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猛虎が牙を剥くは、紅き女王。

やっと更新出来た…。


次は早めに更新したいと思います…。

 ん、視線を感じるわね…。しかも、僅かにだけれど殺気もある。

 正直言うと、非常に面倒くさいと思ってしまう。本来であればただの転校生として普通の学園生活で終わりたいと考えてもいた私たちだけれど…。


「まぁ、周りが許すはずないか…。」


 良くも悪くも、と言うかかなり良くない方向に目立っていると感じている。

 しかもこの時期に見た目もアレだしね…。


「なんか言ったッスか?」


「何でもないわ。それよりも、分かっているかしら?」


「えぇーっと、尾けられてる事っすか?」


「えぇ。僅かにだけれど、殺気も感じたのよね。」


「ま、マジっすか…。命知らずっすね…。」


「それと、いい加減そのロール辞めたらどうかしら?」


「はいはい、仰せのままに…。」


 全く、この娘は…。こうして話していくと、この娘も苦労している事が会話の端々から知る事ができるのだが、あえて触れないでおこう。

 だって、その方が面白いでしょ?。


「つくづく性格が悪いのかしらね、私は。」


 今更ながら、自分の事を振り返る。うん、そうね、こうしてみるとあまり褒められた性格ではないわね…。


 スハラを見ると、何とも間抜けな面でこちらを見ていた。


「そのどうしようもなく見っともない顔をどうにかなさいな。」


「い、いやいやいや!、そうさせてるの貴女ですから!?」


 それと、話は変わるがいい加減にこの殺気を飛ばしてくる阿呆に嫌気がさしてきたのだけれどね…。


「スハラ、一旦外に出るわよ。」


「ふぇっ?何でですか?」


「決まっているでしょう、いい加減ボコる。」


「え"っ!?わ、私をですか!?」


「あら、お前は私の機嫌を損ねる様なバカな真似をしたの?」


 ブンブンと首を横に振るスハラ。


「あの玩具は少しは楽しませてくれるのかしら?。」


 自然と笑みが出てしまう。今だにこの体で全力を出していないので、どの程度やれるのかが分からないのだ。


「ユウリが居たらいい実験になるのだけれどね…。」


 ユウリに苦渋を舐めさせられた事を未だに根に持っているのは仕方ないと思いたい。

 イヴですらユウリは化け物に映るほど、恐ろしく強かった。リーンが会ったと言う黒服に仮面をしたヤツもフォルネウスやその魔物を瞬殺したと聞いたが、どちらにしろこの二人は超えるべき壁に過ぎないのだから…。


「油断はしない。どんな相手でも全力を出す。」


 その一言にスハラの顔色が青褪める。そんな事も気にせずイヴは歩を進め、外へと向かう。

 コメディの様にコミカルなスハラがすぐ後ろからついて来るその更に後ろに意識をやると、殺気を飛ばして来た輩がしっかりと後をつけていた。


 どう言うつもりか分からないけれど、喧嘩を売られているみたいなのよね…。

 本音を言えば、早くリーン達と家に帰りたいのだけれど…。


「よくよく考えれば、後ろの奴のせいで帰れない訳よね…。」


 そう思うとイラッとした。

 しかも何故にこんな輩の為に私がここまで気を配らねばならないのかが分からない。


「とっとと終わらせてしまいたいわね…。」


 さて、グラウンドのど真ん中まで来ればいい加減良いわよね…。

 立ち止まるのスハラが私にぶつかり尻餅をつく。


「急に止まんないで下さい。」


 チラリと横目で見て大事が無いか確認する。まぁ、あの程度で怪我したらどんだけひ弱なのよと思わないでも無い。


「邪魔になら無い様に何処かに隠れていなさいな。それと、さっさと出て来てくれないかしら?。いい加減帰りたいのよねぇ?」


 少し嫌味を含みながら言ってやる。


「へぇ、ちょくちょく殺気を飛ばしていたんだけど、それが分かるくらいには出来るのか。」


「じゃあ、久々に楽しめそうかな?」


「ふん、どうだろうな。所詮は女だ…。」


 ぞろぞろと出てきた。正直、殺気を飛ばしていたヤツくらいしか分からなかった…。他が弱すぎて…。

 特に鼻で笑ったヤツなんか、そこら辺の石ころと変わらないくらいの様な気がする…。


「一人一人相手にするのも面倒だわ。全員でさっさとかかって来なさい。」


 本音なのだけれど、向こうは挑発ととったみたいね。

 まぁ、私としてはさっさと終わると有難い。そうすれば、早く帰れるのだから。


「ふざけやがって!」


「いくぞ!」


「「応よ!!」」


 四方八方から襲いかかってくる。端からみると、一対複数で女子生徒に襲いかかっているゲス野郎達と言えなくも無い。


 中には女子生徒も参加しているのだけれど、虎の威を借るなんとやらね…。


『傅きなさい』


 その一言で大半が地べたを這いずる。今この場で動ける者は数人しかおらず、大半が汗をかき、膝を震わせる者が大半だった。


「まぁ、この数居れば良い方よね。それで?誰が愚かにも向かってくるのかしら?」


 そう言ってイヴは大人気なく、戦闘態勢に移るのであった。

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