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形だけ大人になった僕たち  作者: 木痣間 片男(きあざま かたお)
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いまだに引きずる高校時代の思い出から:『高校生クイズ』

 高校生活がとてもつまらなかったという話しを何回かしてきた。せめてもの強がりで男子校だったことを理由に挙げていたが、冷静に考えてみると、共学だったらもっとつまらなかったのではないかと思う。モテない自分としては、もっと惨めな思いをしていていたのではないかということである。


 高校時代の思い出として、『高校生クイズ』に参加したという話しをした(第62話 暗い高校生活の唯一の思い出から:『高校生クイズ』)。

 繰り返しになるが、この思い出は僕にとって本当に、「これ以外はない」と言っていいほどの、まさに唯一のポジティブな記憶である。


 だから、先の第62話の投稿において、気持ちを込めて、「あれもひとつの青春の形だった。冴えない、どこにでもいるような、アニメと漫画と音楽とを愛する平凡な男子高校生が、年に2回女子友だちと会って遊ぶ、これだけでも高校を過ごしてきた価値があると思っている」と書いた。


 そのことが奏効したのか、本稿を読んだ40代の女性から、「わかるっ! アタシも高校のとき行きたかったのよ!!」という賛同をいただいた。

 東北地方に住む、現在はシングルマザーとして第2の人生を謳歌している、とても前向きで元気な女性である。


「えっ、『高校生クイズ』知っているの?」と、問い返した。

「はい、なんとなく楽しそうだから『高校生クイズ』東北大会に行きたかったのよ。でも、友だちとタイミングが合わなかったから行けなかったのよねぇ」とのことだった(3人一組で参加するルールになっている)。


 同世代にそういう人がいてももちろん不思議はないのだが、実際はどういうつもりで行きたかったのだろうか?


 恥も外聞もなく言うが、僕は、この大会に高校生活の青春のすべてをかけていた。女子とゆっくり話すことなんて、この機会をおいてほとんどなかったから、グループ交際というか、合コンに近いような感覚で彼女たちと接することができた。相手の女子からはその他大勢にしかカウントされていなかったとはいえ、話しができるというのは、僕にとって至福のときだった。


 非モテの男子校生の考えることなんてみんな同じである。「女の子とデートしたい。そしてあわよくば、もう少し性的なところまで進みたい」という、この一点だけだ。


 僕は、「高校生クイズに行きたかった」と答えてくれたその40代の女性に、「キミはどんな高校生活だったの?」と尋ねてみた。

「んっ、うちは共学だったから楽しかったよ。テニス部で友だちもけっこういたしね。プライベートでは先輩と付き合っていたし、まあ恋人がするようなことは一通り経験したかな。もちろん、勉強も嫌いじゃなかったから、それなりにがんばったと思う」とのことだった。

 “陽キャ”で、“リア充”で、“パリピ”で、もっと言うなら“ヤンキー”で、“ビッチ”で・・・、僕とは真逆な性格だった。


「ああ、そう・・・、それは、さぞかし楽しい高校生活だったろうね・・・・・・」


 そんなヤツは、高校生クイズに行く必要はない。地元での生活を十分楽しんでいる人間が、なぜわざわざそうした場所に行く必要があるのか。

 僕のような地元では相手にされないような男子校生のために、この大会はあるのだ。


「ああでも、もし声をかけてくれるような男子がいたら、そういう出会いも悪くないよね。クイズに答えられるような賢そうな人は好きだし。県外の男子校生とめぐり合うことなんてないと思うし・・・」


 そうか、いくら僕らががんばっても、コミュニケーションに応えてくれる女子がいなければ話しにならない。そういう意味では彼女のような女子の存在は大切である。そんな単純なこともわからず自分勝手なことを思って申し訳ない。

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