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アンドロメダ /01  作者: 稔~minoru
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アンドロメダ /07

マヤがライトを手で隠した。

「何するんだ!」

怒るススム。

「光っている。」

胸ポケットに入れているスマホから光が出ている。

スマホを出したススムが見たものは、スマホに付けたストラップが輝いていた。

ストラップを見る、ススム。

「どうしたの?」

マヤが聞いた。

「御守りが、輝いている。」

ススムを座らせたマヤ。

「俺が子供のときにもらった御守りなんだ。」

マヤは、リックサックからペットボトルを出してススムに渡した。

一口飲むと、マヤに。

マヤも飲んだ。

「俺、子供のころオヤジに連れられてこの山に登ったんだ。」

話す、ススム。

ススムが小学生の時に、お兄さんとオヤジと3人で修験者修行に来たという。

親子連れの修験者修行で、50人ぐらいいただろう。

夏休みのイベントのひとつ。いくつもの山歩きに、苦行。

夜は、ゲーム、バーベキューありの修行。

「親の言うこと聞くか!」

ロープ1本の命綱で身を落とすと、よくテレビでやっている行をしていた。

「親の言うこと聞くか!」

「あの修行は怖かった。」

オヤジも、兄貴も、他のみんなも、

「聞きます!」 

と言ってしまった。

俺の番になってロープと足二本で身を落とされた時、

「親の言うこと聞くか!」

「イヤダ!」

と、言ってしまった。

岩から見えたのは、母親の笑った姿。

いつも、殴ってくる。俺がなにをしたのか、なぜ怒ってくるのか、教えてもくれないで、八つ当たりする母親。

母親と兄貴は、おいしい料理で、夕食をとっているのに、俺は同じテーブルで、メイドの食事より落ちる御飯を食べて、笑う母親に兄。

「親の言うこと聞くか!!」

聞く、修験者の人。

「イヤダ!!」

あの母親の言うことを聞かないといけないんだと、怒りが湧いてきてな。

「親の言うこと聞くか!!!」

「イヤダ!! なんで言うこと聞かないといけないんだ!!!」

言ってしまった。

その時、足が浮いて、山の中に落ちてしまった。

ロープも身体から外れて、何本もの杉の枝に身体がぶつかって、落ちてしまった。

下に枯れ葉がクッションになって、命は助かったけど、ミイラにされて、入院になった。

その後、修行は中止になって、みんなが帰ったと聞いた。

目が覚めたとき、ひとりの修験者が見てくれた。

修験者に親のこと、家のこと、話しているうちに、泣いてしまって、ゴメンと、修験者に言った。あなたには関係ないのに。

マヤが手を握ってくれた。

入院中、オヤジは時間を作ってくれて何度も来てくれたけど、母親と兄貴は一度も。

何人かの修験者が、僧侶が見舞いに来てくれて、僧侶にならないか、なんて。

俺のことを心配して、誘ってくれたと思う。

退院の何日か前に、話を聞いてくれた修験者が来て、くれたんだ。

御守りを。

修験者が話てくれた。大事な御守りだと。

「いいの?」 

聞いたら、いいと。俺に託すと。

修験者の若い頃、まだ修験者になってないとき、神の国に行ったと話てくれた。

その時に、握っていた御守りだと。

「もう一度、神の国に行きたいと、修験者になって入口を探しているけど、この歳になっても見つけられなくて、と、話てくれた。」

マヤは黙っている。

笑う、ススム。

「神の国なんて、あるのかな?」

「でも、素敵な話ね。」



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