表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

選別された者

作者: セロリア
掲載日:2016/11/16

老人男「はあ」 白い息がこぼれる。


ボロアパート。



ベランダ。




老人男「今日も皆様方が穏やかに健やかに暮らせますように」



静かに手を合わせ朝日にお辞儀。



老人は毎日このお祈りを続けているようだ。




朝ご飯を食べ、熱いお茶を飲み、着替える。



新聞配達、工事現場の旗振りをしているようだ。



朝6時にスクーターで出発。



工事現場に着くと、朝礼。



現場で立ち尽くす毎日。






何も。




何も良い事等無い人生。



一度も女と付き合わず、交わらず。



酒も飲まず。



タバコも吸わず。



ギャンブルもせず。



趣味も持たず。



親の借金を背負い。



友人の借金を背負い。



安い賃金で働き。



高い利息を払う。




文句も言わず。



楽しみながら。



風邪をひいても休まず。



元気に笑顔で挨拶。





配達仕事が終わり、旗振り現場へ。






17時過ぎ、旗振りが終わり、夕刊配達へ急ぐ。




21時、帰宅。




風呂に入り、夕飯を少し食べ、眠りに着く。





翌朝。




また朝日に向かい、お祈り。



自分の為に祈る事等おこがましいと。



毎日。



毎日。



毎日。



毎日。



皆の幸せの為に祈っていた。




そんな日々の中。








月曜日。




朝4時。




警察1「殺人容疑でお前を逮捕する」



老人「そ・・そんな・・何かの間違いです!」




警察2「あ~うんうん、話は署で聞くからね~」



警察3「無理無理、証拠あるから~はいはい、行こうね~」



警察4「うんうん暴れないでね~、大丈夫~?具合大丈夫?さ、行こうか~」



警察5「足元大丈夫~?、はい、気をつけてね~」



老人「・・」 



大人しく付いて行く。







近隣の幼い小学2年の少女が公園のトイレで遺体となって発見されたらしい。



目撃者が多数不審人物を見ていたらしい。




それが老人男だと言うのだ。





国選弁護士との面談。



老人「違います、私は違います!ここから出してください!」



弁護士「そうはおっしゃいますが、目撃者が多数いますしねえ・・」



老人「そんな・・その目撃者達が犯人ではないですか?」



弁護士「その線はないですねえ・・普通のおばちゃんやら、主婦の方々ですから」



老人「そんなあ・・本当に私ではありません!どうかもう一度捜査してください!」




弁護士「この件はもう捜査打ち切られました、まあ・・本当にやってないとしても・・もう手遅れですねえ・・運が悪かったとしか・・」



老人「そんな・・そん・・私が何かしたんでしょうか?う・・うううう・・うく・・」



嗚咽に泣く。




弁護士「お気の毒です・・あなたのような人は・・初めてではありませんが・・」




老人「他にも冤罪が?」




弁護士「ええ・・まあ・・しかし・・裁判長と、検事が全てを決めるので・・」




老人「そんな・・本当に私はー」




弁護士「落ち着いて、いいですか?今更どうこう出来ません、今すべきは出来るだけ罪を軽くする方向へ持っていく事です、良い受刑者を振る舞えば早めに出られるかもしれません・・では」



