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アンドロメダ /01  作者: 稔~minoru
35/39

アンドロメダ /33

ススムとマヤは家に帰った。


記者会見の後、地球各国政府の対応が決まらない以上、することが無くなった。

毎日が東京見物。

マヤが、言った。マスコミのインタビューに。

「大名行列みたい。」

警官に、マスコミを連れて、歩くイブとの3人。

散歩と言っては、ホテルから出たススム。

本屋で、1時間以上、立ち読みをしている。

3人で出かけた。途中、切符を買って、駅に入った。

駅中ショップで、コーヒーを、ランチタイムに入る。


ディズニーランドにと、マスコミ各社に報道されている。

他の来客と話すススム。マヤとイブ。

遊び回る3人。スタッフが、SPが、慌てている。

歩き回る3人に、SPが警官が、ガードに召集された。


もう、遊ぶことが無くなったススムとマヤ。

防衛庁管理のホテルで、イブと遊んでいる。


日本政府は、ふたりの姿を見て、実家に帰還支援を考えた。

何ヶ月の実家に戻ったススムとマヤ。イブは、マヤの居酒屋で過ごしている。

居酒屋に帰った日は、臨時休業にして、ママさん、ママのお姉さん。スタッフお姉さん達がマヤを祝ってくれた。

マヤとイブの護衛を務めるSPに、自衛隊員に、政府関係者に御礼を言って、禁じられているビールを薦めるママさんにお姉さん達。

イブが、狭い店内を散策している。

食事中、わからないことを聞くイブ。

おばあちゃんと、呼ばれて、赤くなる、マヤママ。

「でも、本当になにも知らないのね。」

お姉さん達が呆れた。

「データとしては、記録はすごいの。」

「でも、コンピュータだから、人間を見てないから、人と人の付き合いは、子供ね。」

教えてもらった囲碁をするイブと自衛隊員。

イブが勝った。

喜ぶマヤにママ。

おでんを初めて食べるイブに感想を聞く、お姉さん達。

おにぎりに、卵焼き。さかなの煮付けに、野菜サラダ…。

イブがおいしいと驚く姿に、喜ぶみんな。

「アンドロイドが、こんなに豊かだとは。」

見ている。


ススムの家では、お父さんとお母さんがススムにと、好きなものを作っていた。

何人かのSPに政府関係者が、ガードに来ている。おやじが、おふくろが、テーブルにと、誘った。

「おやじ、テーブル、かえ変えたのか?」

ススムが。

「慣れないのか?」

笑うおやじ。

「いつも、テーブルで勉強していたのよ。」

SPに、おふくろが話す。

「えっ? 部屋があるのに?」

「ね。怪獣の巣でしょう。」

スマホを見せる。

「おふくろ!」

「言われたくなかったら、きちんとかたづけなさい。」

「これから、国の多くの人が、家に、部屋に入るのだから。」

「プライバシーはないと思いなさい。」

笑って話す、おふくろ。

「それで、ススムは、いつまで家にいるのですか?」

聞く、おふくろ。

おやじも政府関係者を見ている。

「まだ、なんとも言えないんだ。」

ススムが言った。

「できれば、おやじ、おふくろと住みたいけど。」

「学校にも行きたいけど。」

「だろうな。」

「ススムの警護をお願いいたす。」

おやじが言った。


翌々日の日曜日、昼過ぎには、ススムの家族がマヤの居酒屋にいた。

ススムとマヤ、イブがカウンター席に座っている。

1番いいテーブルに座らせたかったママ。

キッチンにと言うマヤに、

「主役がキッチンに入ってはダメ。」

スタッフのお姉さん達に言われている。

何回もの乾杯。

ススムは、甘いジュースに代わって、ソーダ水を飲んでいる。

お姉さんが、ススムのおふくろにと、おでんを出している。

SPも、交代で、ソーダ水で、乾杯している。

店の外に、ススムとマヤ、イブの帰りを祝って、誰かがパーティーのはじめた。

家にある、キャンプ用のテーブルを作って、ビールや、肴やと、持って来ている。

肴がないと皿が空いた。

家から、唐揚げを、サラダの差し入れを。

惣菜屋のおばさんの、魚の煮付けの差し入れ、スナックのママさんからのウイスキーに、ワイン。酒のビンの差し入れが、届いた。居酒屋のママさんは、今、作った惣菜を持ってきてくれる。

