第2話いざ、王国へ
馬車ならぬ竜車から一人の男が降りてきた、
180㎝はあるだろうか、ガタイの良い身体で全身に鎧を纏っている。その男は、言葉に覇気を込めながら喋り始めた。
「この、ナーガ遺跡で不信な光が見えたと報告があった。この、光は君達に関係があると私は思うそして、その見慣れない服装からして君達は異世界からの使徒ではないか?」
使徒?聞き慣れない単語が耳に入り困惑する一堂だが、素早く理解したハルが出た。
「使徒と言うのは分かりませんがやはりここは僕たちの世界とは違うのでしょうか?」
「ああ、恐らくな。」
「では、あなた達が僕達を喚んだなら、僕達は元の世界に帰ることも出来ますか?」
「分からない。君達を喚んだのは私達では、無いからだ。」
「おい!それは、無責任ってモンじゃねぇのか?とっとと俺達を元の世界に戻せよ!!」
ガヤが話しに割って入ってきた。だが、少なからずその意見に賛同もあった。
「君達の意見も最もだが私達には、どうしようもない。
だが!!君達をこの世界に喚んだ者は、検討がついている!」
ガヤが声を上げようとした時に、ハルが手を出し制した。
「検討がついているというのは、誰かは確定では無いということですね。」
「ああ、私達が予想しているのは、大魔導師ファウスト様である。」
「なら、もう誰かは分かっているじゃないですか。」
「だが、ファウスト様は人前に姿を見せないが、異世界から使徒を喚ぶなど、彼以外には、できないだろう。それだけだ。ファウスト様からのは何処に居るか検討もつかない。」
自分達をこの世界に喚んだ張本人が行方不明とは、笑えないと全員が思った。
「取り敢えず、君達を我が王国ルキアスに招待しよう。まずは、竜車に乗ってくれ送ろう。」
翼の無い竜は、大型トラックの積み荷程の荷物を引いている。3台の竜車にそれぞれ10人の兵が乗っていたがそれでもスペースが余る程だった。
それぞれが10人程度に分かれて竜車に乗った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
竜車の中
「そういえば名乗ってなかったな。私は、ルキアス王国近衛騎士団団長キュロス・ワーカーだ、 よろしくな。」
近衛騎士団団長何かスゴそうだと、リョウは思った。
「君達の名前を教えてくれるか?」
「では、僕から。生徒会長とクラス委員ををやっています。 嘉納 晴です、以後よろしくお願いします。」
「順番に、隣の私を睨んでいる少年は?」
「眼つきが悪くてすまねぇなオッサン。立川 陵だ、よろしくな。」
皮肉っぽく云われ少し拗ねたリョウだった。
「順番的に次は俺か藤堂 承太郎っす。これからは、ショウでお願いします。」
金髪にセットされた髪のイケメン枠である。少々女たらし的な一面のあるチャラ男である。
何故彼が太郎を抜いたかというと、リョウの反対に座る人達がいるからだ。
「野球部部長、甲子園出場経験あり来年には、期待のルーキーとしてドラフトに君臨する者だ。」
「前置きが長がいんだよ。早く名乗れよ。」
リョウが長い前置きにツッコミをいれた。
「あっ、じゃあ前置きはそれくらいで。
奥山 燐太郎です。これからは、リンでお願いします。」
そう、彼等は"太郎"が被ってるのだ。それだけでは、さらに...
「ぼっ..僕の名前は剛力 拳太郎です。よっ.よろしくお願いします。」
何回か噛んだが、滅茶苦茶強そうな名前を名乗ったその男はまた、"太郎"という名を冠する者だった。そう、彼等は血の繋がりの無い赤の他人なのに"太郎"が被ってるのだ。だから、クラスメイト達は某CMにあやかり三太郎と呼んでいる。ただそれだけだ。
「男子の自己紹介は、終わったな。じゃあ、次は、女子お願い。」
「じゃ、私から。一色 薫です。ハル君と同じクラス委員です。よろしくお願いします。」
と、カオルが控えめに手をあげながら名乗った。
「じゃ、次私ねー。真宮 有栖です。アリスでお願いしまーす。」
陽気な声が響いた。とにかくポジティブな元気キャラな彼女である。
「わ、私は、乙坂 響です。お願いします...」
ショートボブに眼鏡を掛けた彼女が名乗った。 愛嬌のある顔立ちだが。眼鏡を掛けて自分を下げているような気がすると。リョウは、思った。
「皇 雛よ。ヒナでお願い。」
簡潔に名乗った。金髪にロングの彼女は、少し 自己中で女王様タイプだ。
ちなみに、三太郎は実はヒナに忠実な下僕である。
「これで、全員か..私も君達の名前を覚えるようにがんばるよ。ところで、君達も沢山疑問があるだろう、出来る限り答えよう。」
「あっ、じゃあ聞いていいですか?」
ハルが手を挙げた。
「おう、」
「僕達がこの世界にファウストって人に何で喚ばれたと思いますか?」
「うむ、恐らくというか、十中八九は、魔王との戦いのためだろうな。君達は知らないと思うが今は人類は、魔王と対立していてな。人類は、やや押されているから、強大な力を持った使徒様達を喚んだのだろう。」
「強大な力って、俺達只の一般人だぜ。」
リョウが割って入ってきた。
「分からないぞ。もしかしたらこの世界で、特別な力が開花するかも知れないからな。」
と、リンが言った。
それからキュロスが喋った。
「君達が戦うとは、限らないかもな。この世界には、竜というのが存在してな。人類は、竜と契約するんだ。君達がとても強い竜と契約したら。 それだけで、魔王を倒せるかもな。」
冗談混じりにキュロスが言った。
架空の存在だと云われた竜まで存在して、魔王までいるのだ。男子の大半は、興奮していた。
自分が勇者になる未来を視ていたからだ。
それから話し合うこと1時間...
「さあ、我が王国に着いたぞ、君達を歓迎しよう。」
読んで頂きありがとうございました。