚きを隠せなかった。

「ハシモト、俺がアフガンにいたときの事を少し聞いてくれないか」

エリックは、橋本には理解して欲しかった。

「この刺青に書かれている文字=ジャニスは、アーミーなので、帰国する前に行くのは韓国にある基地だったのだけど、やつ度は同じさとでね、俺は、大学に行きたかったので、奨学金が貰えるマリーン。大卒の奴は資格とリタイヤ後、良い就職先が斡旋されるアーミーを選んだんだ。」

「俺たちは同郷、同じ高校を卒業し、奴は卒業後進学したがその後、別々の軍に入ったが、任地で、また出会ったんだ。」

「奇跡だよ」

「彼がカバーしてくれるLAV(ストライカー装甲車)に、あそこで出会ったのが俺の昇進と帰国が決まった日。その日に奴と共に彫ったんだ」

「ただ彫った後に出くわした最後の戦闘で奴のLAVが、多分TM46(対戦車地雷)に引っかかった、もちろん装甲が奴を守ったけれど、韓国の基地(病院)へ帰国する羽目になって」

「でも、だから運良くの地獄を共に出られると思ったその日に、事故が起きて…」

正直、橋本には、普通には、それも感情がこもった、彼の自然な英語の意味は、正確には、いや、ほぼ、全く理解が出来なかった。

ただ何か?を訴えていることは感じ取れた。

困惑した表情を見せるしかなかった。

「でも、お前とは、風呂屋(パブリックバスやホットスプリング)や、市内プールに行くことはできないんだぜ」

ボソッと橋本はたどたどしい英語で応えた。

そのいずれもの意思が、アンにも浦添にも理解出来た。

「先生、軍曹がなんて言ってたか?お分かりになりました?」

二人から、ほぼ同時に、この言葉は出てきた。

「要は刺青を入れた理由を言ってたんでしょう?」

橋本の答えには、素っ気がなかった。

「先生のお気持ち話理解出来ます」

「アン、どう分かるというの?」

浦添の偽らざる気持ちであった。彼女は橋本の考え方には、100%同意はできなかった。

自分でも意外だった。

あれほど憎んでいて、今は業務上仕方なく付き合っているアメリカ人。しかもその中で、故郷で最も嫌われている人種である海兵隊員。

しかも地元で暴行事件を起こし続けた『奴』と同じ人種。

なぜ自分が彼の気持ちを推し量れるのか、自分でも意外だった。

高校生の頃から、反基地の運動には、自ずと参加していた自分。

恩師でもある河村先生とも引き合わせてくれた、悪い意味での、きっかけの人々と、今こうしてともに仕事をしている、しかも恩師の指示で。

ただ、ただ嫌うだけでなく、彼らの「背景」を基礎知識として、有していたからかもしれない。

それこそ前の大戦で精神主義と、負けを知らず、奢り。相手を知ろうとも、しなかった旧軍。敵は自分と同じだろうと言う。主観的な判断だけで無残に人を殺して行った旧体制に対し、米軍が、日本を徹底的に調べ上げて、客観的に相手の立場を理解した上で勝った様に、米軍や政府と戦うには相手のことを徹底的に知ることが必要と教えられ、知ったからである。

「先生」

「軍曹は、奨学金を得て大学に進学するために、海兵隊に入ったらしいの」

「それが、何の関係が?」

「高校卒業以来、久しぶりに高校時代の友達に任地で出会って、その友達との友情の証として、お互いに名前を彫ったそうよ」

「それがなんで刺青につながるんですか?」

少し意固地になっていくのが自覚できた。

しかも同僚で且つ尊敬している浦添に対して。

「生活習慣や文化的背景の違いは、理解し合わなければならないと思うの?」

「確かに中世の頃から日本では、一般的に刺青は反社会的なシンボルではあったけれど、2000年前から弥生期に至る頃までの日本や、近世でもラグビーの盛んな南方ポリネシアから、ネイティブアメリカン、インディアンとかインディオって呼ばれている人たちね、それに日本でも北海道や北方の先住民だったアイヌ、南は台湾の人々、私たち沖縄人にも、刺青には違った価値観があったわ。」

