現る地獄、和む3人
遠足から数日後、長いようで短すぎるゴールデンウィークが始まった。
「おかしい…おかしいぞ」
何やら兄が言っている
「ゴールデンウィークだ、それも間に空きのある長期連休とは言い難い日程だ…何故…何故!」
何やらテンションのおかしい兄、視線の先には…
「なんでこんなに宿題がででんだよ!?」
大きく積まれた紙の山があった
「お兄ちゃん遊び行くんじゃなかったの?」
「こんな量あったら遊びに行けるわけねぇだろ!このクソ教師どもめ!高校生なんだぞ?楽しませろよ!」
「秋人〜、口が悪いわよ〜」
「でもさ!見てよこれ!この紙の束!ふざけてるって思うでしょ?母さん!」
「まぁ…うん、そうわ思うわよ?でもその喋り方は良くないわ」
「はい…」
その後、何を言ってもどうにもならないと悟ってか兄は静かに課題に取り組み出した。
「そういえば母さん、部屋に虫湧いてたんだけど…」
「だからここで勉強してたんだお兄ちゃん」
「あらぁ、そうなの?なんの虫かわかる?」
「蟻だったよ、ちまっこい、ゴマ粒くらいのサイズのやつ」
「分かったわ、後で駆除剤買ってくるわね。秋人自分で出来る?」
「あー、多分?」
「お母さんやっておくわね」
「え?なんで?やるよ?」
「お兄ちゃん、お母さんはね悟ったんだよ…無理だなって」
「母さんなんで?俺やるって!やれるって!任せてって!返事してー?母さーん」
母の反応に焦りだした兄を見て、リビングには笑い声が響いた
やっぱり起伏の無い、いつもの日常が1番ですよね