仲直り。
連日投稿です。
何とか間に合ったー!
良かった。
「ライゼルカー!何処にいるのー!」
森の中を走りながら叫びます。自分が何処にいるか分からないくらい似たような場所ばかりです。
『ライゼルカの魔力があっちから感じるわ。』
イヴがライゼルカの魔力を感じて場所を教えてくれます。まずは仲直りしないといけません。
『不味いわね、ライゼルカのヤツ意識が落ちてるかも知れない!。』
その一言に足が止まってしまいます。意識が落ちてるってどういう事?。死んでるわけじゃないよね?違うよね?。もしそうならボクは…。
ドス黒い感情があるのに気付いたボクはすぐ様その考えを振り払う。
(まだそうと決まったわけじゃない。でももし、そんな事が起きていたら?。)
「ライゼルカぁぁー!」
ボクは焦ってしまいます。何かあって大怪我しているのじゃないか?とか不安がよぎっています。ドクドクと心臓の音が響いています。森の中なので小枝が皮膚を傷つけていた様で、至る所で切り傷となって血が滲んでいます。
夢中で駆け抜けたら、少し広い場所に出ました。湖が日に照らされてキラキラしていました。
「ん?。あら、お客様かしら?」
「えっと…、あれ?」
「うにゅ、バハムートぉぉ……。」
下半身が蛇の姿をした綺麗な女性が、ライゼルカに膝?枕してあげていました。それにしても綺麗な人です。整った顔立ちにエメラルドグリーンの瞳は凄く印象的でした。
「この子の保護者かしら?」
「えっと、はい。そうです。」
「ふーん。そうなんだ。この子ね、大泣きしながら来たのよ。原因は、お判り?」
「はい、限定のバハムートのフィギュアを買ってあげなかった、こと、ですね。」
普段我儘言わないライゼルカに我慢しろと言ってしまった事が原因です…。場所が、ないと…。
ん?場所がないなら作ってしまえばいいのでは?。幸い、先ほど相談?にのって貰ったのでいろいろと吹っ切れたので…。
それよりもまずはライゼルカに謝らないといけないです。
「う、うーん。よく寝たのじゃ!」
「あら、おはよう。」
「アレフ姉、おはようなのじゃ!。」
「おはよう、ライゼルカ。」
ボクの声にビクリと体を震わせるライゼルカを、優しく抱きしめます。
「ごめんね、ライゼルカ。いっつも我が儘言わないのに、怒ってごめんなさい。今から買いに行こ?」
「な、なんで…。」
「うん?」
「なんで、怒らないのじゃ?」
「だって、怒る要素がないじゃない。普段はこれと言って我が儘言わないし、場所は〜、これから作るから大丈夫だよ!。」
「良いのか?」
「うん。」
「場所、とる、かも、知れん…のじゃぞ?」
「そこは、ほら、引っ越すのもアリだし?。幸い移動は何処でもいけるドアがあるし。」
「…ぐず…じゅる、がいにいぐのじゃ〜!」
鼻水の涙で顔がグシュグシュになっているので、持っているハンカチで顔を拭いてあげます。
「ほらほら、鼻水が垂れてるし、涙が凄いから拭くよ。」
「ちーん!」
あぁ、ボクはやっぱり家族には甘いのかも知れない。だって、ライゼルカもリファナも可愛いもん!。
っとと、そんな事よりもこのお姉さんにもお礼を言っておかないと!。
「あの、ありがとうございます!。」
「あら、わたくしが何か貴女にお礼を言われる様な事したかしら?」
「はい。ライゼルカがお世話になりました。」
「そう?。わたくしは妹分を宥めただけよ。だから気にしなくて良いわ。」
「それでも、ですよ。あと、自己紹介が遅れました。ボクはリーン、リーン・ファンテです。」
「へぇ、君が錬金術師のリーンちゃんか。失礼、わたくしはアレフナーガ。四聖剣の一振り、殲滅炎華の灰塵に宿る精霊よ。」
実にビックリです。なんと聖剣の精霊さんでした。上位精霊に会うのは初めてなので、どう接したら良いのでしょうか。
「何かあれば帝国の帝都、ソルファリアへいらっしゃい。わたくしの所持者はそこにいるわ。」
「はい、もしもの時はお願いいたします。」
「えぇ、それではね。」
「失礼しました。」
そう言ってライゼルカと共に来た道を戻っていくのでした。
ーー アレフナーガ Side ーー
興味深い2人を見送った後に、この場に訪れたのはマスターでした。
「誰かいたのか?」
「はい。例の子ですわ。」
「ほぅ、それは興味深いな。」
「純粋な子、という印象てしたわ。」
「そうか、ならば会うのが余計楽しみだな。」
そんな会話の後、わたくし達もその場を離れたのでした。