「へぇー」

「昔教わったのよ。」

「先生、教師たる者、いいえ大人だったら、そう言った正しい歴史観、社会的慣習に対する知識を常識として持ち、価値観に理解を持つこと。それと、主観や価値観の違いは、理性的にロジカルに克服すべきと思うのですが、いかがかしら?」

公立高校の英語教師であるだけの、浦添が、その様なことも学んでいた事にアンは驚いた。

またその指摘は、ごもっともである。

橋本もその説得には反駁する言葉は出なかった。

それこそスポーツを通じて、フェアプレーを子供達に学ばせる立場で、浦添の指摘はごもっともである。

「先生。理解しています。」

「なんて言って良いのか……」

「いいの、ご理解いただければ、私も先生の感情は理解できます。でも、オモテに出す年齢、立場でも無いし、ましてここで主張すべき事ではない。彼との関係を考えれば、今は、尚更無いだけです」

アンは、浦添が好きになった。

なんと理路整然と話し、相手を納得させることができる、その佇まい、言葉遣いに、“惚れた”。

一方で、橋本の言葉を受け入れる態度、最初は子供っぽい、と思ったが、潔さに、日本人を感じた。

「軍曹、日本人にとって、たとえそれが貴方の大切な方との思い出の証としても、“刺青は入墨”やくざや反社会的な人たちのマークなの。最初の彼のリアクションは理解して判ってあげて下さい」

非常に丁寧な英国式英語だった。

「郷に入れば郷に従え、という諺は洋の東西を問わず、あることわざよね?でも私は、それはオールマイティーでは無いと思います。」

「ただアメリカは、アメリカ的な価値観が絶対とばかりに、世界中にその価値観や考えを押し付けるわよね?」

少し浦添は、はにかみながら続けた。

「その土地の文化や習慣。人の考え方の違いは、尊重すべきと、軍隊でも教えていません?」

教えられてはいたが、かなり昔、イスラム圏での戦闘基礎の導入教程で、忘れていた。

「貴方の自分のことを分かって、分からない方がおかしい、でも人には、その力関係で顔では理解した振りをしてくれても、結局は心からの理解を得られないものよ」

「少なくとも私は、そう思う。今私達の関係がその様な儘で良いとお考え?」

「彼が不快な顔を見せるのも良く無いマナーですけれど、だからと言って“解って”を押し付けてはダメよ。」

「貴方は日本人が、その刺青を見て不快な感じを抱くことがあることを知っておくべきだわ。」

「でも、だからと言って卑屈や無理に隠そうとする必要もない。」

「橋本先生は、わかってくれたと思うけど、一方的に、わかって!と、理由をまくし立てるのではなく、相手が抱く違和感を受け入れ、知ろうとする態度も必要なの」

「異なる文化や価値観を持つ相手に受け入れられるには、どうあるべきか?いい機会だから考えて迷って」

「でもね、それだけでは、身も蓋もないから、一つだけ。私にも分かっていることがある。とすれば、それを何時も何の気なしに意識していれば、時間は必ず解決してくれる。という事かしら?良きにつけ悪しきにつけ」

アンの部屋は浦添の言葉を伝える教室、彼女はまさに、其処の場を仕切る教師であった。

「ソーリー、ふかいなおもいをさせてわるかった」

橋本は拙い英語で詫びた。

「何を言っているんだ、これからもよろしく」

エリックはゆっくりと話し、ゆっくりと手を差し伸べた。

お互いは、お互いを認め合っていることは確かな二人は、それで終わった。

アンの手には、ちょうど飲み頃に冷えたビール瓶が二本あった。

当に「Good job」

浦添が微笑んだ。

「さあ、金八先生はおしまい。やるべきことを話し会いましょう。もっと、戦術的に具体策をね、せっかくベースに居るのだから。時間は、ないわよ!」

浦添は皆に、そう声を皆にかけながら、今一歩釈然としない気持ちを抱えていた。


「へぇーアンさんの家でその様なことが有ったんですか」

河村は盃を進めながら笑っていた。

「しかしなかなかやるもんだ、さすが私が見込んだだけのことはある」

浦添は、車の返却を兼ねて河村の家にいた。

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