席を立つ弁護士。



老人「そんな!そんなあ!本当に私はやってないんだああ!!〈ガチャアン〉」



虚しくも、閉まる扉。




警察1「さ、立ちなさい」



老人「う・・うう・・私は本当に・・やってないんです」




警察2「さっさと立たんか!」




大声が響く。




老人「う・・ううう」



立ち、重く歩く。







裁判になり・・結果。




35年の刑が言い渡された。



遺族「死刑にしろおおお!!おお・・おおおおおお、死刑にいい・・い・・いい」




老人「・・」 




涙しか出てこない。







熊本刑務所。



独房。



老人「35年・・うう・・35年・・うう・・どうして・・」






翌朝。



癖で早く起きる。




朝日が独房内を照し・・眩しい。




正座をし・・祈ろうとー・・したが・・止まった。




老人「・・」




一瞬考えー・・・・・。





老人「・・」



お辞儀をし・・手を合わた。




老人「(皆さんが・・幸せに・・暮らせますように)」




太陽が一瞬強く光った気がした。




老人「!?」





また見るも・・普通の朝日だ。




老人「・・」



掃除。



朝食。




点呼。




仕事。




仕事中のいじめ。




幼児殺人者はいじめに合う。



刑務官達は見て見ぬふり。





翌朝。




また手を合わせ、・・お辞儀。



老人「(皆様が・・幸せに・・暮らせますように)」





またいじめ。






翌朝。





老人「(皆様が幸せに暮らせていますように)」




3ヶ月後。







深夜。





?「起きなさい」




老人「・・」




?「起きなさい」




老人「・・ん?・・はい・・何か?・・っひう!?」




そこには巫女衣を身に纏った美しい女性がいた。




頭には小さなかんざしと鏡と、葉っぱ。




老人「はうう・・うう・・あ・・ああ・・」




驚き何も言えない。




?「どうしてか聞いても良いですか?」




老人「は・・はい?」




?「何故貴方は・・そんな境遇にも関わらず、人々を恨まないのです?何故お祈りを続けるのです?」




老人「・・あの・・貴女は?」




?「答えなさい」




老人「ひ・・・・私の・・事と・・世間の皆様との事は・・無関係だと・・そう思うからです」




?「・・」




老人「・・」




?「では・・犯人を・・恨んでいますか?」




老人「な!?犯人を知って?」




?「答えなさい」



有無を言わさない雰囲気。





老人「・・恨みはします・・しますが・・私も、もう歳ですし・・これも運命だと思い・・諦めました」




?「全てを諦めてきた人生でしたか?」




老人「・・」




?「・・」







老人「・・そうですね・・思えば・・そうかもしれません」





?「死にたいと思ったことはありましたか?」






老人「・・何度も」




?「何故生きてこれたのですか?」




老人「・・生きてるというよりも・・生かされてる気が・・そんな気がしてたのです」




?「・・だからお祈りを?」




老人「はい・・今日も・・生をありがとうって・・世間様に」




?「・・貴方は・・強い方ですね」




老人「あの・・貴方は?」




?「この世はもう終わりに近いようです」




老人「・・はい?」




?「最後に・・賭け事を・・神の合間で交わされる事となりました」




老人「は、はあ・・え?・・って事は・・か、神様!?」




?「貴方に・・特別な力を授けましょう」




老人「力?」




?「全てを凌駕する力です、貴方は若返り・・力が溢れ、精気が溢れるでしょう」




老人「・・?」




?「全てを敬う貴方が・・敬まれる力を持ったとき・・どうなるのか・・それが賭けです」




老人「・・」




?「復讐に走るのも良いでしょう」




老人「・・」




?「全てを破壊するのも良いでしょう」




老人「・・」




?「貴方に・・行く末を委ねましょう」




老人「・・」




?「貴方みたいな人間が・・本当に少なくなったのが・・」



泣いている。




老人「・・」




?「悲しいのです」




老人「・・」




?「はあ・・では・・目を閉じなさい」




老人「え?・・あ、はい」




?「清め給へ・・身の御霊・・我・・天の神の名において命ず・・アラハタヤン、ハッタ、ミノミヤミヤハタハラハタ・・ウン!」



〈シュオオオオオオオオオオオオオオ〉





老人の体が・・若返っていく。




22歳の体になった。




青年「お・・おお」




?「さあ・・旅たちの刻です・・お行きなさい・・好きなようになさい・・人間のルールに縛られず・・自由になさい・・その結果・・どうなるのか・・貴方だからこそ・・見てみたいのです・・お行きなさい」



