アンドロメダ /06
ススムの父親と母親。マヤのママ。高校の校長がヘリコプターに乗っていた。
学校から高野の山まで、電車で約2時間。自動車でも、1時間半ぐらいかかった。
近くのローカル空港。自衛隊のヘリコプターで、高野の山に飛んだ。
1時間もしないフライト。マヤのママは外を見ている。
高野の山が見えたころ、ガラスに手を押し付けて見ている。
ススムの父親は黙っていた。
後部座席に、ススムの両親、マヤのママ。校長と、自衛隊員が2人座っていた。
マヤのママは、カッターに、ジャケット、ジーンズと、カバンをタスキがけしていた。
窓を見るママ。思わず涙が出てきた。
隊員が、ハンカチを、差し出した。
「ありがとう。」
お礼を言うのが、いっぱいだった。
ススムの父親。本社での会議中、学校に来た。
外国製のスーツ?オーダーメイドか?
汗でシワになっている。
ススムの母親。出かける予定だったのか、メイクをして、派手なスーツスカートで来ている。
「なんであんな奴の為に。」
楽しみを取られた子供みたいに怒っている。
「仕方ないだろう。」
「いい家族を演じろ!」
「ハイ、ハイ。」
「それがお前の為。会社の為になるんだから。」
「これ以上のコマーシャルはないのだから。」
父親が涙声で言った。
「タバコはやめてください。」
自衛隊員に注意されて、しまった、母親。




