第七話 翌日、談話
・・・そして翌日。
昨日はあの女達に襲われたり、連れ帰ったアリスを見て緋奈が「兄さんが女の子を拉致ってきた・・・」とか言ったりするから誤魔化すのに時間がかかったりして大変だった。
「おはようございます、兄さん」
「ああ、おはよう緋奈。飯、食っといてくれ。アリス起こしてくるから」
「はい、分かりましたよ」
そういう緋奈の言葉を聞きながら部屋を出る。
そして、すぐ近くにあるオレの部屋にアリスを起こしに行く。
・・・補足として説明しておくが、オレは昨日リビングのソファで寝た。
だから、一緒に寝たとかではないと言っておこう。
「おい、アリス。起きてるか?」
そう言って部屋に入ると、オレのシャツだけを着ているアリスの姿が・・・・・
「・・・どうしてこうなった」
思わず驚愕するオレを他所にゆっくりと起きるアリス。
「・・・ここは・・・?」
「おはよう、アリス。ここは俺の部屋だ」
「・・・黒兎。・・・」
なにかを思い出そうとするアリス。
・・・・そうだな、今のうち聞いてみるか。
「・・・なあ、アリス?聞きたい事がある。良いか?」
「・・・別に良い。なに?」
「お前・・・ネクロマンサーなのか?」
一瞬アリスの表情が歪んだ気がした。
「・・・・うん」
そして静かに頷くアリス。
「敵に追われているんだろう?昨日のあの金髪の女と大男はなんなんだ?」
「・・・それは・・・」
言いよどむアリス。
「契約・・・ってなんだ?」
「・・・」
だんまりに入るアリス。
「言いたくないなら仕方ない。・・・・でもこれだけ言っておくぞ。アリスが危なくなったら、助けたい。例え、お前が話す気がなくともそんなのは関係ない」
「・・・・なんで」
オレの方を見てそうボヤくアリス。
「・・・そうだな。友達だからってのもあるが・・・・夢に出てきたんだよな、お前が。だからって事かもしれないな」
「・・・そう」
「・・・・あと、飯だからさっさと来いよ?」
そして、オレは部屋の外に出て行った。