対面の時
ー間もなく着陸態勢に取り掛かります。シートベルトの着用をよろしくお願いいたします。
アナウンスが入る。いよいよだ。いよいよ始まるんだ。命なんていらない俺は・・やり遂げてみせる。
空港に着くと、早速大勢の記者たちに取り囲まれた。外国の記者たちもたくさんいる。カメラのフラッシュが眩しい。
「君も汽車に乗るのかな?」
「君何歳?」
「いえどこ?」
「hello・・・」
いろんな質問を受けながら俺は黙って東京駅に向けて歩く。
本当ににぎやかな空港・・・駅にはいったいどれだけの人盛りができているのだろうか。
俺は東京駅に向かうバスに乗る。そのバスを追いかける記者たちがまるで蟻のように見える。
きっと高校生という短い命で汽車に乗ることがとてもいいネタになるのだろう。
バスの運転手は俺を見るなり、猛スピードで東京駅に向かってくれた。
東京駅直通便に変えて。
ほかの乗客からクレームが殺到する
「うるせーぞ、一人の少年が危ない汽車に乗ってでも叶えたい夢があるんだ。応援したいとはおもわねぇのか?」
バスの運転手がそういうと乗客たちは黙った。
しばらく誰もしゃべらずに載っていた。
「おいもうすぐ東京駅に着く。心の準備はいいんだな少年。」
「はい。」
俺がそういうとバスは停車した。
「行って来い。」
バスの運転手はそういうとバスの扉を開ける。
駅には空港の三倍の数ほどの人であふれていた。
そこでも汽車に追いかけられる。
「君の名前をおしえてくれー。」
「年齢は?」
「どこ出身なの・」
「君の願い事はなんだい?」
ひたすら質問される。ひたすらと言えば・・・
「天からの裁判だーー。」
「神に祈りをー。」
ひたすら神に祈りをしているやつもいる。
そんな中駅員が
「君もあの汽車の乗客だね?こっち来なさい。」
駅員に連れられ俺は改札を通り階段を上る。
外に出る。 そこには少数の人と大きな黒い汽車が停車していた。