錬金秘密アイテム、何処でもいけるドア。
「そういえばリーン、まだイヴちゃんの身体作ってないの?」
不意に質問されたその内容に一瞬思考が止まります。何故シャンティ姉さんがそれ知ってるの?。
「こやつ、リーンの事を心配して覗き見ばかりしておったからな…。」
「ちょっとそれは言わないでって言ったわよね!?」
「阿呆!幾ら心配だからと言ってそこまでする奴があるか!!」
シャンティ姉さんの行き過ぎた過保護をおじいちゃんも気にしていたみたいです。幾らシャンティ姉さんでもボクのプライバシーは守って欲しいです…。
「ち、違うのよ!これは!!。リーンに変な虫が付かないか心配で!」
「ふーん、じゃあもしボクに彼氏とか出来たらどうする気だったの?」
「『殺す!!』」
おじいちゃんも呆れるほどシャンティ姉さんとイヴは過保護すぎです。
「イヴの身体を作るのに足りないものがあるんです…。」
「もしかして熾天使のオーブ?」
「うん。取りに行きたくても流石に天界の門を勝手に開くわけにもいかないし…。」
「別にいいと思うけれど…。この世界の天使は暇してるだろうし。」
「それってどういう事?」
天使が暇してるって、そもそも天使の仕事って何だろう?。
「そのままの意味よ。その世界には天使が仕えるべき神がいないの。天使の仕事はその世界の調和を保つ事。そしてこの世界は全てが安定しているから神も必要無いし、天使の仕事も無いってわけ。」
どうやら天使が仕えるべき神がいなかったら、ほぼオートメーションされている天界では仕事が無いんだとか…。
進み過ぎですよ、天界…。
「それにしても、天界に行く方法はあるのね?」
「それは、うん。何処でもいけるドア使ったらすぐだし?」
「ネーミング的に大体分かるけど、それはグレーゾーンの名前ね…。」
「それは、もう諦めた方がいいかも。うちのアトリエの商品で四次元巾着とかあるし。」
某青い猫型ロボットの秘密道具の名前に酷似しているかもしれないけれど、この世界の人たちは知らないし…。
あれは反則的に便利ですからね、ボクも極力使わない様にしていますし。いや、本当に扉開けたら別の場所とか旅の醍醐味木っ端微塵に無くなってますし…。
「でも、そんな事言ってたらいつまで経っても出来ないでしょう?」
「それは、まぁ。」
そう言いながら、ガサゴソとバスケットの中に色々詰めていっていますけれど…。
「もしかして、今から行くの?」
「当たり前じゃない。その為の準備よ!」
「…食べ物多くない?」
「食べ盛りのライゼルカちゃんとリファナちゃんまで行くならこれくらい必要でしょ?」
「えっ!?リファナも行くの?」
リファナまで行くなんて知らなかったから、びっくりしていたら後ろからリファナがやって来ていた。
『……、じゃあ行かない…。』
「違うんだよ!一緒に行きたくない訳じゃないの!。」
『ホントに?。邪魔じゃない?』
「そんな事思う訳ないよ!」
『うん。ピクニック…♪。』
フリフリと左右に揺れる尻尾が、如何に楽しみにしていたかが判ります。あぁ、ごめんねリファナ…。
「それで、準備が出来たら行くのじゃろう?」
「えぇ。其方も準備をお願いします。」
「分かっておるわい。」
「ピクニックー!」
ライゼルカは言わずもがな、ボクもこのメンバーだったら楽しみです。
「なぁなぁ、天界は天使がいるのだろう?。」
「そうね、強い天使がいっぱいいるわよ〜。」
「おぉ! ブレスでどれだけ倒せるか楽しみだな!」
物騒です、非常に物騒ですよライゼルカ!。シャンティ姉さんもニコニコしながら言わないで下さい。
そんな事を聞きながら、内心でツッコミを入れます。だって、言ったところで聞かないんですもん…、
「リファナとライゼルカは準備は終わった?」
『ん、身一つでいいでしょ?』
「うむ、そもそも持っていく物はシャンティ姉上が持っておるしな!。」
二人からはそんな回答がくる。
「シャンティ姉さんとおじいちゃんは?」
「私は大丈夫よ。」
「ワシも特にはないしな。いつでも行けるぞい?」
そう言うボクも、四次元巾着に全部入れてるので大して手荷物無いですし…。因みにこの四次元巾着の中に何処でも行けるドアが入ってます。
「じゃあ、出発しましょうか?」
「うむ!」
「えぇ」
「フォッフォッフォ」
『はーい』
みんなの返事を聞いた後に、四次元巾着の中から何処でも行けるドアを出します。大きさは一般的なドアくらいですから、大抵の人は普通に潜る事が出来ると思います。うむ、我ながらすごい便利アイテムですね。
そう思いながら、何処でも行けるドアを取り出し潜っていくボクたちでした。
ごめんなさい、遅くなりました。
ほんと、今年も早いものでもう12月ですよ。
今年はいろいろありました・・・。
というか、一年近く書いててこの進み具合・・・。
精進します(´・ω・`)




