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プロローグ



その日、オレの運命は変わった・・・。

いや、回り出したのだ。あの日から壊れていた歯車が。



「見つけた・・・」



その女の子は、不思議な雰囲気を醸し出していた。

華奢な身体に、白く透き通った肌・・・。

薄い水色のような髪に、スカイブルーの大きな瞳。

そんな女の子が、オレに向かって話しかけてくる。



「やっと見つけた。私のーーーーーー」



女の子は微かに笑みを見せながら、オレにしっかりと微笑んでいた・・・。













「・・・っと、そんな夢を見たんだよ」



そんな今日の夢をオレーーー不知火黒兎(しらぬいくろと)は初等部からの腐れ縁二人に話してみた。

というのも、その夢はあまりにも現実的で、まるで本当にあったかのようだったからだ。


これは、予知夢の類かも知れない・・・。


そんな事を思っていると、腐れ縁二人からの返事が来た。

・・・一人は残念な奴を見る目と共にだ。



「なんなのだ貴様は。頭でも打ったのか?気持ち悪いぞ」



・・・こんな事を言ってくる奴は、腐れ縁の一人のアリシア・レインブラッド。

ここ・・・天海原学園都市内の聖アリア学園に入学して以来、約九年間くらいの付き合いになる。


・・・ここ、天海原学園都市とは東京都某所にある孤島を丸々改造した学生の街だ。

そして、同時に人ならざる者が生きる都市でもある。



「そうだな~、アリシアが可愛く見えるくらいに頭おかしくなってるな」



「か、可愛いなど・・・///って、なんだそれは!ムカつく!こいつムカつく!」



・・・確かに、アリシアは可愛い事には可愛いのだ。

金髪碧眼のショートヘアーの若干吊り目だが整った顔。

これは、美少女の部類にはいる事は間違いないと思う。

だが、それでも何故だかコイツが可愛いと思う事はすくなかった。

多分、それっぽい仕草をしないからだろう。



「事実だっての」



「うが~っ!なんなのだコイツは!」 



「まあまあ、落ち着けよ・・・っと。んで?私の・・・続きはなんなんだ?」



そう言って地団駄を踏むアリシアだったが、もう一人の腐れ縁・・・不敗愁(ふはいしゅう)に胴体を持たれて軽く持ち上げられてしまった。



「ん、それがよ。それ聞こうと思ったんだけど、急に目が覚めてさ」



「ふ~ん、まあ、間が悪かったのな」



片腕でアリシアを持ちながら、何事もなかったかのように話す愁。



「離せ!離せと言ってるだろうが腐敗臭!」



・・・・この腐敗臭だが、名前が不敗愁という名前だから、それを引いて呼ばれるのだが・・・これは、ゾンビである愁にはかなり厳しい言葉である。

因みに、アリシアはデュラハン。

オレ・・・不知火黒兎はヴァンパイアとリッチと呼ばれる高位ゾンビとのハーフだ。

・・・アリシアはデュラハンなのになんで頭があるかが謎だが、まあ変種とでも思っておく事にした。



「お前・・・それは!言うなと言ってるだろうがぁぁぁ!!」



「わっ!?きゃあぁぁぁ!?やめっ!」



まるで軽い棒でも振るかのようにアリシアを振り回す愁。

・・・・ってか、アリシアの頭押さえてるからいいが、もう少しで頭飛んで来そうだな。

・・・・まあ、仕方ないな。



「・・・・はいはい、ストーップ。落ち着けよ愁」



「あ、ああ・・・」



腕を掴んでそう言うと、そのままアリシアを降ろした。

・・・・ホント馬鹿力だな、全く・・・。



「た、助かった・・・」



ぐったりとしながらそう言ってくるアリシア。



「・・・まあ、言ったお前が悪いんだがな」



「うう・・・すまん」



「ま、もう良いよ、気にすんなって」



・・・立ち直り早いな。


とか、そんな事を思っていたらふとアリシアの頭が落ちた。

そして、その頭がオレの足元に転がってくる。

その姿はかなりホラーな部類に入るだろう。



「す、すまん。私の頭を取ってくれ」



「・・・ったく、しゃあねーな」



そう言って頭を持ち上げると・・・目がこちらに向かって向いてきた。



「っうおっ!?」



・・・流石に驚いてしまったオレは、アリシアの頭を地面に落とす。



「・・・馬鹿者!痛いだろうが!」



「アホかぁっ!生首がコッチ向いてきてビビらん奴なんていないわ!」



・・・いや、ホント怖いんだよ?

生首が急にこっちみてくるんだよ?



「ははっ!怖がりだな貴様は!」



アリシアの言葉に少しイラっときたオレは頭に向かって足を振りかぶる。



「う、嘘だ!蹴らないでくれ頼む!謝るから!」



・・・・・素直でよろしい。



「・・・ほれ」



頭を持ってアリシアの方に投げる。



「全く・・・私の幼馴染どもはなんでこんな変人なんだ」



「「いや、お前が言うなよ」」



そんな事を話していると、担任が入ってきた。

それと同時にクラスの面々が席に着いていく。



「はいはい。席について~。・・・さて、今日はホームルームを始める前に転校生を紹介しようと思う」



・・・転校生?


・・・今は4月16日だ。

そんな中途半端極まりない時に転校してくる事なんてあるのだろうか?



「それじゃ、入ってくれ」



そして、その言葉と共に転校生が入ってきた・・・・・。



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