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帝都立・ロンバルディア総合学園 その1

更新です。

読んで下さる方、ブックマークして下さる方、ありがとうございます!


今回も短めですがすいません。


次回はいつもくらいになると良いなぁって思ってます。

 帝国が誇る名門学園、ガルバレンシア総合学園の生徒であり王族でもあるわたくしこと、マレフィア・ソルファーダも通っています。


 なんでも新しい講師を学園が雇うらしいですが、恐らくこの間退職された錬金術の講師のドンカツ先生の代わりでしょう。


 優秀な講師である事を祈りますわ。

 ドンカツ先生は知識、実力共にわたくし以下でしたもの。他の方は良いかもしれませんが、わたくしは得るものが何も無いんですもの。


 なので、わたくしが少し専門の知識を聞いただけで辞めていかれましたわ。


「ですが、次の講師の方はお兄様が連れてこられた方と聞きましたし…。油断出来ないかもしれませんわ。」


 担任になられる方かもしれませんからね…。

 それに、お兄様にも怒られたくは無いですし。


「マレフィアさん、おはよう。」


「おはようございます、ニコラスさん。」


 危なかったですわ、一瞬この方どちらの方でしたっけ?って思ってしまいましたわ。

 存在感が薄すぎますわ、この方は。それにしても、地味な方ですわね。


「マレフィアさん、朝早いんですね。」


「え、えぇ、まぁ。ニコラスさんこそ、お早いんですのね?。」


「あはは、僕は花壇の花の世話があるから…。」


 はぁ、何というか、暗い方ですわね…。

 正直あまり関わり合いたく無い部類の方ですわ。


「そういえば、今日から新しい先生が来るんだよね?。」


「えぇ、そう聞いていますわ。」


「どんな人なんだろう、優しい人なら良いなぁ。」


 わたくしは優秀な方なら何でも良いですわ…。


「マレフィアさんはどう思う?」


「わたくしとしては、優秀な方である事を祈りますわ。」


「あはは、相変わらずブレないね、マレフィアさんは。」


 そうそう人は変わりませんわよ。それにしてもこの方は何故朝早いのでしょうか?。


「僕はね」


「えっ?」


「僕の朝が早い理由、気になるんでしょ?」


「えぇ、まぁ。そうですわね。」


「僕は、みんなに比べてまだまだ未熟なんだ。」


「はぁ?」


「学科や技術、その全てにおいてみんなより遅れてる。だから、それを補う為に早く来て勉強するんだ。その他にも、花壇の世話や生き物の世話があるからね。」


 何という真面目、確かに彼はクラスであまり成績の良い生徒ではありませんけれど彼より酷い者もまだ居ますしね。


「あの花壇、あなたが世話していましたの?」


「うん、そうだよ。いつも綺麗に咲いてくれて良かったよ。」


「それにしても、脱線しちゃったね。」


「何がですの?」


「新しい先生の話だよ。錬金術の授業の先生なんでしょ?」


「そうみたいですわ。前任の方がいまいちな方でしたから今度こそは!と思いますわ。」


「あはは、マレフィアさんが優秀過ぎるんだよ。」


 そう、優秀すぎると自分でも思ってしまうほどに出来てしまう。それは、不自然な位にだ。


 そんな彼女でも勝てない人がいるのだ。

 彼女の兄である、リューク・ソルファーダ。


 兄はおかしいのですわ。全ての成績をS+評価なんて、異常の一言ですわ。


 リュークは所謂チートキャラ並みの人間だ。それもとびきりの。

 剣術、魔術、体術、錬金術、槍術などあらゆる分野を全てS+で収めていた。


 それを越えるためにも、どの講師も優秀な方でなければなりませんわ。


 最大の目標にして、最大の難関である兄の偉業。

 彼女は、それだけに固執していた。


「まだまだ、ですわ。」


「S評価でまだまだって、僕は全然だね。」


 と、いいながらもニコラスさんは特化型ですわ。一部の分野ではS+評価を得ていますし…。


「そうは言いますが、ニコラスさんは魔術特化ではないですか。」


「座学がまだまだだよ。実技だけ貰っても、それでは足りないさ。」


 優秀、その一言しか出てこない。彼はその姿勢が凄い。思わずマレフィアも脱帽するくらいだ。


 だから気が抜けませんわ!。


 ロンバルディア学園は帝国の優秀な生徒が集まるところで有名だ。座学などがどの様な成績であっても、それは変わらない。そもそも感覚で魔法を使う者に対して当てはまらないからだ。

 故に、物差しは一つではない。


 だから自分を高めるのに最適な場所なんですわ!。


 そしてその日、この学園の生徒は出会う。


 錬金術の最高峰、人工生命体をその場で創り、また賢者の石を片手間に創る講師。


 名はリーン・ファンテ。そして彼女も出会う。

 錬金術が好きだが成績が圧倒的なダメな子に。


 色々な人が期待と不安を胸に、学園生活が始まろうとしていた。

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