アンドロメダ /31
「宇宙戦争が終わった後のことは、私達の娘。アンドロメダーイブがお話しいたします。」
ススムとマヤが、イブを壇上の中央に連れ出した。
ススムは、アンドロメダーイブは、アンドロイドだと、話した。
日本のアニメや、SF映画を参考にアンドロメダが作ったこと。
アンドロメダ船と、アンドロメダ-イブは、リンクして情報が流れていることなど、マスメディアに話した。
その上で、イブが話し出した。
私は、人間達が去った艦、アンドロメダが考えた事は、迎えにくるまでに、艦を動かせるようにする事だった。
粒子エネルギーが底を着く中、アンドロメダは生きることを考えた。
まず、動くミラーを使って、粒子を増やした。
破壊されたミラーの再生。
数十個の粒子と粒子を当てて、爆発して生まれた粒子。
その粒子をぶつけて、粒子の数を増やした。
敵艦、味方艦の修理用のロボットを使って、ミラーを修復した。
数少ないミラーを用いて、増やした粒子を、木星に落下しないように、軌道修正を加えた。
粒子が壊れたミラーから、落ちていく。
少しづつ粒子が増えていった。
アンドロメダ艦本体から、力が増えてきた。コンピューターが働き、力がついた。。
アンドロメダは、艦本体の修理に取りかかった。
『人間達をまちながら。』
破壊された敵艦隊、味方艦隊から、脱出する救命ポットが。
航行不能になり、宇宙をさまようポット群。艦の爆発に巻き込まれて、消滅するポット群。
脱出ポットの多くは、第3惑星に降りた。
多くのポットが。
そして、惑星まで、航行可能な艦は、第3惑星の大気圏に入った。
多くの艦が大気圏の熱で爆発を起こした中、地面に降りた艦が。地面に叩き着かれて、爆破した艦があった。
アンドロメダは、数少ない探査衛星を、調査ロボットを、第3惑星に放った。
その惑星には、先住民族がいた。
恐竜だ。
艦から脱出した人間を兵士達に襲いかかる、恐竜の群れ。
恐竜の持つ武器、牙、爪、尻尾に、多くの兵士達が、殺された。
その中、武器を持った兵士達が恐竜の殺した。
戦士だ。恐竜に挑み、勝った戦士。生き残った戦士達。
恐竜を倒し、恐竜の肉を食べた。
アンドロメダは、敵味方の艦の中から、使える機器を取り出しては、本体の修理にかかった。そして、翼の修復作業に取りかかった。時間がないアンドロメダ。
人間が、人間を作った。人間を作る行為を繰り返す。
何回も、人間が生まれる度に、変化が現れた。生まれた人間は、顎が出て、頭が小さくなった。そして、武器、兵器も、使えなくなった。
第3惑星に落ちた艦から、アンドロメダにきたもの共がいた。
扉が通じた。
まだ、修復作業中のなか、恐竜が何体も現れては、翼を壊した。
恐竜は、宇宙に飛び出し、ある恐竜は、人間と戦い、共にゲートに落ちた。
回りには、破壊された艦がアンドロメダの周りを回っている。
部品はいくらでもあった。
本体も、翼3枚も、動けるようになった。
アンドロメダは、もっと早く動ける、完璧な艦を望んだ。
人間が残したデータから、アンドロメダは計算した。
破壊された艦から、使用出来る部品を付け替えては、新しい部品を生み出した。
ワープ航法の理論を解析して、エンジンの設計までした。
粒子をより効率のよいエネルギー変換にした。
しかし、アンドロメダの周りの艦から、新しい船を造られなかった。
ワープエンジンを作るだけの材料を、アンドロメダは艦の修復に使った。
時が過ぎた。
恐竜が少なくなった。人間と暮らす恐竜達がいる。
家畜となって、世話される恐竜達。恐竜も小さくなった。
地球に降りた宇宙戦艦が、地球環境を変えた。
人間は、人間も、滅びの道を歩んだ。
何が起こったのか、滅びの道を歩む人間が、増えていった。
その中、生き延びた人間達がいる。
第3惑星では、人間が増えて、狩りを、作物を作った。
何万回も、生命の危険にさらされて、絶滅の危機にあっても、人間は生きて、繁殖した。
