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さがしもの

作者: 小池ともか
掲載日:2023/01/11

 

「『ミヨ』がいない?」


 ばたばたとかけこんできたさくらに、ぼくはそう聞いた。


「そうなの。ぜんぜんみあたらなくって」


 しんぱいそうなかおで、さくらが言う。


「どこにいっちゃったのかな」

「どこって…」


 さくらのへやはかくれるところがたくさんあるから、『ミヨ』はすぐいなくなってしまう。


「かたづけないとって、言われてるんじゃないの?」

「だって……」


 しょんぼりとうつむくさくら。

 いつものことだけど。しかたないなぁ。


「いいよ。いっしょにさがしてあげる」


 ぼくがそう言うってことは、さくらだってわかってたみたい。


「ありがとう!」


 うれしそうに、さくらがわらった。





 ぼくはさくらといっしょにへやに行った。

 さくらのへやはいつもとおなじ。いろんなものがおいてある。


「かたづけながらさがそっか」


 あかいもようのふくをたたんで。

 おさらもフォークもテーブルにおいて。


「また『ミヨ』だけ出してあそんでたの?」


『ミヨ』のはこだけふたがなかった。


「だって。『ミヨ』かわいいんだもん」

「ちゃんともどしてふたしないと」


 ふたのない『ミヨ』のはこを、ほかの子のはいったはこのとなりにおく。

 さくらは『ミヨ』のことをとくべつ気にいってるから、『ミヨ』だけべつのはこにいれてる。

 でもすぐにこうしてわすれてしまって、ぼくもさがすことになってしまう。


「ごめんね」

「いいよ」


 しょんぼりするさくらといっしょに、ぼくは『ミヨ』をさがした。





『ミヨ』がかくれていそうなものかげやすきまをさがす。

『ミヨ』はくろい毛をしてるから、くらいところにいるとわかりにくい。

 はいってたはこのふたはみつかったけど、『ミヨ』はいなかった。


「どこにいっちゃったのかな…」


 かなしそうにさくらが言った。


「もうみつからないのかな…」

「そんなことないよ」


 さくらをはげまして、ぼくはいっしょうけんめい『ミヨ』をさがす。

 さくらはしばらく下をむいてたけど、そのうちじぶんもさがしはじめた。





 そうしてさがしていたぼくは、ほんだなとかべのすきま、いちばんおくにくろいものをみつけた。


「さくら、あれ」


 ぼくのこえにのぞきこんださくらがうれしそうにわらう。


「みぃつけた」


 ほそいすきまに手をいれて、さくらが『ミヨ』をひっぱりだした。


「あんなところにいたんだね」

「みつかってよかった!」


 にっこりわらったさくらが『ミヨ』をぎゅっとする。


「もうどこかにいっちゃだめだからね…」


 それからだいじそうに『ミヨ』をはこにいれた。


「ありがとう」

「こんどから気をつけてよ?」


 ぼくがそう言うと、さくらはこくんとうなずいて。


「うん。もうだいじょうぶ」


 ぱたんとはこのふたをしめて、うれしそうにわらった。



 読んでいただいてありがとうございます。


 探しものは思わぬところから出てくるときがありますよね。


 この作品のひらがなを漢字に変換しただけの作品、『探しもの』https://ncode.syosetu.com/n3974ia/


 読後感が異なるかと思います。

 よろしければ御一読ください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 家の中で何かを失くしてなかなか出てこないと、本当に焦りますよね。 時間が経過するにつれて、「家の中だからなくなるはずはないのに…」とどんどん不安が募ってしまいます。 そうして家の中をアチコ…
[一言]  あるはずなのに、ない。  あるはずのところに、ない。  ほんとやっかいですが。  ほんとに、あるはずなら、みつかるはず。  あきらめずにさがしましょう(自分にも言ってます)
[良い点] ひらがなが多めなところが、語り手の幼さを感じさせていいですね。ミヨ、何故こんなところに……とも思いましたが、あとがきの「探しものは思わぬところから出てくるときがありますよね」という言葉で納…
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