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小さな約束  作者: 如月イヴ
本編
1/8

いつもの日常

内容をかなり変えました。

最近、好きな人ができた。

幼馴染みと呼べるほど親しい男。

でも、気づくのが遅かった。

だって。

ソイツには彼女ができたから。

学年で有名な美少女の加奈ちゃんの彼氏だから。

気づいたときには終わっていた恋。

あぁ、なんて悲しいことだろう。

二人の仲良くしている姿を見てやっと気づくなんて。

*  *  *


「おはよう、紗枝さえちゃん。」

「はよー、紗枝。」


聞いたことのある声が聞こえた。

顔をしかめそうになるのをグッとこらえ、笑顔を浮かべて声のする方へ向いた。


「おはよう。颯に加奈ちゃん。」


私に声をかけたのは、美男美女。

並んでいて絵になるような二人だ。


「行こうよ、紗枝。」


カップルの男の方は私の幼馴染み。

彼女ができても幼馴染みの私と学校にいく習慣は変えるつもりはないらしい。

加奈ちゃんがいくら説得しようが私が一緒にいかないと言おうが譲らない。

仕方ないので、颯が加奈ちゃんを迎えにいっている間に先にいくと怒られた。

私と加奈ちゃんは諦めて今は渋々一緒にいっている。

と言っても、私は後ろをついていく感じ。

二人の邪魔はしない。

いつものように、声をかけてくる颯に微笑み歩き出す。

颯に気づかれないように二人との距離をとる。

ふと、加奈ちゃんと颯の繋いでいる手が目に入る。


ズキッ


胸が痛い。


*  *  *


加奈ちゃんと私は別のクラス。

私と颯は同じクラスで隣の席。


「ねーねー。」


いつものように話しかけてくる。

加奈ちゃんは私と颯が仲良さそうにしていると悲しそうにする。

だから、あまり話さないように心がけているのだか颯はお構いなしに話しかけてくる。

嬉しいような、嬉しくないような…。


「ねーねー。」

「…なによ?」


あまりにもしつこいので仕方なく返事をする。

すると、不貞腐れていた颯がホッとしたような顔になった。


「来週、加奈ちゃんの誕生日でしょ?誕生日プレゼント何がいいと思う?」

「自分で考えなよ。女の子がもらって喜ぶような物でいいんじゃないの?」

「うーん…。シャーペンとか?」

「いやいや、違うわよ!高校生になったら、ネックレスとかお洒落なものになるの。」

「え、でも紗枝はシャーペンとか実用的なものの方がいいでしょ?」

「私はね。でも、今は私は関係ないでしょ!」


首をかしげる颯に私は頭を抱える。

コイツ…。加奈ちゃんの誕生日プレゼントの話してるのになんで私の好みが出てくるのよ…!

はぁとため息をついていると前の席で私の親友の弥生が話しかけてきた。


「ねぇ、颯。あんた、彼女は加奈ちゃんなんだからもうちょっと加奈ちゃんのこと知ろうとしたら?加奈ちゃんと紗枝は違うんだから。」

「…うん。…ところで、加奈ちゃんの誕生日プレゼント何かっていいかやっぱりわかんないし紗枝買うのついてきて。」


弥生に言われて少し考え込んでいたかと思えばこれか…。

私と弥生は顔を見合わせてため息をついた。


「弥生も一緒にいこ。」

「パス。予定がある。今度の土、日とも。」

「え、マジ!?」

「だから、颯と二人でいってきて。…加奈ちゃんがあとでうるさいだろうけど。」


弥生がポツリと最後に呟いた言葉にがっくりと肩を落とす。


「じゃあ、今度の日曜ね。」

「…分かったわよ。」


にっこりと微笑んだ颯の前で私は渋々頷くのだった。




あまり仲良くない女子がよく聞いてくる。

颯と付き合ってるのって加奈じゃなくて本当は私じゃないかって。

まぁ、そう思われるのも不思議ではない。

登下校は必ず私同伴。

弥生と帰ると言っても滅多なことでは一緒に帰るのを諦めてくれない。

休日、ほとんど加奈ちゃんとデートをしない。

付き合って1ヶ月たつが一回もデートにいってないらしい。

じゃあ、休日何をしているかといえば訳あって一緒に住んでいる私と一緒に遊ぶ。

弥生と遊びにいってもその間は男友達と遊ぶ。

加奈ちゃんとは決して出かけようとはしない。

こんな状態じゃ、私が本当は彼女なんじゃないのかといわれてもおかしくないだろう。



…でもね。

颯がそこまでする理由は、"好き"という感情は全く関係ないんだ。

ただ、小さい頃交わした"約束"だから。

"ずっと傍にいる"っていう約束を律儀に守っているだけ。

それだけなんだ。



彼女が出来ても律儀に守ってくれる颯は優しすぎる。

そして、私はそれに甘えている。

そのせいで、加奈ちゃんは傷ついている。

嫉妬して、でも私に強くいってこないのは加奈ちゃんも優しいから。



優しい颯を縛っているのも、優しい加奈ちゃんを傷つけているのも全部私なんだ。

私がたった一言颯に、"もう約束を守らなくて良いよ"っていえばすべて解決するのに。

私は弱いから。

今も、颯と加奈ちゃんの優しさに甘えている。


もう少しだけ。

もう少しだけ。

いつも、そう思いながら二人の仲良さそうな姿を見ているんだ。


自分も傷ついていることには気づかない振りをして。

主人公の名前変えました。

何度も言いますが、内容をめっちゃ変えました。

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