邂逅02
「イヴ、か。リーンはどうしたのだ?」
「いるわ、ここに」
そう言いながら、紅髪の少女は自分の胸に手を当てながら答えた。
「そんなことよりも、クレメリア。あなた、リーンをこき使い過ぎなんじゃない?それと自分で撒いた種なら自分で何とかするのが大人でしょうが?」
「うぐっ!?それは・・・。」
冷たい視線がクレメリアへと向けられる。炎の様な紅い髪とアクアマリンの様な淡いブルーの瞳が周りの人間をも惹きつける。リーンとは違ったタイプだが、彼女も男女問わずその魅力で釘付けにしていた。それは同じ女性のクレメリアも例外ではない、彼女の場合は冷たい視線のおまけ付きだが・・・。
「ほら、何か言う事があるんじゃないの?」
「ご、ごめんなさい」
「謝るのは私に対してじゃないでしょう?後であの子にちゃんと謝っておきなさいな。」
「は、はい。あと・・・、その」
「何かしら?」
クレメリアが言葉に詰まりつつも、何か言おうとしているのをニヤニヤと笑っているイヴだった。
「あり、がとう・・・。」
「えっ?何ですって?」
「ありがとうと言ったんだ!」
「ふふ、どう致しまして。」
そう言い放つと、髪の色が艶のある黒へと戻っていく。それに伴い、瞳の色も同様だ。
「時間ね。じゃあ、また機会があったら遊んであげるわ」
そう言い残し完全に黒髪に戻っていた。ふわりと柑橘系の香りをほのかに振りまきながら前へと倒れこみそうになる所をクレメリアがしっかりと受け止めていたのだった。
◇◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇
「えっと、ボク一体どうなったの?。」
『とりあえず、今は気を失っているところよ』
えっと、そもそも貴女はどちら様なのでしょうか・・・って言うか、こっちの思ってることダダ漏れ!?。
『それは仕方がないでしょう?今の私は貴女と一つなのよ?』
「それについては、ボクは錬金術師であって戦闘職じゃないし。」
そう言ってボクは唇を少し尖らせて拗ねる。
『それにしても、よ。護身術程度は学んだのでしょう?』
ブリザードもかくや、物凄いジト目でボクを見つめてくる。
それはそれ、所詮は護身術だよ?戦士じゃないよ?戦闘に関して過度な期待は御法度だよ!?。
『まぁ、いいわ。錬金術の素材集めは大変になるわね。』
「えっ?どうして??。」
『それはそうでしょう?。獣や魔物が相手では護身術程度ではあっても意味はないわ。護衛を雇うか、私が表に出るかどちらかね。後者の場合なら、少し大変ね。』
「ん??大変って、どうして?。」
何故大変なのかイマイチ分からない。
『あのねぇ、戻る度に倒れていたんじゃ気を失ってる時にヤられるわ』
うん、言われて気づいた。今も現在進行形でぶっ倒れてます。
『その危険を無くすためには、変わる事に慣れないといけないわ。』
それにしても、この状況一体どゆこと?。考えても分かるはずはないので速攻でこの案件を放棄する。
だって、本当に分からないし対処のしようがないもの。それならいっそこの状況を利用する手はない。素材さえ有れば、彼女の、イヴの身体をホムンクルスとして作ることも出来るし。たぶん。
『当面は、どうするの?』
「戦士さんを雇うにしても信用出来ないもの、戦闘は貴女に任せたいわ。」
『そう、なら先ずは目を覚まして徐々に表と裏に変わる回数を増やして身体を慣らしていきましょう?。』
「えぇ、それにしても綺麗な紅い髪ね!瞳もアクアマリンみたいに淡くてキレイ!。」
『それを言うなら貴女も、私には及ばないにしてもなかなかよ?』
ふふっと、二人して笑い始める。自画自賛、中々の自信家だ。まぁ自信満々に言えるほど綺麗であるのだけれど。正直、あんな綺麗な紅い髪はボクには似合わないかな〜って思ってます。
「そう言えば、あの冒険者の人どうなったの?」
ボクが首を傾けながら口に手を当てて口にした瞬間、イヴの目が先程とは比べ物にならないくらい冷たいものになった。
『さぁね、愚かにもこの私に敵対したのよ?本来なら万死に値するわ・・・。』
コワイコワイ、完全に目が据わってます・・・。
『さて、そろそろ起きなくていいの?。あの馬鹿が心配してるみたいよ?』
そうでした、そうでした。絶賛気絶中だったんでした!。
「じゃあ、起きるね」
『えぇ、いってらっしゃい』
そう応えるイヴの顔が少し暗く感じたのは気のせい?。
「どうにかする!絶対!何とかするから!」
安心させる様に口にする。なんとかしたい、こんなとこに一人にしちゃいけないよね!。
『そう?ならこの私に相応しい身体を作ることね』
そんな問答のあと、ようやくボクは目を覚ましたのだった。
すいません、投稿遅くなりました。
それはそうと、スマホのゲームのあのガチャってどうにかなりませんかね〜。
某引っぱりアクションゲームで3日間無料でガチャ引けたんですけど結果は御察しです・・・。
それはさておき、ロマサガ2のリメイクをちょこちょこやってまして。ノエルさんを移動湖で撃破するとかスーファミ時代でやらなかった事やりましてワイワイと家族で盛り上がる等気分転換とかしてました。
ブレフロもぼちぼち再開してますし、読んで書いてゲームして仕事してって・・・。
『だから投稿が遅いのよ、分かってるの?』
あわわ、何だろう、皆さんホント、すいません!!