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不幸な日々、とは

作者: 藤宮佐由流

手に入らないものを欲しがる。

手に入れてしまえばその価値はわからなくなる。手放したとき、その存在の大きさに気づく。


それは、一般的なことだ。

手放したときの心の隙間は、しばらく何ものでも埋めることができない。

悲しくて、虚しくて、代わりを探す。

見つかったものは、代替だったり、真実だったり。どちらにしろ、見つかるまでの間は本人にとって多大な負担を与える。

しかしどんなものであれ、隙間を埋めると、その人はまた幸せになれる。それは一時だったり、永遠だったりするけれど。


ただ、一部の人間は、その多大な負担を与える行為をあえてする。

心の隙間を埋めている、代替だったり真実だったりするものを、引き剥がす。

一部の人間は、言い方を変えると、私は、それによってもたらされた悲しみや苦しみ、虚しさ、心に血が滲む行為でしか、生を感じることができない。

喜びは、あまりにも刺激が小さすぎて、その感動に慣れてしまい、私が生きているという証にはなれない。

負の感情だけは、私の心に大きすぎて、それはいつも蝕み、そして慣れることができない。

幸せは日々感動が薄れるが、不幸せはその痛みが薄れることがない。


幸福は爆発してしまいそうな単調な感情の連続になるが、不幸は日々、新鮮だ。



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