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第1話

「俺以外全員転生したのか?」

「え? あ、そうだよ。この世界の人間は全て転生者。お前以外は」

「はぁ!?」


 衝撃的過ぎて大声が出た。

 てことは何か? この世界は異世界人が多いってことか?


「まあ、驚くのも無理はないよ。この世界に来るのって結構珍しいらしいし」

「じゃあ、何でお前はここにいるんだよ」

「それはね……」


 すると、突然目の前にウィンドウが現れた。

 そこにはこう書かれていた。


『この度は、【God Killer】にご参加いただきありがとうございます。このメッセージは、あなたにだけお伝えしております』

「……なんだこれ?」

「それについては、今から説明するよ」


 そう言って、少年は説明を始めた。

 まず、ここは地球ではないということ。そして、今いる場所が惑星ではなく、宇宙だということ。

 そして、これから俺たちは殺し合いをしなければならないこと。


「なんだよ……それ……」


 俺は、驚きを通り越して呆然としていた。


「これが現実だよ。僕たちは、他の転生者と戦わないといけないんだ」

「なんでそんなことすんだよ! おかしいだろ!」

「仕方ないんだよ。そういうルールなんだから」

「ルール? なんだよそれ」

「詳しいことは言えないけど、僕たちが戦う理由は一つ。神になるためだ」

「神になる?」

「そう。神が一人、このゲームに参加してる。その神は、全能の力を持っている。だから、その神を殺すことが出来れば、何でも願いを一つ叶えてくれるらしい」

「なるほどな。でも、そんなのどうやって証明するんだ?」

「僕が殺したら、それが証拠になると思う」

「ふーん。それで、お前の能力はなんなんだ?」

「僕の能力は【創造】。なんでも作れる能力だよ」

「チートじゃねえか」

「そうだね。確かに強い能力だけど、制約もあるから使い勝手が悪いよ」

「制約?」

「うん。例えば、無から有を生み出すことは出来ないとか、生物は作れないとか色々あるよ」

「そうか」

「君はどんな能力を持ってるの?」

「俺の能力は【加速】だ」

「へぇー、中々いい能力だね」

「ああ、俺もそう思う」

「で、どうするの? 参加する?」


 正直言って、乗り気はしない。

 だが、ここで逃げてもいずれ殺されるだろう。だったら、戦って死ぬ方がいい。

 それに、どうせ故郷に戻ってもやることなんて何もないしな。


「……分かった。参加しよう」

「本当!? ありがとう!」

「ただし、条件がある」

「なに?」

「俺とお前ともう一人だけでやる。あと、俺が死んだときはお前も死ね」

「ええ!? 僕も殺すの!?」

「当たり前だ。俺はお前を信用していないからな」

「そんなぁ〜」

「ほら、さっさと行くぞ」


 こうして、俺たちの戦いが始まったのだった。




◇◆◇◆◇


  あれから、数時間経っただろうか。

 俺たちは、森の中を歩いていた。


「なぁ、まだ着かないのか?」

「もうすぐ着くと思うよ」

「本当か?」

「多分ね」

「おい」

「あはは〜、冗談だって」


 こいつ、信用できないな。

 まあ、今はこいつに頼るしかないんだが。


「あ、見えたよ」


 少年が指差した方を見ると、大きな城が見えた。

 あれが、今回の会場なのか。


「なあ、あれってお前が作ったのか?」

「違うよ。あれは元々あったやつだよ」

「そうなのか」

「さあ、行こう」


 俺たちは、城に向かって歩き出した。

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