アンドロメダ /32-B
控え室に戻ったススム達。
「パパ。あのお兄さんと、家族なの?」
イブが聞いた。
「そうだけど。」
イブが考えた。
「どうしたの?」
「ママ。パパとお兄さん。家族じゃないと思う。」
ススムのおやじが見た。控え室のみんなが見た。
「どう言うこと?」
「私、地球のセキュリティシステムに入ったの。」
「顔認証システムや、声紋認証システム。」
「その中から、パパとお兄さんの家族を調べた。」
「高い確率で、パパとお兄さんは、つながってないと思う。」
「何が?」
「お兄さんのパパ。別にいる。」
イブが言った。驚く、おやじ。
「思いあたるところ、あるのですか?」
内閣情報室の関係者が聞いた。
「でも、間違いかも。」
ススムのパパが言った。
笑うイブ。内閣情報室の政府関係者が動いた。この部屋で飲んだコップを、持っていく。多くの人が見ている。
「シール貼ってある。パパの名前、ママの名前が書いている。」
「見えるの?」
聞く内閣情報室のお姉さん。
「イブは、人間の型をした、探査システムだから。」
マヤが話した。
「地球で生活するための、学んでいるの。この娘は。」
頭をなぜながら、話した。
「だから、人と人が思いやる世界を見せたい。」
ドーム球場からの、移動時間前、マヤとイブは、マヤママも、イチゴパフェを食べている。
「食べている時だけ、おとなしいな!」
「パパ。何か言った?」
マヤとマヤママの真似をするイブ。
笑いが出た。
ため息が出る、ススム。
「マヤに似て来た。」
「で。母親は?」
聞いた、ススム。
ススムの母親と兄は、東京のドーム球場から横浜に向かった。
日本政府関係者が用意した、日本の高級車。
「何? この自動車! 日本車じゃないの!」
怒る母親。
「この自動車は、政府関係者が利用しています。」
話す、関係者。
「って、内閣総理大臣とか?」
笑う、関係者達。ドアを開けてもらった。
「窓ガラスは防弾ガラスです。」
ウイスキーに、ワインクーラーボックスを開ける。
「何か話があれば、車内電話を利用下さい。」
運転席とは、ガラスで仕切られている。
「ママ。すごいよ! 大統領になった気分!」
「本当ね。あなたのおかげで、乗れるのよ。」
スマホで撮るふたり。
電話が鳴った。助手席の女性が聞いてくる。
「どちらまで。」
「横浜港に。」
母親は、日本に寄港しているヨーロッパの豪華客船に乗るという。
その後、銀座で、友達と会う、兄。クーラーボックスから、ワインを飲むふたり。
パパの、ススムの悪口が飛び回っている。
運転手、助手席の女性は、前を見ているだけだ。
トンネルを通る自動車。すれ違う車がない。
「今、どこを走っている?」
道路に自動車が走ってないことに気づいた、兄。
「横浜港に向かっています。」
「でも、すれ違う車がない。」
「シークレットトンネルです。」
話す、女性。
すれ違う自動車が。
「エッ!」
トレーラーに戦車が乗っている。
「戦車が走っている!」
「シークレットトンネルですから。」
「首都防衛の為のトンネルです。」
「一般車両は、通れません。」
「御内密に。」
念を指す、女性。
自動車が止まった。
運転手と女性が降りた。
自動車を乗せたエレベーターが、動く。
驚く、ふたり。
ドアが開いた。運転手が、男性が助手席に座った。
駐車場を走る自動車。
光が。横浜街に。横浜港近くに出た。
「横浜だ。」
高速道路の半分近くの時間で移動した。
電話をする。
私達にはわからないと、話す男性達。
「私達は横浜警察の者です。」
「シークレットトンネルって、あるのですか?」
「まるで都市伝説ですね。」
笑う人達。
自動車は、横浜港の豪華客船乗り場についた。
多くの観光客が乗っている。
客船から、デッキから、見ている多くの外国人。
その中、客船から降りる人達が。5~6名。
ママに、お辞儀をする。
「マダム。」
花束を渡す男性達。
「何!あの子達!」
船内から冷ややかな目で見ている外国人たちが、話している。
黒服の男が、座っている外国人に、女性達に耳打ちをした。
執事だろうか?
その後ろには、何人かのメイド姿の人が立っている。
「成り上がり風情が!」
立ち上がった女性達。
ハンカチに、スカーフに、紋章が縫われている。
絹の服装に、絹のドレス。胸元には、輝く宝石が、彼女達を引き讃えている。
ススムの兄は、高速道路を首都、銀座に向かっていた。
スマホで、連絡している。
東京、銀座。
大手を振って歩く兄。
周りには、2世の社長候補達が。
クラブのマダムが、お相手をしている。
クラブの客が、嫌な顔をする。
老舗クラブ。
世の中の成功者が、社交場に使っている。いぶし銀の男性達。
政界、財界の上の人々が話をしている。
一流のホステス。外国人にも、クラブのホステスが、相手をしている。
このクラブに立つ為に、どれだけの時を費やしただろう。
クラブでも、戦いが。
話題は、ススムとマヤの会見だった。
そのススムの兄が、クラブに来た。
何人かの客は、馴染みのホステスを相手に送った。
マダムが来て、怒る。
「もう。そうやって、見るんだから。」
男達は、あれ飲め、これ喰えと、大声を上げる。
そして、会社に請求書を送るようにと、帰った。
いや? 次の馴染みのクラブにと、走った。
そして、ホステスから、為にならない話を聞いた、いぶし銀の人達。




