表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

サイコパスな男

作者: 黒豚

私は生まれた時から首に痣がある。この痣は昔から受け継がれてる呪いの一種らしくて、時々知らない人に襲われることがある。理由もなく。その相手は大抵サイコパスで、なぜかこの痣を見ると皆襲ってくる。


私の親はそんな私に小さい時から暴力を振るっていた。理由は気味が悪いからだ。しかし、それも、呪いの一種らしい。私はこんな自分が大嫌いだ。親にも愛されず、時には人に襲われ、こんな人生早く終わればいいのにと思う。けど、この呪いで自殺はできないようになっている。それがムカつくんだよ。けど、殺されるのはもっとムカつく。なんでこの呪いについて知ってるかと言うと、私のおばあちゃんにも呪いがあって、小学3年生の時に教えてもらった。けど、おばあちゃんは教えた半年後に亡くなった。死因はもちろんサイコパスからの暴行。


学校に行ってもこの気味の悪い首の痣を見てみんなが避ける。生まれた時から友達もいない。言うまでもなく彼氏もいない。高校に進学して3年が経とうとしているが私には関係ない進学したところで何も変わらない、就職試験も受かる気がしない。それなら、見た目で判断しない大学受験をしてみるか。そう思って私はとりあえず受験勉強に励んだ。


登下校。いつも変わらない景色。いつもと変わらないはずの通学路。何か嫌な感じがする。

あぁ、でたよ。サイコパスだ。

私は18年間も襲われ続けて、誰がサイコパスなのか分かるようになった。それでもサイコパスはそんなに多くはいないからたまにしか襲われなかった。だから、久しぶりに見たよ。あの目つき。

怖い。何されるんだろう。近づいてくる。あぁ、殴られる。そう思って私は目を強く瞑った。しかし、そのサイコパスは殴ってこなかった。


恐る恐る目を開けた。そのサイコパスは直前で腕を止めていた。私は驚いた。今まで、直前で止める奴はいなかったからだ。大抵3、4回は殴ってくる。

「なんで…なんで殴らないの…」久しぶりに声を出したからなのか恐怖からなのか震えながら私は彼にそう言った。

「分からない。分からないけど、俺はお前を傷付けたくない。早く、どこかに行け。」彼はそう言った。

私は余計驚いた。驚いて涙が出てきた。人間と話したのはおばあちゃんと話した時以来だ。たったその一言だけの会話だけで私はとても嬉しくなった。嬉しいのも束の間、私は急いで彼から離れて家に帰った。


初めて家族以外の人と話した。私はあの人の顔が忘れられなくなっていた。もう一度会いたい。けど、彼はサイコパスだ。何されるか分からない。だけど会いたい…


そんな想いが叶うはずがなく、気付けば私は大学2年生。あれから3年が経ったが、相変わらず友達も彼氏もいない。ましてや、話しかけてくれる人もいない。そう、あの日以来誰とも話していない。あぁ業務的な人との関わりはあるけどね。私は声を発さないけど。あの人と話したいと思うのは今も変わらない。けど、彼の名前は何なのか、何歳なのか、どこに住んでいるのかも分からない。辛い。


また、それから3年が経った。今は働いているが人とコミュニケーションをとることはできない(気味悪がられるのもあるが、長年、人と関わっていなかったから自信がないのもあるから)家での仕事をしている。主にコンピューター関連のしごと。たまに、外出はするんだよ。買い物に行くためにね。君らの世界にはネット通販ってものがあるらしいけどこっちの世界にはそんな便利なものは無いんだよ。まあ、それは置いておこう。


ある日のことなんだけど、買い物に行こうと思って歩いてスーパーまで向かってた。そう、久しぶりにあの感覚がしたの。あぁ来る。後ろだ。後ろから殴られる。

目を瞑った…


……殴られない…


もしかしてと思って振り向いた。彼だ。高校3年の時に出会った彼だった。「…あぁ…やっと…やっと会えた…」私は思わず泣いてしまった。彼は目を見開いて驚いていた。「何で泣くんだ?早く逃げろよ。お願いだ。殴りたくない」彼はそう言って私の肩を強く押した。「嫌…です…」私は泣きながらその場に座り込んだ。「お前は殴られたいのか?何故逃げない?」彼はそう言うと私の髪を強く引っ張った。痛い。けど…嫌じゃない。「体が勝手にお前を傷付けようとする。でも、何故だか頭ん中ではやりたくないって思ってる。俺にはどうすることもできない。訳がわからないんだ。」彼はそう言った。私は彼に「あなたと会えて嬉しい」と言った。

驚いたことに彼は私を強く抱きしめてくれた。私は彼にしがみついて泣きじゃくった。「不思議だ。お前の髪に触れた後、殴りたい衝動が抑えられた。」彼はそう言いながら私のことをより一層強く抱きしめてくれた。初めての温もりに私は戸惑いながらも、喜びを感じていた。


私はその日彼を家に招いた。

今日分かったことは、体の一部に触れたあとは衝動は抑えられるという事だった。触れた後、1時間は何も起こらなかった。そこで謎が解けたのが、今まで殴ってきた人が何発か殴ったあと、何事もなく去って行ったのは私に触れたからだということだった。


それから、彼の衝動が出ないように手を握りながら彼に私の過去の経緯を話した。もちろん彼はサイコパス。私の酷い幼少期の話をしても、感情は揺らがなかった。けど、そんな彼でも、「そうか、今まで誰とも関わりが無かったのか、そして、それは辛いものなのか」と理解はしてくれた。それが辛いものだと理解した彼は私の体を引き寄せて、強く抱きしめてくれた。そして「今は俺がいる。もう1人じゃない。辛くないだろ?」とそんなことを言ってきた。私はこんなこと人生で起きる訳がないと思っていたから嬉しすぎてまた泣いてしまった。


それから彼は毎日私の家に来てくれるようになった。もちろん玄関を開けた瞬間すぐに抱きしめて衝動を抑えていた。そんな生活を1年続けたある日。

彼は私に「俺と付きあって欲しい」と言ってきた。もちろん答えはOKだ。

彼は「1年間も一緒に過ごして付き合わない方が不自然だ」なんて言いだした。彼が来るようになって私はどんどん明るくなって、最近では首の痣が隠れるようにして、外で働くようになった。最近はすごく楽しく感じるようになった。それも全て彼のおかげだ。

ここだけの話。彼は家にいるとき衝動が出た時はある意味私を襲うようになった…///衝動が大きすぎるせいでいつも彼は激しく私を求めてくる。何度も何度も狂いそうになる程イカされる。

彼はサイコパス。夜ももちろんサイコパス。だから、ちょっとどころか、かなりSっ気がある。けど、それがかなり良い。今では外出先で襲われそうになったら彼がそいつを殴るんだ。相手はすごい血まみれで、彼も返り血を浴びている。殴り終わると彼の目はいつも死んだ目をしているけど、私の方に来るとまた、優しそうな顔に戻る。そんな彼にどんどん惹かれていくのがわかるし、その死んだ目さえも最高だ。

彼はサイコパスなのに、私の気持ちを理解して、そして、私を守ってくれるそして、私を好きになってくれた最高のサイコパス。


-END-

この話は実際に自分の夢を再現したものです。内容的に面白くないところがあるかもしれないですが、夢なので多目にみてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