〈シュオオオ〉




消えてしまった。





青年「・・消えた?・・夢?・・」




立ち上がり、鏡を見る。




若返っていた。




青年「あ・・ああああ!?・・若返って・・何で!?おおう!?声も!?・・おお・・」




顔を何度もさする。




どうして良いか分からず・・暫く混乱していた。




また布団に横になる。





青年「眠く・・ならない・・」



活力が溢れ・・物凄い力が湧いてくる。




青年「・・」



起き上がる。



牢屋の鉄格子に手を置いてみる。



青年「・・何か・・曲げられそうな・・」




力を少し入れてみる。



〈ギギ〉



青年「おおう!?本当に?」



〈ギギイギギイイ〉 いとも簡単に曲がってしまった。




お菓子を割る程の力を入れていないのに。




青年「出られる!」



〈ギ!〉 



暖簾を上げるように、鈍い金属音と共に一気に広がった鉄格子。




青年「・・どうしよう・・まあ・・神様にお許しを頂いたんだ・・出よう!!」




勇み足で歩く。




看守1「何だ貴様あ!どうやって出たあ!?笛!笛!」



笛を吹き鳴らし、仲間を呼ぶ。



他の看守らが発見し、騒ぐ。




看守2「何だ!?」



看守3「お前どっから出た!?」



看守4「つうかお前誰だ?」



看守5「ここにこんな奴居たか?」



看守6「とにかく脱走だから・・懲罰だろ?」




青年「・・」




看守1と3が肩と頭を押さえにかかる。




が。




看守1「く!?」



看守2「こんの!?」




必死に押さえるが・・ビクともしない。




青年「(凄い・・全然・・何も感じない・・何もされてないみたいだ)」




構わず歩き出す。




他の看守らも負けじと押さえるが、6人掛りでも、難なく歩く。




看守1「どうなってんだ!?」



看守2「何だこいつの馬鹿力は?」



看守3「応援だあ!応援!」



看守4「警報鳴らせえ!!」



《ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ》




しびれを切らした看守1が声を張り上げる。




看守1「これ以上進んだら警棒か、電気棒を使用するぞおお!!止まれええ!!」



周りの看守らも腰の警棒を取り出した。



青年「・・」



構わず歩き続ける。




看守1「やれえ!!」




看守ら『うおおおお!』



看守らに電気棒、警棒を頭、胴、足、等叩かれているが・・平然と歩き続ける。




青年「・・無駄ですから・・危ないですよ?離れた方が・・」




看守1「ふざけんなああ!!お前らもっと叩け叩けええ!!」





さっきより遠慮なしに叩くが・・。




青年の歩みはよりしっかりしていき・・早くなっていく。




看守2「駄目だあ・・俺達に構わずに、催涙ガス投げろ!!早くうう!!」




看守7、8『行きます!!』




《カララン・・ボシュウウウウウウウウ》





青年「・・」 




普通に息が出来るようだ、さっさと歩く。




他の刑務官達が苦しんでいる中、一人・・普通に歩く。




20人余りに抑えられながら悠々と進み、門の前まで来た。



青年「ちょっと・・すいませんね」




自分を抑えてる看守らを少し引き剥がし、右手で門を押す。




《ググウ》




看守2「開くわけー」




《ミシ・・ミシミシ・・ピシ・・ビシシ・・》




コンクリートにヒビが入って行く。



看守2「んな!?馬鹿な!こんな事って・・」




コンクリートの門が・・たった一点だけの力だけで・・全体的に・・前斜めに押されていく。




《ミシ・・ビキキ・・ズゴゴゴ・・ゴゴゴ・・ビキビキ・・ボキ・・ビキボキ》




看守らも必死で電気棒で叩いたり、叫んだりしている。




連絡を受けた熊本南警察署から拳銃で武装した警官らが門の前に到着。




30台は来た。




青年「(凄い・・これなら)よ!」



少しだけ強めに押した。



《ズゴオオオオオオオオオオオン!!・・ガララ・・パラパラパラ・・》




