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第四話 寮にて



「ただいまー」



「あー、お帰りなさい兄さん」



聖アリア学園の学生寮のなかのオレの部屋から聞こえる陰鬱(いんうつ)な声。



「ああ、ただいま緋奈(ひな)」



・・・・その声の主はオレの妹の緋奈である。

見た目は灰色の髪をしたロングヘアーで、顔付き自体は身内の贔屓目無しに可愛いのだが・・・雰囲気とかが鬱々(うつうつ)し過ぎて、何だかよくわからない。


緋奈は聖アリア学園中等部三年生なのだが・・・・残念な事に不登校気味になっている。

オレは緋奈を学校に連れ出したいのだが、中々実現出来ないでいる。



「兄さん遅かったですね~、自分、腹が減って餓死するとこでした」



「すまんすまん。少し部活に入ってな」



緋奈がピクリと体を動かす。



「部活ですか・・・」



そして、さらに鬱な雰囲気を濃くする緋奈。

・・・仕方がない。



「まあ、今日は久し振りに血を出してやるから」



緋奈は、オレと同じくヴァンパイアの血を引いてるからか、血液が大好物である。

・・・オレはあまり好きで無かったりするのだが。



「・・・ホントッ!?わぁ~、兄ちゃんありがと~っ!」



・・・・そして、血が好きなあまり、血が飲める日はテンションが著しく上がるのも緋奈の特徴の一つだ。

テンションが上がった時は何故だか「兄ちゃん」と呼んでくるのもだ。



「ああ、まあ少し待っててくれ」



「うんっ!」



・・・・普段からこんなんなら可愛げがあるのになぁ・・・。


そんな事を思いながらオレは料理を作り始めた・・・。













・・・そして料理も作り終わり、オレと緋奈は飯を食べていた。


・・・料理に関してはオレの両親が殺され・・・いや、死んだ10年前から作っているので、多分そこそこに上手く作れているはずだ。



「ほら、血だ」



「ありがと兄ちゃん!・・・ほぇ~、美味いわ~」



血を飲みながら光悦な顔をする緋奈。

オレにはよく理解出来ないが、きっと緋奈にとっては美味いんだろう。



「血ってそんな美味いのか?」



「美味いよ~。兄ちゃんも飲む?」



そう言ってコップを差し出してくる緋奈。



「いや、良い。オレは血が苦手でな・・・」



前一回飲んだ時、意識飛んだしな。



「兄ちゃんはどっちかと言えばお父さん寄りだしね」



オレの父・・・リッチの方なのだが、その遺伝もあり、黒色の髪を若干引き継いだオレは髪の毛の先だけが黒いで、他は灰色という何だかプリンみたいな感じになっている。



「んー、まあそうだな。・・・今度学校行けよ?」



「えー・・・」



「文句たれるなって」



若干テンションが下がる緋奈だった。

・・・どれだけ学校嫌いなんだろうか?



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