第1話 何処?
気が付くとそこは辺り一面が石の細工がされた、遺跡のような場所に立っていた。
「..なぁ、リョウ俺らさっきまで教室にいたよな?」
「何言ってんだよハルは、勉強し過ぎて頭がおかしくなったか?ハハハ..見ろよこの青い空を」
空は青かった。
「この新鮮な空気を」
澄んだ空気だった
「この自然を!って、えぇっ!?ここ学校じゃねぇじゃんどこだよここ!?」
「ナイス、1人ノリツッコミ」
と、割と平常心な二人を見て、困惑していたクラスメイト達が我を取り戻し始めた。
「ドコよここ!?」
大きな声が響いた...声の人物は、真宮有栖だった。茶髪にパーマの髪をブンブンと振って辺りを見回している。
「ねぇ、ドコよここ?カオル何か知ってるんじゃない?クラス委員でしょ?」
「ご免なさい、私にも分からないわ私も困惑してるのよ。」
そう答えたのは、一色薫だった。黒髪のポニーテールで凛とした表情で考えている。すると、近くの男子達が騒ぎ始めた。
「おい、まさかこれ異世界召喚じゃねぇか?」
「あり得るな、すると俺の無双劇が始まるのか」
「いや、まずはハーレムだろ!」
と、男子達が興奮して騒ぎ始めた。一人だけ欲望に忠実な奴が居たが憧れの異世界召喚で興奮するのは仕方ないだろう。
「ここがドコか解らないがクラスメイト全員の安否確認だ居なくなった奴はいるかー?」
クラス委員のハルが大きな声で全員の注目を浴びる。
「とりあえず、全員いるみたいよ。」
もう一人のクラス委員であるカオルが確認した。
非常時だが、優等生二人は冷静だ。そんな、二人を見てガヤが騒ぎだす。
「ドコだよここ〜」「今日は、帰れないのか?」
「本当に解らないんだ、...取り敢えず、ここはドコなんだろう、公園というよりは、遺跡みたいだよな。まずは、人を探すか。」
臨機応変に行動を移すハルにリョウが
「その必要は無いみたいだぜ。南の方向から音がする。多分誰か人が来るな。」
と、指を南の方向に指す...が、そこは、
「リョウ...そっちは東だ。まぁ、良いか。」
リョウがため息混じりに息を吐く。
一分と少しで本当に誰かが来た。だが、思っていたのと違うのは、誰かが乗っているであろう乗り物は、馬ではなく竜のような生物だった。
「ファンタジーだな」
誰かが呟いた。
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