門ごと前方に吹っ飛び、警官隊へ大きな門が突っ込んだ。





青年「あ!・・すいません・・大丈夫ですか!?すいません!」




車のヘッドライトや、刑務所のライト、看守らのライト、警官隊のライトが照す。



刑事1「威嚇撃てえええ!!」




《パンパパパン》 空に一発撃ち、また青年に構える。




刑事1「大人しく投降しろおお!!逃げられんぞおお!!」




青年「いえいえ・・あの・・神様から許可貰ったんですよ、だからー」




刑事1「つべこべ言わんと黙って膝を着いて、手は後ろだボケえええ!!はよせろやああ!!撃ったろかんめええ!!」




《ジャキキ》 構える警官隊。




青年の体から・・急いで離れる看守ら。




刑事1「はよ膝つかんかコラああああ!!」




青年「・・う~ん・・困ったなあ・・」




刑事1「困っとんのはワシらじゃぼけえええ!!いいからさっさと膝をつかんかあああ!!」




青年「・・嫌です」




刑事1「何だ!?・・何だとおお!!?」




青年「嫌です」




刑事1「て・・〈プルプル〉てんめええ・・舐めとったらあかんぞこらあ!!マジで撃つぞこらああ!!」




青年「どうぞ」




刑事1「は!?・・はあ!?」




青年「どうぞ」




前へ歩き出す。




刑事1「く・・止まれええ」




歩いてくる青年。




刑事1「くくうう・・止まれと言うとろうがあ!!」




近づいて来る。




刑事1「それ以上近づけば撃つ!!」




ますます。




刑事1「くう!!本当に撃つぞおお!!」




ますます。




刑事1「やむを得ん!ワシが撃つ!お前ら撃つなあ!」



構える。



刑事1「・・」



〈パアン!〉


威嚇射撃で、青年の足元を撃った。



ますます近づく。




刑事1「最期の警告じゃ・・止まれ!」




ますます近づく。




刑事1「仕方ない・・足を撃つ」



〈パアン!〉




青年の右足に当たった。



〈キュン!〉



弾かれた。




皆『・・?』




ますます近づく。




刑事1「く、糞?・・外したか?もう一回警告する、止まれ!」




近づく。




刑事1「もう一回!」


足を狙う。



〈パアン!〉



〈キュイン!〉



やはり弾いた。




刑事1「な!?何いいいいい!?」




ますます近づく。




刑事1「発砲を許可する!!お前らも撃てえええ!!」




警官隊『了解!!』



《パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン》



青年「・・」



《キュン、カン、キュイン、カン、キキキン、キュン、キン》




目に当たってー。



《キュン!》


弾いた。




性器に当たってー。



《キキキン》



弾いた。





普通に歩いてくる。





刑事1「いったい・・どうなってやがんだああ!?」




看守1「ば・・ばけもんだ・・」




看守2「ばけもんだあ・・」




看守3「信じられねえ・・」



看守4「これ・・俺達のせいにならねえよな?」




看守5「あんなばけもん・・止めれる訳ねえだろ」




看守6「すげえ・・跳ね返してるぜ・・まるで鋼だ」






警官隊『「だ・・だめだ」「こいつ・・全然効いてねえぞ?」「ばけもんがああ!」「早く仕留めろ!」』




撃ち続けるがー。




全く効いてない。




青年はもう・・刑事1の目の前に。




刑事1「く・・くおお・・」




刑事1の顔を見上げる青年。




刑事1「お前は・・何者なんだ?」



青年「う~ん・・任されました」




刑事1「何を?誰に?」



青年「う~ん・・天の神様って言ってました」




刑事1「はは・・神様に・・だと?ふざけるな!」



目に銃を突きつける。




青年「ふざけてません」




刑事1「何を頼まれたってんだ!?ああ!?」




青年「・・う~ん・・全てを・・だそうです」




刑事1「す・・全て?」




