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拉致られて、王宮内。

更新です!

遅くなってすいません。


読んでくだされば幸いです。

 アレフナーガさんにあれよあれよと言う間に、拉致されて場内に連れ込まれました。それから何処かの一室に放り込まれ、侍女さんたちが手早くメイクをしています。


 その間僅か数分、本当に早業でした。

 2人に掛かりでメイクしながら、更に数人でドレスを選んでいる始末。勿論イヴも着せ替え人形の如く衣装をあれやこれやと着せられています。


「お、恐るべし、お城の侍女さんたち…。」


 ボクは何故かフリフリのドレスを着せられていますけど…。


「何故にドレス?」

「アレフナーガ様から、リーン様を一際美しくしなさいと

仰せつかっていますので!。」

「素材が良いと、やり甲斐がありますしね!」


 キャッキャウフフと騒ぎながら、仕立て上げていくから恐ろしいですよね…。

 因みにイヴはもう少しかかりそうでしたけど。


「あの、これから何処へ?」

「それは聞いていませんね…はて、何処でしょうか?」

「まぁ、私たちはアレフナーガ様からおめかしするようにってだけでしたし…。」


 な、なるほど、聞いてないって事ですよね…。

 一先ず王様にあったりするんでしょうけれど、庶民のボクが会って良いのか悩みものですよ…。


 そんな事を思っていると、急に扉が思いっきり開かれて1人の男性が現れました。

 室内をぐるりと見渡して、ボクと目が合うとニヤリと感じの悪い笑みを浮かべ歩いてきます。


「おい侍女ども!コイツがあの蛇女が連れて来たヤツか?」


 かなり高圧的でボクは苦手ですね、この人は。それに、ねっとりとした気持ちの悪い視線を向けて来ます。


「こ、この方はアレフナーガ様が、連れて来られた、だ大事なお客様です。」

「あん?あんな蛇女と俺様、どっちが上なんだ?言ってみろ。」


 あぁ、なんか面倒な人だなぁって思ってしまいました。

 家の権力振りかざす系の残念な人なんですね、この方は。


「で、ですが!」

「てめぇ、口ごたえする気か?。先にてめぇから仕込んでやろうか?えぇ?」

「ひっ!?」


 どんだけ酷い人なのだろうか、この人は!。

 そんな時に、もう1人部屋に入って来た人が居ました。


「何をしている?」


 その声に、高圧俺様系の人はビクリと肩を震わせました。

 ギギギ、と音が鳴りそうな感じで声のする方に顔を向けました。ある意味この方は多才ですね。


「あ、兄貴!?。な、なんで?」

「なんで、だと?。アレフナーガが連れて来た客人だ、主人の俺が挨拶をしなくてどうする?」


 主人ってことは、旦那さんなんですかね。

 名前も知らない高圧俺様系の方と兄弟らしいです。見た目全然違いますよ?本当に兄弟なんですか?。


 紳士的なお兄さんの登場で、高圧俺様系弟さんはいそいそと部屋を出て行きました。


「愚弟が失礼した。私はリューク。

リューク・ソルファーダだ。炎蛇姫剣・アレフナーガの

マスターにして、この国の王家に連なる者だ。

宜しく頼む。」

「あ、えっと、ボクはリーン・ファンテです。

錬金術師をしています。宜しくお願いしますね。」


 ボクが自己紹介をすると、「ほう、君が件の錬金術師か」とちょっとよく分からない反応でした。

 有名になった覚えが無いんですけど。

 そんな事を思っていると、顔に出ていたのかクスリと笑みをこぼしながらネタばらししました。


「いやいや、偶然知り合ったエルフが以前君の事を話していてね。それを覚えていただけだよ。

それと後はアレフナーガから聞いたくらいだね。」


 ボクの知ってるエルフって、ユウリさん以外居ませんけど…。


「すまないな、アレフナーガが無理に連れて来たんだろう?。

何か不便な事があったら遠慮なく言って欲しい。

出来うる限り対処しよう。」

「はい、ありがとうございます!。」


 紳士的な対応につい笑顔が出てしまいますね。


「ほう、君は笑って居た方が可愛らしいな。」

「えっ!?。」


 そんな事を言われたのは初めてだったので、かなり動揺してしまいました。

 そこへスッとやって来たイヴが壁になる様に立ち塞がります。


「変な虫は撃退する」

「もう、イヴ!そんな事言っちゃダメだよ!」


 イヴの失礼な発言に、流石に諌める。


「あっはっはっは! 面白い方だ。確かに、そう見えてしまっても何も言えんな。

だが、貴女も魅力的な女性だよ。」

「ふーん、ロリコンの気質があるのか?」

「ろりこん、とは貴女の姿の様な方を好きな男の事を言うのかな?。

それだとすまないが期待には答えられそうも無い。」


 ロリコンの事を理解している何とも凄い方がいる!。

 しかも、「身体は未発達でも、魂は違う様だね」とよく分からない事を言っていました。


「それにしても、アレフナーガさんはどうしてボクをこんな格好にさせたんですか?」

「ふむ、詳しい事は本人に聞かなければ分からないが、恐らく父上や私に紹介する為だけだろうな。

アレフナーガはあれで茶目っ気があるからな。」


 あぁ、それは何となくわかる気がしますね。

 実はここに来るまでにも冗談なんかを言っていたし、話してみるとだいぶフランクな方でしたね。


「さて、準備ができた様だね。皆もご苦労様、アレフナーガの我が儘に付き合わせてすまない。」


 そう言ってリュークさんは、侍女さんたちに頭を下げていました。


「いえいえ!とんでも無いです!。」

「そ、そうです!」

「リーン様という素敵すぎる素材を更に磨かせて頂きましたし!」

「イヴ様も凄かったわよ!」


 などなど、各々が担当した人を褒めちぎってました。

 ぶっちゃけ凄く恥ずかしいです!。


「そうか、ありがとう。」


 温和な笑みを浮かべ感謝している様でした。


「さて、リーン嬢、すまないが父上達にも会ってくれないか?。

アレフナーガが恐らく呼んでいるはずだからな。」

「それは、いいですけれど…。」

「そうか、良かった。では、早速で悪いのだが付いて来てくれ。」


 そう言ってリュークさんは、ボクたちを先導していくのでした。

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