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見せてもらいましょう、貴女の錬金術の技量とやらを。

更新です。


少し間隔が空きましたが…。


ではでは、読んで頂ければ幸いですにゃ。

 教室前でシャミア先生が止まり、こちらを振り返ります。


「ここが担当クラスになります。リーン先生は副担任という形になりますね。それと、イヴさんたちもこのクラスに編入されますので。」


「それはそれで問題が起きそうな気がしますけど…。」


 ボクは不安しかありませんよ…。心の中で任期満了まで何も起こらないことを祈りつつ、シャミア先生は教室のドアを開けます。


 ガラガラと音を立てて開いた扉の奥は、大学の様な横長の机が段に並ぶ教室でした。

 教室の中の生徒達の視線が一斉にこちらを向きます。その視線にシャミア先生は身体をビクリと一瞬震わせました。


(怯えてる?)


 それでもシャミア先生は教室の中に入り、ボクたちを生徒に紹介する為黒板の前まで行きました。


「えぇと、今日から、新しい先生が副担任として、つきます。入ってきてください。」


「はい。」


 呼ばれたので、ボクは教室の中に入ります。

 値踏みするかの様な視線がそこかしこから送られて来ます。正直に言って気分の良いものではありません


「初めまして。今日から錬金術の講師として来ました、リーン・ファンテです。まずはその不快な視線を止めましょうか。」


 居心地が悪い上にイヴが廊下から生徒たちを睨みつけてますしね。


「え、えっと、リーン先生?」


「シャミア先生、この生徒たちは目上の人に対する教育が出来ていないんですか?。これでは帝国の貴族の質が低いと言われても仕方ありませんよ?。」


 ボクの言葉に教室の空気が凍ります。シャミア先生も固まっていますし、中には怒りを露わにする生徒もいます。


「お言葉ですがねぇ、僕たちより劣る教師がいけないんじゃあないですかぁ?」


「ふぅん、それでも歳上の方を見下すのは人として最低だとボクは言っているんだよ?。それに、ボクが君たち程度に劣ると?」


 廊下でイヴがニヤリとしています。普段のボクならこんな事言いませんしね。


「コイツ!」


「コイツ?。ボクはこれでも教師だからキミにコイツなんて言われる筋合いは無いんだけどね…。」


 イヴやライゼルカを叱るときの様に言ったら、男子生徒がゾクリと身体を震わせました。

 まぁ、シャミア先生はへたり込んでましたけど。


「まぁ、ボクが教えるのは錬金術だから戦闘になったら君たち以下だろうけどね。」


「な、なんだよ、ビビらせやがって!」


 そう言って男子生徒が殺気をボクに飛ばした瞬間男子生徒はイヴに首を掴まれていました。


「あ!ぐ、があぁ!」


「お前、なかなか面白い事をするじゃない。」


 イヴは髪を紅く変えて、魔力の余波で紅髪が靡きます。


「ぐ!、はなし、やがれぇ!!」


「……離して下さい、でしょう?」


 あ、これはダメですね。所謂クィーン状態になってます。コレはボクでも止められないかな〜。


「ぐぅ、は、離して、下さい…。」


「…、つまらない。本当につまらないわ。いざ追い詰められるとこの程度で根を上げるなんてね。」


「イヴ、その辺にしとかないと怒らなきゃいけなくなるよ?」


 ボクのその一言で何故かライゼルカまでもビクリとしています。なんか失敬ですよね!。


「う、運が良かったわね。」


 そう言いつつ放り投げるイヴ。


「それよりも、ですわ。リーン先生は錬金術の講師なんでしょう?。何を教えてくださるんですの?」


「何って、キミたち一年生だよね?。基礎からに決まってるよ?」


「「「はい!?。」」」


 ボクの返答が嫌だったのか、文句を口にする生徒たち。


「お、お言葉ですが、わたくしたちはこれでも帝国内随一と自負しておりますが?」


「いや、だって、錬金術が何かも分かってないよね?」


 その言葉に生徒はフリーズして暫しの沈黙が流れたあと、一人の生徒が笑い出しました。


「いやいや、錬金術って、ものつくり変えるだけだろ?」


 その言葉に、うんうんと頷く他の生徒たち。


「うーん、そっかそっか。錬金術をそれだけだと思ってるわけだ。それは、錬金術を馬鹿にしているのかな?」


「は?。」


「錬金術ってさ、君たち程度がどんなに時間を費やしても極める事は出来ないよ。そもそも時間が足りないし。」


 まぁ、ボクはちょっとズルいというかなんと言うか…。狭間でみっちり勉強したし、実験したし…。


「そこまで言うのでしたら。見せてもらいましょう、貴女の錬金術の技量とやらを。」


 この娘、誰かに似てる気がするけれど…。なんか最近見た気が…。


「このわたくし、マレフィア・ソルファーダが見極めて差し上げますわ!」


「あぁ!そっか!。誰かに似てると思ったらリュークさんに似てるんだ!」


「リーン、気付くの遅いわよ…。」


「ちょっ!なんでお兄様の事知ってるのよ!」


 なんでって言われてもその人にボク呼ばれたんだよね。まぁ、言わないけれどね、面倒だし。


「なんで知ってるかはキミには関係ないよ。例えキミが帝国の王族だろうと、ね。あと、キミを特別扱いする気もないしね。」


「ぬなっ!?」


 それにしても、今までは本当に特別扱いされてたんだね、この反応を見るに…。


「さてと、特別扱いされたい人は放って置いて…。錬金術についてみんなはどれだけ知ってる?」


 ごめんね、本当に放置するからねマレフィアさん…だっけ。でもね、今の扱いじゃキミは駄目だと思うんだ。

 それに、リュークさんからも言われてるしね。


 そんなガチ放置に生徒のみんなは若干引きつつ、生徒の錬金術に対しての認識を確認するのでした。

ユ「ふむふむ、リーンちゃん今回は過激だったねぇ」

リ「ユウリさん、ニヤニヤし過ぎです!」

ユ「えぇ〜?そうかなぁ〜?」

イ「ぶち殺されたい?」

ユ「ちょっ!い、イヴちゃん?それ、シャレになってないから!」

ハ「あ、ユウリさんが瀕死だww」

ソ「大丈夫ですか?」

ダ「やりすぎはいかんよ〜」

ユ「そう思うんだったら、だ、だずげでぇ〜」


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