青年「はい・・全てだそうです、神様の間の賭け事で・・私が・・どうするか見たいんだそうです」




刑事1「神様?・・賭け事?」




青年「はい」



刑事1「ふふ・・」



無表情になり・・〈パアン!〉発泡。



〈キュイン!〉



何の反応もなく、微動だにせず、跳ね返し、見つめたままだ。



刑事1「く・・くうう」




青年「では・・行きます・・失礼します・・あ!ご飯なかなか美味しかったです!じゃあ、さよなら!」



走り出した。



警官隊「待てええ!!」



《パンパンパンパンパンパンパン》




刑事「・・神様・・だと?」 下を向き、うなだれて、青年を背中で見送る。



他の警官隊は撃ちまくるがー。



街の方へ行ってしまう。



次々パトカーで追跡していく。




刑事1「何故・・だ・・今更・・今更・・何で俺の前に・・うう・・うう」 膝を着き、泣き崩れた。





夜の街。



繁華街。



かなりのスピードで走っていたが・・人混みが多く、上手く走れない。




数十人の警官らがアーケード街で囲み、銃を構える。



青年「もう・・しつこいなあ」 立ち止まった。



あっという間に応援が取り囲む。



野次馬達も大勢見学。



刑事2「野次馬をどけさせろ!・・特殊部隊の要請したか?」



刑事3「はいしました!」



青年「もうしつこい!」 



腕、手を広げた。




《キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ》




警官隊、野次馬ら『「あああああ」「うおおおおおおお」「い、いあああああ」「くええええ」「いいいいい」』




皆倒れ、頭を押さえ、悶え苦しむ。




野次馬達も含め、皆気絶してしまった。








青年「あれ?・・おお・・こんなのも出来るのか・・思った通りの力が使えるのかな?」




氷、炎、風を操ってみた。



青年「おお!凄い凄い!思った事が起きる!凄い凄い!・・じゃあ・・もしかして・・空も?」



浮かぶ想像をする。




〈フワアアア〉



体が浮かんだ。




青年「おおお!?凄い凄い凄い!!飛んだ!浮かんだ!凄いいい!!ははははは!!」



暫く低空を楽しんだ後・・。




青年「空高く舞ってみよう!」



《ボギャン!》



一気にアーケードの屋根を突き破り、空高くへ。





《ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ》




満月が綺麗だ。




青年「いやっほおおおおお!!」









翌朝。




富士山山頂。



青年は裸足で雪の上にいた。



薄着の囚人服。



青年「はは・・全然寒くないや・・」




登る朝日。




膝を着き・・手を合わせる。



青年「・・有難うございます・・こんな力・・自分には勿体無いですが・・有難うございます・・大切に使います・・有難うございます・・皆様が・・幸せに健やかに・・暮らせますように」



平べったく3度お辞儀。







ニュースは大騒ぎになっていた。




日本だけでなく、海外も報道され、大きな社会現象にまでなろうとしていた。




マンションの住人が望遠カメラで録画していたのだ。



その映像がネットに出回り、もはや収拾するどころか加速していき、イエスの再臨、神の降臨、世界の終わりが来た、いや、新たな時代の幕開け等などが好き勝手に書き込まれ、報道された。





富士山山頂。




《ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ》




黙って座り、何も見えない吹雪の中。





青年「・・困ったな・・お腹も減らないし・・眠くもならないみたいだし・・疲れないみたいだし・・何をしたら良いんだろう?・・う~ん・・」




思い出す。




{?「さあ・・旅たちの刻です・・お行きなさい・・好きなようになさい・・人間のルールに縛られず・・自由になさい・・その結果・・どうなるのか・・貴方だからこそ・・見てみたいのです・・お行きなさい」}