「今日は、開けても客来ないから。」

笑いながら、商店街の仲良しママさんの井戸端会議。

酒を飲みながらの井戸端会議。

マヤママも参加している。

で、居酒屋は? マヤがキッチンに入った。

どこの誰かが、工事用の赤いコーンと、黄色棒で、自動車道路を封鎖した。

居酒屋の、スナックの前の道路にテーブルが置かれて、ビールが、肴が置かれた。

知らない人達も、ススムとマヤの帰宅パーティーに参加した。

ススムのおやじも、会社の社員を何人も呼び出すぐらい、楽しんでいる。

昼過ぎから始まった、パーティー。夜遅くまで続いている。

パーティーは、夜遅くまで行われて、

「もうダメ。」

ススムとマヤ、イブは、酔っ払い達を後にして、2階に上がった。


その次の日曜日には、ススムの会社の駐車場で、バーベキューパーティー。

マヤのママさん、お姉さん達。呼ばれてのパーティー。

会社の社員、家族。取引先の社長に社員が、お祝いに来てくれた。

バーベキューと聞いて、取引先から、肉が届く。

野菜が、山盛りに、社員のママさん達が、切って、焼いている。

そして、どこの政府機関の代表が、ススムと、ススムのおやじと挨拶をしている。

ススムとマヤ。

イブが手伝いを買って出た。

「ダメよ。主賓が働いてては。」

ママさん達が怒っている。

ススムのことをよく知っている社員のママさん達。

日帰りハイキングで、ススムを頼りにしている。

大人の中には、お酒ダメシールを貼っている人達が。

「あんた、警官?」

「イエ、車で来たので。」

「私、すぐ赤くなるので。」

言う人達。

それ以上すすめない。

ウーロン茶で、ソーダ水で乾杯を祝う人達。

ススムとマヤが、子供ビールを持って来た。

「本当は?」

「飲みたいです。」

本音を話すSP。政府関係者達が。


ススムとマヤは、子供達のヒーローだった。

ススムのおやじが、会社のカメラで写真を。

木星軌道の大渦巻きのパネルをバックに撮る。

子供達と、親子連れと一緒に入る、ススムとマヤ。

大喜びの子供達。

何度も囲まれて、宇宙の話をするススム。マヤにイブ。

帰りに、握手をする。

おやじもおふくろも、ママも、楽しんでいる。

焼けた肉を食べながら、会社の人達と、取引先の社長、社員と話をするススムとマヤ。


誰かがマヤママに聞いた。

「どうです。お孫さんが出来た気持ちは?」

「複雑です。38で、娘と同じ歳の孫が出来て。」

笑って話す、マヤママ。

お姉さんが入って来た。

「でも、30、40で、子供を産むことを考えたらいいことよ。」

話がおかしくなった。

「子供が成人したときは、60でしょう。」

「孫なんて、抱けないよ。孫の結婚式なんてね。」

「私も、子供を産めない体だから、マヤは、私達の子供よ。イブは孫。」

「でもね。双子になったのよ! 双子に!」

「成人式の着物、ふたり分いるのよ。」

頭を抱えるママと姉さん。

「私がプレゼントしますよ。」

「このおじいちゃんが。おばあちゃんが。」

言う、おやじとおふくろ。

喜ぶマヤに見ているイブ。

この話は、新聞に、テレビに流れた。


パーティーの中、会社の会議室では、日本政府の大臣が、アメリカ合衆国政府の領事が、そして、世界中の代表達が来ていた。

ススム、マヤ。ススムのおやじが参加する中、日本の、世界の経済産業を動かす人々が、アンドロメダの技術開発を進める研究所の創設等々、語った。

「でも、まず、資金ですね。」

「企業が旗を掲げる事は出来ないから。」

「国家プロジェクト、イヤ、地球プロジェクトです。」

「国家予算の何年分の予算がかかりますよ。」

マヤの説明した。

アンドロメダが設計したワープエンジンの3Dモデルを投影して話す、イブ。

その大きさ、そして、費用に、青くなる各国の大臣に、社長達。

まして、エンジンだと話す、イブ。

宇宙船は、この星の生命体が作ることになると、話す。

で、アンドロメダの技術開発研究所兼会社の代表取締役に、ススムのおやじと話しがでた。

「私には、……。」

話すおやじ。

「私達は、あなたの家族も調査しました。」

外国の政府機関代表が話した。

「ススム君と血のつながらない男を取締役に入れたくない。」

「まして、公私混同して、会社のカネを使うものに。」

言う日本政府関係者。


「ひとつ聞きたい。ススム君とマヤさんは、地球と、アンドロメダと、どうつなぎたいと思っている?」

ススムもマヤも考えている。イブが見ている。

「では。私達の夢は、地球が、銀河宇宙で政治のリーダー的な役割を持つことです。」

ススムが言った。

「どう言うことだ!」

「俺達は、アンドロメダのデータから記録から5000万年前の政治、経済、宗教、人種等、見てきました。」

「地球に帰ってから、私達は、人類史、世界史を学びました。」

「まるで、5000万年前の宇宙が、地球史に見えてきた。」

「惑星国家、星間国家も、ひとつの岩ではないのですよ。」

「多くの国が、多く人々が集まって作られたものです。」

「この地球のように。」

「だから、戦争による、力による平和ではなくて、和解と理解によって、平和な地球を作つれたら、アンドロメダも力を貸しましょう。」

「人類は、銀河宇宙での指導的立場をとることが出来ると思います。」

「それをススムくんに、マヤさんにしてもらいたいんだ。」

「それで、本当に平和な世界が訪れますか? 」

「地球の人類史で、指導者が現れて、人々が幸福に一生送れたでしょか?」

「力で、兵器で抑えつけることは、本当に平和が訪れるのです?」

「人々が、私達の持つ旗の中、平和の道を進んでくれますか? 70億の人間が。」

「もしかして、私達のあるべき姿は、独裁者に変わるのですよ。」

「ナポレオンであり、ヒットラーなのですよ。」

「独裁主義。共産主義。そして、民主主義のなかにも、独裁的政治を行う人達がいますよね。」

「政治とカネ。」

「国家プロジェクトを組むことで、見えないカネが、人々の間を飛んでいる。国民が見えないなかで。」

「そして、ひとにぎりの人達が、いい思いをするのですか?」

「それは、地球の人類歴史が物語っています。」

「私達が先頭に立って動くと言うことは、地球人によいことでしょうか?」

「もし、地球国民から、不満が出て、俺達は、どうなります?」

「その時、イブは、何をしますか?」

「アンドロメダはどう動きます。」

「日本列島と同じ大きさの宇宙船。アンドロメダが、地球に及ぼす影響は?災害は?」

「私達の身体を守る為に、地球を攻撃するかもわからないのですよ。」

聞いた、ススムとマヤ。








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