人間が集合して、生きている。
人間は人間を殺し合って、より大きな生活世界を作った。
人間が、人間を支配する階級世界を作った。
人間は、水の上を走る船を作った。
船を多く作っては、戦争をしていた。
昔のアンドロメダのように。
艦隊と艦隊同士の戦い。
人間は、現れない。
アンドロメダは見た。考えた。
『どれだけの時が、たったのだろう?』
惑星では、人間が、集団生活を始めた。
惑星の人間が時間を測るものを作った。
星を見て、場所を知る方法を考えた。
アンドロメダは、人間の時間を計算する方法で、時を数えた。
5000万年。
時間が存在しない、宇宙艦。
その時間を知って、アンドロメダは、
『笑った。』
『怒こった。』
『悲しんだ。』
『そして、楽になりたいと。』
『死にたい。と。』
いつまでも経っても、迎えに来てくれない人間を待つことをあきらめた。
アンドロメダは、自殺を、自身を破壊することを考えるようになった。
しかし、破壊は出来なかった。自爆は出来なかった。
自爆システムは、人間が押すことになっていた。
ふたりの人間が。
アンドロメダは何十年も、何百年も、待った。
アンドロメダの行動を、自爆スイッチを押してくれる人間を。
ゲートを通って、人間は来た。
しかし、木星の大渦巻きを見て、人間は死んだ。
気が狂った。
見ても、大丈夫な人間もいた。
木星の大渦巻きを神と言った人間もいた。
連れを励まして、ゲートをくぐった人間。第3惑星に帰った人間。
アンドロメダは、人間を集める為に、地球全体に落ちた艦から、ゲートの道を作った。
地球上に、行方不明の人間が増えた。
人間は、神様が連れて行ったと。
しかし、ゲートは見つからなかった。。宇宙艦は見つからなかった。
宇宙艦は、土に埋まって、その上に、木々が育った。
それだけの時が過ぎた。
人間が、村を、町を作った時は、宇宙艦は全て、土に埋まっいた。
人間達は、宇宙艦の上に神社を仏閣を建てた。
血。DNAが教えたのだろうか?地球各地で、神を信仰する者が現れた。
宇宙戦艦の上に村を、町が、立てられて、営みが生まれた。
しかし、人間は、欲望を満たすことに、力を注いだ。
粒子から作った、ほんの少しの金で、銀で、宝石を見せただけで、埋まっている穴を探した。
金の鉱脈を教えただけで、集まった。
穴から、ゲートにと、金を、銀を置くだけで、入ってきた人間。
多くの人間が来た。
しかし、人間は、アンドロメダの希望を与えてくれなかった。
多くの人間達は、アンドロメダを見ただけで、木星を見ただけで、亡くなった。
時がたった。
長い長い時だった。
ふたりの人間が来た。
第5惑星を、木星と呼んだ。
木星の大渦巻きを見て、楽しんだ。
3D映像を見せても、壊れなかった。
アンドロメダは、ふたりの中に、データを送った。
ふたりの人間は、怒り、倒れた。生命活動を終わりに近づいた。
アンドロメダは、ふたりの人間を助ける事にした。
球体に入れて、組織を粒子まで、分解した。
レンズを、左手に。
金の糸、銀の糸を身体中に張り巡らせた。
粒子分解した身体を、再生させた。
金と銀の糸に巻き込まれた、脳、心臓。肝臓。
そして、臓器に筋肉、皮膚。
再生した人間。
ススムとマヤ。
脳に伝えた。
人間は、レンズを通して、アンドロメダと、私と、話しをしてくれた。
自爆スイッチ。自爆スイッチを押して欲しい。
しかし、ススムとマヤは、
「5000万年待ったのだから、後、100年位、待てるでしょう。」
笑って話した。
ススムが、話してくれた。
アンドロメダが、選んだ家族。
ススムとマヤは、パパであり、ママだった。
アンドロメダは、私は、ふたりの子供。
アンドロメダーイブ。
ススムが話した。「どうですか?」「信じるかは、これを見ている人達が決める事です。」「5000万年もひとりでいた宇宙艦、アンドロメダ。人間のように、感情が生まれるには、十分な時間ですよ。」