青年「・・」






{?「貴方みたいな人間が・・本当に少なくなったのが・・」}




青年「・・」





{?悲しいのです」}





青年「・・じゃあ・・増やそうかな・・」





何も見えない吹雪の中。





{?悲しいのです」}





青年「増えたら・・嬉しいかな?」





《ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ》





青年「世界・・規模・・だよな・・やっぱり・・」




《ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ》






青年「・・」






{?悲しいのです」}






青年「うん!決めた!良~し・・まずは・・悪人を知ってそうな人達に会いに行こう!そうしよう!そして悪人さんらを説得しよう!よう~し・・やりますかあ!!」



気合を入れた。




《ボ!!》



富士山山頂の吹雪が一気に消えた。




快晴な空。




太陽が照りつける。





青年「見ててください!・・きっと・・賭けに勝たせてみせますから!」




《ーーーィィィィイイイイイイイイイイボウ!!》





飛び立った。










神様1「もう一回一人の人間に預けるのか?」




神様2「もう決定しただろう?」




神様3「その通り」




神様4「大御神様も酔狂な」




神様5「あの人間が気に入られたようだ」




神様6「果てさて・・どうなるかな」




神様7「どうせ力に溺れ、全てを破壊するに決まっておる」




神様8「私は破壊に賭けておりますぞ」




神様9「私も」




神様10「私もです」




神様11「私もです」





神様達『ははははははははは』







別場所。




金色の大御殿。




大御神様「天照や」




天照「はい、ここに」




大御神様「何故さっさと消さん?」




天照「あの人間が・・あまりにも・・愛おしく思えたからでございます」




大御神様「ふう・・同じだと思うがな・・今回も」




天照「私は・・あのような人間を久しく観ませんでした・・賭けてみたいのです、今しばらく・・どうか時間を」




大御神様「・・ふう・・うむ・・そこまで言うからには・・よほどの人間なのだろう・・よかろう・・しばし好きにせい」




天照「ありがとうございます」


















アメリカ。



ハンバーガー店。





青年「ウィキリークス?」




英語で喋れるようになっていた。



それどころか全ての国の言葉が解る。



?「あんだい兄ちゃん?知らねえの?」




青年「すいません」




?「秘密組織やら、陰謀やら、告発してるサイトさ!日本人だけだよ?多分知らねえのは」




青年「・・へえ・・何でこのサイトは潰されないんですか?」




?「そりゃあ、潰しても潰しても新しいサイト立ち上げてるからな!本人潰さねえと意味ないよ、ま!大使館にいるから逮捕できないって話らしいぜ?」




青年「へえ・・頑張ってらっしゃるんですね!」




?「おうよ!尊敬に値する人物だと俺は思うよ!」




青年「じゃあ・・この人に会えば・・世界の悪人がわかりますか?」




?「はははは、分かる分かる!宇宙人の事とかも全部分かるさ!まあ、会えないだろうがね!」





青年「へえ・・大使館の場所・・分かります?」






?「ロンドンのエクアドル大使館さ・・そんなの聞いてどうする?まさか本当に会いに行くってか?冗談だろ?」




青年「いいえ?冗談じゃありません」



〈フワア〉



青年が空中に浮いた。




?「お・・おい・・嘘だろ?何かの・・撮影とか?・・ドッキリ?」





青年「情報有難う、マイケルさん、じゃあ!お元気で!」




〈キイ、ビュオ!!〉



玄関がひとりでに開き、そこから飛びながら出て行った。




マイケル「・・おい・・おい!それカメラ!後でコピーしてくれよな!?な!?ひゃっほおおい!!俺が有名人だぜえ!!おおっと!髭剃らなくっちゃ!!」










ロンドン、エクアドル大使館。






FBI「世界的ハッカー集団のリーダーとして・・実行犯の一人が、あなたとの関係を認めました、これが令状です、今は逮捕出来ませんがね・・いつまでも閉じこもっていられませんよ」




