買い物と、そして。
すみません、最近家の片付けや仕事場の片付けとかで忙しく投稿出来ませんでした。
と言っても投稿を再開したのは最近なんですけどね〜。そしたらあの地震ですよ!M7以上なんて初めて経験しましたよ・・・。
出来るだけ早めに投稿していきたいですが、申し訳ありません!
まだまだ忙しい日が続くので更新は遅くなります。
シリアちゃんに連れて来られた場所はズラリと所狭しと並ぶ練金釜の行列。その数はハンパない量だった。
「この中でも、ミスリル製の練金釜がおすすめなのですよ。ミスリルは魔力伝導率が抜きんでた鉱石なのですよ」
「ミスリル製の奴があるの!?」
「勿論なのですよ、あの蒼味がかった銀の釜なのですよ。パチモンのミスリルコーティングとは違い、フルミスリルなのですよ!」
「しかもフルミスリルなんて〜、買うわ!」
「お嬢、いいんですかい?現物見なくても?」
「大丈夫、ボクは観察眼があるから!」
内心興奮しっ放し。だって、この世界でも産出量が少ないミスリルをふんだんに使っている練金釜なんて買わなきゃ損だよ!。
「でも、一応確認してくれないかな?かな?」
「分かったわ、触ってもいい?」
「どうぞなのですよ」
念の為にと触らせてもらい、その純度を確認する。指で触りつつ魔力を通すとふわりと淡く輝いた。申し分ない純度と魔力伝導率。納得のいく逸品に違いないけれど、問題は値段だよね。
「これって、いくらするの?」
「本来なら白金貨一枚と金貨が五枚なのです。ですが、余りに高すぎるので今まで売れなかったので不良在庫なのです。これを機にリーンさんに売ってしまうのです。」
「でも足りないよ?」
「其処は未来への投資で両替兼ねて値引くのです」
「アイテムボックスはあるのかな?かな?」
「それは持ってるよ」
「ではでは、お会計なのです」
ホクホクだよ、これは!。そう思いながらシリアちゃんの後をまたしても付いていく。暫くするとレジがあった。手打ち式のものだがよく出来ていた。
「ではでは、ミスリル製の練金釜お一つで9,980パースなのです」
「はい、これからお願いします」
「1万パースお預かりなのです、お釣りが20パースになるのです」
◇◇ ◇◇
会計を終えて、練金釜をアイテムボックスに入れおじさんたちとシリアちゃんの店を出る。本当に助かったよ。
「マッシュさん達もありがとうございます。助かりました。」
「いや、良いってことよ。それよりお嬢、バニングの奴に金返しに行くんだろ?早く用事終わらせようや。」
そう言いだし進み始める。この人達には感謝だなぁ。
それにしても、バニングさんを呼び捨て?。もしかして知り合い??。
「どうしたんですかい?」
「ううん、ちょっと気になって……。」
「何をですかい?」
「バニングさんを呼び捨てにしていたから。」
「あぁ、アイツと俺は、その、腐れ縁なんすよ。」
腐れ縁ってことは結構長い付き合いってことだよね?ま、まさか、BでL的な…。
「お嬢、変な事考えてないですかい?」
「えっ!?、ううん、そんなことないかな!?」
「その否定の仕方は余計に怪しいですよ!!」
マッシュはボソリと呟く様に言葉を零し「幼馴染なんすよ」と恥かしそうにしていた。
なんだ、そっちか。てっきりボクはBでL的な関係かと…。
「お嬢、また変な事…。」
「そんなことないよ、良いじゃない、幼馴染なんて」
トントントンとリズムよく踏み出してクルリと振り返る。
遠心力によりスカートがふわりと舞い、中が見えそうになるがそこは絶妙な何かにより阻害される。恐るべき神がかった仕様である。
◇◇ ◇◇
門衛詰所。
「ここに何か用事なのかな、お嬢さん。」
爽やかな青年がボクに話しかけてくる。しかも顔もかなり整っているのでかなり目立つ。
「あ、はい。バニングさんに用があって」
「隊長に?。わかった、すぐに呼んでくるよ」
そう言うと爽やか青年はすぐに走り去り、しばらくするとリーンの目的の人物であるバニングが青年と共に走ってくるのが見えた。
「おや、君はさっきの」
「お金を返しに来ました」
「落ち着いてからでも構わなかったんだがな」
「性分ですので」
「律儀だな。分った、では受取ろう」
そう言うバニングに立て替えてもらっていた分のお金を渡す。
「これですっきりしました」
にこやかに微笑むと、「そうか」と短くバニングは答えた。そばにいた青年は顔を赤くしながらリーンに見惚れていたのは言うまでもない。
「それで、マッシュお前は何をしたんだ?」
「いや、その…」
「お前、まさかとは思うが・・・。」
あ、手を拘束したままだったの忘れてた…。流石にお世話になったし、引き渡さない方がいいよねぇ、どういい訳したらいいかな?。
「えっとですね、マッシュさんたちにはここまでの案内とお店を紹介してもらったんです。」
「だが、手を拘束しているみたいだが?」
「それなんですけど、錬金術師とはあまり関わり合いになりたくないみたいだったので申し訳ないと思ったのですがボクが無理やりに・・・。」
気不味い雰囲気が辺りを包むが、それを破ったのはバニングだった。
「はぁ、わかった。今回はそういうことにしておいてやる。だが、マッシュ!次はないぞ!」
「・・・わかってるさ。お嬢も大目に見てくれたんだ、それを裏切ることは出来ない」
「解ってるならいい」
そう言い放つとバニングはクルリと回れ右をして若い騎士を連れて去って行く。若い騎士はリーンに頭を下げ跡を追いかけていった。
「さて、ボクもギルドに戻りますね。クレメリアさんも待っていることですし」
「あ、あぁ、お嬢、今回はお世話になりやした。おら、お前らも礼言わねぇか!」
「「お嬢、ありがとうございやした!!」」
ヤのつく稼業の人たちみたいに一斉に頭を下げられた。これはちょっと怖いかな!。
「う、うん、今回はボクもお世話になったからきにしないで。それよりも、みんなちゃんとお仕事しないとダメだよ?」
「そうですな、此れからはギルドに行って依頼でも受けていきますよ」
「「マッシュさん・・・。」」
マッシュさんがそう言うと、他の2人の表情が暗くなる。まるでそれは無理だと言わんばかりだった。
その事も気になったが、今はクレメリアさんとギルドが気掛かりだった。
「何があったかは分からないけれど、ボクに出来ることがあればなんでも言ってね?」
そう言うと、マッシュは「ですがこれは俺の問題なんで」と言って語ろうとはしなかった。
◇◇ ◇◇
マッシュ達と別れ、かなりテンションが高いのか普段しないスキップや鼻歌などを歌いながら錬金術ギルドを目指すリーン。
ある意味でかなりヤバい状態といえよう。それでもリーンは全く動じず突き進むと、ギルド前に人だかりが出来ていた。さすがにそれには気付くリーンだった。
「いい加減に諦めぇや!」
リーンの耳にも否が応でも聴こえるほどの声量で発せられた声。その野太い声は、普通の婦女子ならば怖くて震えてしまう程だった。