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サッカーでしか繋がれない  作者: 月田きいろ
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7/10

地獄

 静岡では見慣れた光景でも新しい土地で見るサッカーはどこか新鮮だった。

 サッカー。秋田に来るまで私が多くの時間を費やしたスポーツだ。

 サッカー部の部員は見た感じ九人。今は四対四のミニゲームをやっていた。

(この人数じゃあ試合にも出れないな)

 サッカーの試合は基本的に十一対十一。まともにサッカーをしたいなら最低でもあと二人は必要だ。

「大和ってサッカーやるのか?」

「う、うん。ここ来る前にやってた」

 サッカー部のゲームをしばらく見ていると柿原が話しかけてきた。

「ほぉ、そうなんだぁ。じゃぁサッカー部入んのか?」

「……いや、無理」

 もともとサッカーはやめるつもりだったが部活の雰囲気を感じて決意が固くなった。


「(ザ・陽キャみたいな会話)」

「(大声でミスをした部員をいじり倒す発言)」

「(下品な下ネタ)」


 …………地獄? 

 そういえばそうだった。サッカー部なんてどこもこんなもんだった。純粋なサッカー少年ばかりいるサッカー部は漫画やゲームだけの話だ。絶対入りたくない。

「こ、ここはもういいかな」

 そういって私はさっさと立ち去ろうとした。……が、そうはいかなかった。サッカーの神様なんてものがいるなら私はそいつを許さない。


 部員がボールをコート外へ蹴り飛ばしてしまい……よりにもよって私のところへそのボールが飛んできた。

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