アサンジ「私を嵌めようとしても無駄だ!逮捕出来るならやってみろ!私は活動をやめないからな!」




FBI「ふん」




《バリイイン!》



窓を突き破り、青年が突っ込んできた。




FBI1「何だああ?」



FBI2「何だあ!?」




青年「貴方がウィキリークス?」




FBI「動くなああ!!FBIだあ!!」




青年「うるさい」



手を向ける。




《キイイイイイイイイイイイイイ》




FBI達『うあああああああああああああ!?』




気絶。





アサンジ「何だ?・・何だコレは?・・君は?」




青年「貴方がウィキリークス?」




アサンジ「い、いや・・ウィキリークスってのは・・サイト名で・・私は・・アサンジだが・・」





青年「世界の悪人を懲らしめたいんだけど・・悪人が誰か分からないんだ、教えてください」





アサンジ「な・・何を言ってー〈ガ〉〈ビュオオオオオオオ〉



腕を掴み、空高く連れ出す。





アサンジ「うああああああああああ!!うあああああああああああああ!?助けてええ!」





青年「これで信じた?」




アサンジ「うあああああ、うわああああ、ううぇああああ!!」





青年「落ち着いて」



アサンジの頭に手を置いた。





アサンジ「うあああ!!う!?うう・・あ・・・あ・・・はい」





青年「ふう・・さ、何処か南のビーチで話そう!」




アサンジ「君は・・何者何だ?」





照す太陽。



眼下に小さな街並み。




青年は手を引き、振り返らず答える。




青年「選ばれた者・・らしいですよ!」
















ロンドン。



国際会議議事堂の地下。






エリザベス女王、夜の会。





幼児童愛好会。





有名人のクローンの幼児達をむさぼり、いたぶる会。





エリザベス女王「おほほほ、もっといい声をお出し?おひひひ」




?「あ”あ”あ”あ”ひぐうううう!」 ムチで叩かれ、ヒルを体中に這わせられ悶え、苦しむ子供達。





エリザベス女王「日本刀を新しく仕入れたのよ?前のは使いすぎちゃって切れなくなったからねえ、いひひひひ」




?「やめでえええ、やああああああ」





エリザベス女王「うおおおお〈ゾクゾクゾクウウ〉いいわああよおお、あなた、小さなペニスが更に縮こまってとってもキュートよお♡・・さあ・・〈スラアア〉いい声で鳴いてねええ♡」




