忍べない忍び、女帝に速攻バレる。
今年中に完結無理っぽいです。
先月忙しすぎてヤバかったです。
繁忙期って、何処の業界も辛いですね…。
地味に更新していきますよ。
いきますよ!
私の名前はスハラ・クシャベル。表向きは学園新聞記者をしている。
ではその他は?と思ったそこの君、好奇心は猫をも殺すよ。
と、かっこいいことを言ってみたもののその実私は只の諜報員でしかない。それも末端だ。定時連絡に遅れれば何をされるか分かったものじゃない。
どうやら近日に転校生と新任の教師が来るらしい。これはリサーチしておかねばならない。この国は諜報員に緩いのか泳がされているだけなのか分からない時がある。
それはそれで動き易くはあるのだけれど…。
今は気にしてもしょうがない事ね。
違う違う、そんな事はどうでもいいのです。
謎の新任教師と転校生です。このタイミングで来ると言うのは、私が言うのも何なんですけれど怪しすぎるわ。
さてさて、我が国に利益をもたらせる存在ならば利用する価値があるんですけれどね…。
見誤った。
私が思った事はソレだった。
アレは人の物差しで測れるものではない!。
私の尾行が一瞬でバレたのも予想外だったけれど、問答無用で腹を抉るような重い拳を叩き込まれ息ができなくなる。
更にはあの底冷えするような冷たい視線だ。
見た目は幼女なのに、その実化け物なんて聞いてないわ。これは撤退案件よ!。そう心の中で悪態をつきながらも表には出さない様に努める。
出した瞬間に私はこの世にいない事は確実だろう。いや、冗談じゃなくてね?。
女性のお腹をボコるとかあり得ないですから!
流石に子供産めない体にはなりたくないから!。
そうしている間にも、ズルズルと小さな女帝に引き摺られていく私でした…。
何だろう、この惨めな感じは…。
「さて、回想は終ったかしら?」
「っ!?」
「お前は比較的顔に出やすいタイプなのだから、諜報員には向かないわね。」
「ま、またまた、そんな事ないっすよ〜」
「ほら、少し筋肉が強張った。表情なんかガチガチね。分かるわけないって顔しているわ。」
「な、なにを…」
「でもさっきも言った通り、お前は存外分かりやすい。それで、お前は何処の国の諜報員?」
「な、何のこと?」
「ふーん、素がでているわよ。」
「んくっ…。」
ダメだ、相手に乗せられてしまう。冷静に、対応しなければ、リステリオン王国に…。
「そう、リステリオン王国というの。」
「ヒッ!?」
「怯える必要はないわよ。お前たちが敵対しない限り、私からは何もしないわ。」
信用、出来ないから悩んでるんじゃない!。
全く、なんなのよこの小さい女帝は…。
「あの変な喋り方はしないのね。」
「あ、アレはロールで!?」
「まぁ知っていたけど。」
「んなっ!?」
おちょくられたー!。
「なんなんですか!?」
「お前たち、私たちを嗅ぎ回っていたでしょう?。その仕返しとでも思ってくれていいわ。」
「それで、あなた達の目的は何なんですか?」
「端的に言えば、私の家族が依頼でここに来た、と言うだけね。私はその付き添いよ。」
家族の依頼って、冗談でしょう?。この学園に派遣されてくる程の教師ってどんだけなのよ。っていうか、この学園自体が帝国が総力を挙げて運営している学園なのよ!。そんな所からって、最悪帝国からの依頼で来ている可能性があるって事じゃない…。
考えるだけで頭が痛くなる。もしも、彼女たちの家族とやらが本当に帝国から依頼を受けて来ていたとしたら、彼女たちに手を出すという事は帝国を敵に回すという事である。
『どうか上司よ、有能であってくれと願うわ。』
「さて、そうであれば良し。そうでなければ国が消し飛ぶだけよ。」
「あの、さっきから思っていたんですが、どうして貴女様は私の思っていることが分かるんでしょうか?」
「さてね、それを知ったところで何か変わるのかしら?」
言われてみればそうだ。そんな事を知ったところで何かが変わるわけでも無い。目の前の女帝は圧倒的で到底太刀打ち出来るわけもない。
「確かに変わりませんね…。」
「ならば気にするだけ無駄というものでしょう?」
ならば結論は、『長い物には巻かれろ』の精神でこの人に仕えるが吉だろうと考える。
売国奴?、冗談じゃない。そもそも10代半ばで死にたくはない、というのが私よ。そもそも、人並みの幸せを望むならこの学園で好きな人でも作って寿退社がしたい程だし。
「まぁ、程々に頑張りなさいな。良い恋ができると良いわね。」
「は、はい?」
女帝から思ってもみない言葉が飛び出し、一瞬思考が止まる。まさか自分の恋を応援されるとは思ってもみなかったからだ。
「その間抜けズラを早く直しなさい、見っともないわ。」
「い、いやいや、そんな風にしたの女帝さんッス!」
ギロリとひと睨み、その目力マジパネェっす。
「ふぅ、さっさと行くわよ。」
ぶっきら棒に言いながらも、同伴する事を認めてくれた女帝さんであった。
あとがきはお休みです。