?「いああああああ、いあああああああ、いああああああ、いあああああ、いあ、いあ、いああ、いああ」



《ガチャガチャガチャ》




手錠されている。





エリザベス女王「さあ・・まずはあ・・そうね・・耳からかしらあ」




〈シュピン、プシュウウ〉


血が吹き出る。


〈ボト〉


耳が落ちた。


?「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”いあ”あ”あ”ああ”あ”あ”」





エリザベス女王「ふひひひひひ、あああ、いいわあああいい声~♡」









〈ヒュオオオオオオオオオ〉



ほぼ満月。




上空。





青年「あれか・・よおし」








エリザベス女王「じゃあ・・次は~♡・・くりくりお目目かな?」





?「いあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあ”あ”あ”」




〈ガチャガチャガチャ〉





エリザベス女王「ほら、お早くお逃げ?ほらほら」




もう刺さるー。




?「あああ”あ”あ”あ”あ”あ”神様あ”あ”あ”」




一回離れる。



エリザベス女王「バカだねえ~、まだそんな事言ってんのかい?悪魔しかいないんだよ馬鹿だねこの子はあ・・さあ・・そんな馬鹿な子にはお仕置きかねえいひひひ」




もう一回、今度は力を入れて、一気にー。





《ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!・・カラカラ・・パラパラ》





青年「おおう?」





辺りを見渡す。





地獄の光景とはまさに。





こういう光景を言うのだろう。




各国の首脳達がこぞって。




皆が幼児を犯し、いじめ、いたぶり、傷つけ、殺している。




悲鳴や、汚鳴、吐瀉物、排泄物が撒き散らされ、酷い匂いだ。





青年「・・これは・・酷い」




{?「悲しいのです」}







エリザベス女王「なんだい?あんたはあ!!神聖な儀式の最中にー」





護衛達が銃を構える。





青年「・・」




周りを観察。




子供達が・・見ている。




救いを見ている。





涙で晴れ上がった、目で・・見ている。





青年「・・これは・・なんて事だ・・こんな事をどうして・・どうして出来るんだ?」





エリザベス女王「殺して、ひひ、早く!」




青年「〈ギロ〉・・お前か・・エリザベスってのは?」




エリザベス女王「ひひ!早く、早くおし!」




護衛達『はは!』




《パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン》



《キキン、キュン、キュイン、キュン、カンキキキン》



青年「・・」





子供「・・痛くないの?」





青年「痛いよ・・ごめんな?・・今まで・・ごめんな?・・もう大丈夫だから・・ごめんな?」





子供「ううん・・いいの・・ありがとう」





青年「許さない・・お前ら・・神様は・・自由にしろって言った・・時間がないとも・・俺は・・お前らに時間をかける程暇じゃない!」





護衛「エリザベス様!お早く!こちらです!」




隠し通路から離れる首脳陣。




青年の周りの30人を超える屈強な男達がー。







青年「消えろ!」



手を振っただけで、《パアアン!!》 弾け飛んだ。





《ボチャボチャ、ビチャン、チャチャ》 




辺りに散らばる肉片。




青年「神様は・・居るから・・だから・・いい子でな」





子供「・・」




青年「・・」〈バ〉




逃げた奴らを追いかける。







護衛「お早く!!」




沢山のジェット機が待機。




エリザベス女王「なんだいあれは?せっかくの儀式がパアじゃないか!」




席に着く。




護衛「分かりません、早くここから離れませんと!」





《イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ》





動き出す各国のジェット機達。




《ボボオオオオン!》 地面が割れ、青年が飛び出してきた。




青年「逃がさない!今この場にいるってことは・・お前ら全員あの・・あのお!!」





凄惨極まる現場がフラッシュバック。




青年「あの現場の犯人だろおがあああああ!!」




《ド!イイイイイイ・・ドゴガアアアアアア!!ウウウウウウウウン》



ジェット機を蹴り飛ばし、もう一機にぶつけた。



《ブワアア・・ビュウウンドゴガアアアアアアアン・・ボボオオオオオオオオオン!!》



ジェット機の尻尾を掴み、振り回し、もう一機にぶつける。




エリザベス女王「いひひひいいいいい、なんだい!?なんなんだいあれはああ!!?」




青年「あああ!!めっどくっさい!!一気に破壊してやる!!」




ジェット機達がー。





《ピタアアーーーーーーーーーーーーーーーーー》




止まった。






まるで時が止まったかのようだがー。





エリザベス女王「何だい?どうしたんだい?何故動かない?」




護衛「知りませんよ!」




エリザベス女王「なんだい!?あたしに逆らおうってのかい?」




護衛「そんなんじゃー・・あ?」




《ググウウウウウウン・・ビュゴウ!!》





45機のジェット機達が・・サイコキネシスにより、物凄い速さで空高く舞い上げられていく。




《ビビビビビビビビビビビビ》



皆『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”』





青年「絶対に許さない・・お前らは人間じゃない!悪魔だあ!」





《ピタアアアーーーーーーーーーー》




空高くで止まった。






エリザベス女王「止まったわ!今よ!」 外に出ようとー。




エリザベス女王「い・・ひひひ・・ひひあ・・」 大気圏、青い地球。




《ググウウウウウウウウウウウ・・ビュゴ!!》




皆『うあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」



《ビビビビビビビビビビビビビ》



青年「上昇より、早くしてやる!!」




エリザベス女王「熱い熱いいいいいい!!焼けるううう!!焼けちゃううううう!!」




青年「ゴミ悪魔は燃え尽きろおおお!!」




各国で流星群の火球が観測された。






日本でも。




子供「ねえねえママあ・・あれ見てえ」



母親「あらあ何かしら?隕石?」




子供「綺麗だね~」




母親「そうね~・・なにかしらね~」




子供「お腹の妹も見てる?」




母親「ええ、ふふ、見てるわよ~、今動いたもん」




子供「早く生まれてこないかなあ」




母親「お姉ちゃんがいい子にしてたら早く生まれるって!」




子供「本当~?」




母親「ええ!本当よ」




子供「わたし、お願い事する~」




母親「じゃあ、一緒にしようか」




子供「どうか早く生まれますように」




母親「(どうか・・子供たちが暮らしやすい世の中になりますように)」











ほぼ満月の夜。





空高く、数々の火球が流れていく。





時代の。





時代が。









時代が流れていく。












変わり目はいつでも突然だ。








何故人の暮らしでさえ、突然に変わるのに。









人類の行く末が、ゆっくりだと思うのだろう。







明日が審判だとしたら・・あなたは今から善行を行っても間に合うのだろうか。











Fine。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